2021年4月1日


私は肌が弱く、胸の傷に貼ったテープとドレーンの傷の周りがただれてしまって、入院が長引いていました。

皮膚科の先生が処方してくれた薬を塗って、様子をみていましたが、ようやくただれが治ってきたみたいです。


午後から主治医のN先生が、

『もういつでも退院できるよ。』

と言いに、病室へ来てくださいました。


私はそれを聞いて、やっと退院できるという気持ちと、Sさんを独りにしてしまうという罪悪感や、彼女を放っておけない気持ちで凄く苦しくなりました。


8日間、ほぼ2人部屋の様にしてきて、

食事はコッソリ2人で食べて、

看護師さんも見て見ぬ振りしてくれて、

2人で食べたら食べれるって喜んで、

みかんも一緒に食べた、

アイスのPinoも一緒に食べた、

ほとんど私が食べたけど、

美味しかったーって泣いていた、

Sさんがしんどくない日は2人でお散歩、

私の為に泣いて怒ったひと、


Sさんが、

『もちこちゃん退院したら、私独りになっちゃう。頑張れるかなー。』


って呟いて、心が痛い。


明日でも迎えは来てくれるけど、やっぱり退院は明後日にしようと思った。

私が一緒にいたい。



そして驚くことに、Sさんは今日の夜ご飯を完食し、

『もちこちゃんがいなくても大丈夫』

って言った。


それを見た私は、大泣きしてしまって、

Sさんと仲良しの看護師さんも泣いていて、


Sさんと、看護師さんに

『ありがとう』

って言われて。


こっちが『ありがとう』やのに。

Sさんの優しさと、強さは果てしなかった。




次回、『差し入れミッション』