昨年の今頃、スキルス胃がんステージⅣを告知された男性がいました。
彼と私は、年に1度お仕事でご一緒する仲で、付き合いは10年程。
彼(以下Yさん)は、自分が告知された事をSNSで公表し、『元気下さい』なんて書き込みをしておりました。
2020年6月27日
この日から私達は、SNSを通じてほぼ毎日メッセージのやり取りをしました。
内容は、私が勝手に独り言(宇宙、昆虫、古代遺跡、雑学など)を呟きつづけ、それにYさんがお返事をくれるという内容でした。
Yさんは、必ず元気になって来年の春、奥様と一緒に会いに行くよと約束してくれました。
また、私達のやり取りをいつか本にする、それを目標に治療すると言って下さり、私が勝手に元気を送るつもりで始めたこのやり取りで、私が元気をもらっていたのです。
そして、ほぼ毎日続けたやり取りが、2021年の11月に終わりを迎えました。
お会いしたことの無い奥様から、私宛にメッセージが来ました。
Yさんは享年48歳でした。
Yさんが闘病中に、絶対に負けない、どんな治療でもする、治ると信じて頑張ると言っていたことがどれだけ凄いことなのか、自分が乳がんになって、やっと少しわかった気がします。
そして、あの時のやり取りがあるからこそ、私のこれからをYさんがずっと応援してくれている気がします。
だから、Yさんに感謝の気持ちを込めて本を作ります。
まだ試作品ですが

奥様に手渡せるよう完成させたいと思います。
次回『彦星との約束』