2度目にお会いしたNさんは
両手の甲を
水ぶくれにして
会社に来たのでした
私とはかけ離れた次元で存在している
Nさんは当然ながら
武勇伝が沢山ありまして
例えば
真冬の朝方って車のフロントガラスが
凍っていたりしますよね
それをそのまま運転して
前が見えないから
窓開けて
走行しながら
手でワイパーの代わりをして
事故ったとか
車がオーバーヒートして
ボンネットから煙が出ているのに
運転し続けて
信号待ちの隣の車の人に
『車から降りてー!』って
引っ張り出された直後に
車が燃えて爆発したとか
職場の駐車場から帰る時に
何故か出入口と反対方向へ
車を走らせて
数メートル下の田んぼに
車ごと落ちて
田んぼに車が垂直に突き刺さって
『Nさん大丈夫!?』
って皆が心配していたら
車から這い出て来たNさんの頭から
血が吹き出していたのに
『全然大丈夫やで~』
ってそのまま帰ろうとしたり
更には
職場に炊飯器を持ち込み
お昼に合わせて
自分の机の上で
米を炊くんですよ
ね?
ホラーでしょ
因みにですね
あれから何十年と経ちましたから
私にもようやく免疫がてきまして
少し変くらいの人は
何にも思わなくなりました
そういやNさん元気してるかなー
完
