心と心を結ぶ花
心と心を結ぶ花
人生の中で、思いがけない出来事って、一体どれくらいあるんだろう。
人に会う度にそんなことを聞いてきたけど、、心にストンと来るような答えを聞けなかった。でも、ひとつだけ分かったことがあるんだ。言葉の文(あや)かもしれないけど、思いがけない出来事って、想像したことがないことだっけ。
結花から告白されたのも、そんな感じかな!?
正月休みが終わり、またいつも通りの日常を取り戻していた。
私は工場を回る工具販売の営業をしていた。気持ちは人一倍やる気に満ちていたが、まだ正月休みが体の中から抜けなくて悩まされていた。私の回っている工場の大部分は、自動車の部品を作っている会社だ。今年に入ってからは、仕事がなかなか回っていないらしく、どの工場も四苦八苦していた。
気持ちとは裏腹にたくさんの工場を回っていても、なかなか売上が上がらない。どうしようと悩んでいる時、一通の紺色の手紙が自宅に届いた。紺色の手紙には”あるマーク”が記されていた。紺色の中に黄色の線で模様が描かれていた。その模様をどこかで見たことがあったが、なかなか思い出そうとしても思い出せなかった。
シビレを切らして裏を見てみると、そこに答えが書かれていた。そう、それは私がかつて通っていた中学校の校章だった。
中学生の頃、その校章が好きで好きでたまらなかった。中学校の名前を元にデザインされた校章が。だから、何度も何度もその校章を机やノートに描いていた。卒業制作では校章をモチーフにしてオルゴールを作った。それほど、好きでたまらなかった。
手紙の中を開いてみると、それは同窓会の招待状だった。これまで何度も同窓会の誘いを受けたが、一度も出席したことがなかった。なぜかって言うと、中学校時代の自分があんまり好きじゃなかったから・・・
でも、今回はなぜか出席したかった。大好きだった先生が出席すると聞いたから・・・
相鉄線のさがみ野駅の近くににある洋食レストランで行われた。店に入ると、真っ先に先生を探した。すると、中学時代の面影がある人がたくさんそこにいた。それは、アルバムを見て懐かしいなぁ~と思うような、そんな気持ちに似ていた。
懐かしいな、懐かしいなと思ってキョロキョロしていると、ひとりの女性に声を掛けられた。彼女は、僕の親友の幼馴染だった。かつての親友を通じて、何度か遊んだことを今でも覚えている。
そんな彼女がなんで声をかけてきたんだろう。
すると、彼女は“会わせたい人がいるから、待っていて”という言葉を残してどこかへ行ってしまった。数分後、ひとりの女性を連れて戻ってきた。結花だ。彼女と私は幼稚園の頃から知り合いだった。私の母親と彼女の母親が親しかったせいか、何度かお互いの家で遊んだことを覚えている。ただ、それだけだ。
小学校は別の学校で、中学校は一緒の学校に通ったが、これと言って触れ合わなかった。だから、彼女と出会って、何を話していいのか分からなかった。
そんな私の動揺を結花は感じ取ったのか、「ちょっと外に出ない」と
誘われた。人がたくさんいるところが苦手だったので、彼女に従うことにした。外に出ると、気持ちのいい風がビュンビュン吹いていた。
気持ちのいい空気をいっぱい吸い込んでいると、ずっと先に進んでいってしまった。エッという気持ちでいっぱいだったけど、彼女が足を止めるまで彼女の背中を追い続けた。どのくらい歩いたのだろう。分からない。だって、今いる場所は、一度も行ったことのないところだったから。
そこは自然がたくさんあるところだった。見渡すと、森の中に畑が見えた。そのわきには川が流れていた。川を見ると、太陽の光を浴びてキラキラ光っていた。川の前で彼女は止まり、振り返った。
彼女は口を開いた。
「今日あなたが同窓会に参加することを知ってビックリしたわ。最初の頃は、あなたに私の思いを伝えようと心構えをしていたけど、ずっと出席しない日々が続いたから・・・今日あなたに伝えたいと思ったのは、他でもないの。あなたと出会った時から、あなたのことが好きだったの。私と付き合ってくれない」
この川のほとりに着くまでいろいろなことを考えていたが、まさか告白されるとは思わなかった。なぜなら、私は生まれてから一度も告白されたことなんてなかったからだ。もしかすると、これは何かのドッキリかもしれない。そんな思いと裏腹に私は答えた。
「僕でよかったら」と。
人を好きになる理由なんてなんでもいいと思った、その時。彼女が好きな花でもいいし、彼女のしぐさであってもいい。本当に大切なのは、理由なんかではない。大切なのは、好きだという思い。気がつくと、詩人か、あるいは哲学者のような言葉が次々と心の中からあふれ出てきた。
人生の中で、思いがけない出来事って、一体どれくらいあるんだろう。
人に会う度にそんなことを聞いてきたけど、、心にストンと来るような答えを聞けなかった。でも、ひとつだけ分かったことがあるんだ。言葉の文(あや)かもしれないけど、思いがけない出来事って、想像したことがないことだっけ。
結花から告白されたのも、そんな感じかな!?
正月休みが終わり、またいつも通りの日常を取り戻していた。
私は工場を回る工具販売の営業をしていた。気持ちは人一倍やる気に満ちていたが、まだ正月休みが体の中から抜けなくて悩まされていた。私の回っている工場の大部分は、自動車の部品を作っている会社だ。今年に入ってからは、仕事がなかなか回っていないらしく、どの工場も四苦八苦していた。
気持ちとは裏腹にたくさんの工場を回っていても、なかなか売上が上がらない。どうしようと悩んでいる時、一通の紺色の手紙が自宅に届いた。紺色の手紙には”あるマーク”が記されていた。紺色の中に黄色の線で模様が描かれていた。その模様をどこかで見たことがあったが、なかなか思い出そうとしても思い出せなかった。
シビレを切らして裏を見てみると、そこに答えが書かれていた。そう、それは私がかつて通っていた中学校の校章だった。
中学生の頃、その校章が好きで好きでたまらなかった。中学校の名前を元にデザインされた校章が。だから、何度も何度もその校章を机やノートに描いていた。卒業制作では校章をモチーフにしてオルゴールを作った。それほど、好きでたまらなかった。
手紙の中を開いてみると、それは同窓会の招待状だった。これまで何度も同窓会の誘いを受けたが、一度も出席したことがなかった。なぜかって言うと、中学校時代の自分があんまり好きじゃなかったから・・・
でも、今回はなぜか出席したかった。大好きだった先生が出席すると聞いたから・・・
相鉄線のさがみ野駅の近くににある洋食レストランで行われた。店に入ると、真っ先に先生を探した。すると、中学時代の面影がある人がたくさんそこにいた。それは、アルバムを見て懐かしいなぁ~と思うような、そんな気持ちに似ていた。
懐かしいな、懐かしいなと思ってキョロキョロしていると、ひとりの女性に声を掛けられた。彼女は、僕の親友の幼馴染だった。かつての親友を通じて、何度か遊んだことを今でも覚えている。
そんな彼女がなんで声をかけてきたんだろう。
すると、彼女は“会わせたい人がいるから、待っていて”という言葉を残してどこかへ行ってしまった。数分後、ひとりの女性を連れて戻ってきた。結花だ。彼女と私は幼稚園の頃から知り合いだった。私の母親と彼女の母親が親しかったせいか、何度かお互いの家で遊んだことを覚えている。ただ、それだけだ。
小学校は別の学校で、中学校は一緒の学校に通ったが、これと言って触れ合わなかった。だから、彼女と出会って、何を話していいのか分からなかった。
そんな私の動揺を結花は感じ取ったのか、「ちょっと外に出ない」と
誘われた。人がたくさんいるところが苦手だったので、彼女に従うことにした。外に出ると、気持ちのいい風がビュンビュン吹いていた。
気持ちのいい空気をいっぱい吸い込んでいると、ずっと先に進んでいってしまった。エッという気持ちでいっぱいだったけど、彼女が足を止めるまで彼女の背中を追い続けた。どのくらい歩いたのだろう。分からない。だって、今いる場所は、一度も行ったことのないところだったから。
そこは自然がたくさんあるところだった。見渡すと、森の中に畑が見えた。そのわきには川が流れていた。川を見ると、太陽の光を浴びてキラキラ光っていた。川の前で彼女は止まり、振り返った。
彼女は口を開いた。
「今日あなたが同窓会に参加することを知ってビックリしたわ。最初の頃は、あなたに私の思いを伝えようと心構えをしていたけど、ずっと出席しない日々が続いたから・・・今日あなたに伝えたいと思ったのは、他でもないの。あなたと出会った時から、あなたのことが好きだったの。私と付き合ってくれない」
この川のほとりに着くまでいろいろなことを考えていたが、まさか告白されるとは思わなかった。なぜなら、私は生まれてから一度も告白されたことなんてなかったからだ。もしかすると、これは何かのドッキリかもしれない。そんな思いと裏腹に私は答えた。
「僕でよかったら」と。
人を好きになる理由なんてなんでもいいと思った、その時。彼女が好きな花でもいいし、彼女のしぐさであってもいい。本当に大切なのは、理由なんかではない。大切なのは、好きだという思い。気がつくと、詩人か、あるいは哲学者のような言葉が次々と心の中からあふれ出てきた。
