漫画読んでたら急激に小説が書きたくなりました。

先日、書こうと思ってたのにバタバタしてしまって、書き損ねてしまっていた小説です。

ええと・・・ウチの小説好きな方には、あまりニーズが無さそうな人タチがメインで、申し訳ない、かも。(汗)





BLEACH二次創作 小説SS

No.4『恋心は深淵に沈めて』



護廷十三隊に新たな人事が発表された。

いなくなってしまった3人の隊長たちに代わり、新しい隊長が決まった。

正確に言うならば、新しい隊長というのには語弊がある。

以前その職に就かれていた方が復帰された、というのが正しい。

造反したとは言え、以前の隊長に心酔していた副隊長や隊員たちが、どうやって新たな隊長を迎えるのか、受け入れるのかが、最近の瀞霊廷でもっとも関心を寄せられている話題である。


特に、主犯・藍染惣右介を輩出した五番隊においては――。



「雛森ちゃん、コレも頼むわ」

「ハイ。…あ、この書類の決裁もお願いします。平子隊長」

てきぱきと仕事を進めていく声が響く五番隊執務室。


まわりが意外に思うほどすんなりと、この新しい主従は馴染んだ。

藍染が造反した後も、それをなかなか受け入れることが出来なかった雛森副隊長と同様の隊員も多かった五番隊は、平子の苦労が予想されたのだが、彼は飄々と、しかもあっさりと隊をまとめあげた。

平子が隊長をしていた頃の隊員が残っていたことも幸いした。

彼の軽く見える所見の裏に、桁違いの有能さがあることを古参の隊員たちが仄めかしたからだ。

そうして平子を知らない者たちも、少しずつ彼を信じるようになってきた。

最も、信じようと思うきっかけが、平子が藍染を副隊長として抜擢し、育てた実績である者も少なからずいたのだが。


「隊長!たまには俺たちに稽古つけてくださいよ~」

隊員たちが執務室に顔を出した。

平子はつまらなそうに書類をめくりながら、隊員たちに顔を向ける。

「この書類の山見たらわかるやろが。そんな時間があるかっちゅうねん。腕磨きたいんやったら、十一番隊にでも行ってこい」

「ええ~!まだ死にたくないッスよ」

「阿呆か、死なんために強なるんやろが。…さっさと行って席官くらいは倒して来ぃや」

「うえ~」

顔を引き攣らせた隊員たちを手を振って追い出す。


その様子を雛森がくすくす笑いながら眺めていた。

「ホンマはオレかてそろそろ身体動かしたいて思うねんけど」

「まずは目前の山を片付けていただきませんと」

「予想はしとったけど、これほどとはなぁ」

「平子隊長がいらっしゃらなかった100年の間に、護廷もいろいろ変わりましたから。私が若輩者でご迷惑をお掛けしているのもありますが……」

雛森が護廷に入ってからまだ40年ほど。それ以前のことについては資料で知るしかなかった。

「いやいや雛森ちゃんはようやってくれとる。この辺の書類とかも上手く纏まっとるし」

「はい!それは藍染隊長に指導していただいて作ったもので! ……あ……いえ、その…」

褒められて、全開になった笑顔が、固まって歪んだ。


平子の鋭い目が、足元を見つめる雛森にじっと注がれた。

藍染との戦いの中、雛森が心身ともに深く傷ついたことは平子も知ってはいる。

それでもまだ彼女の心の奥には、藍染の影が深く、根付いている。


「――アイツ、小うるさいヤツやったしな」

「え?」

何事もなげに、まるで世間話かのように藍染の話題をふる平子を、雛森は怪訝そうに見つめた。

「副隊長のクセに隊長のオレより偉そうにしとるから、ホンマいらついたわ。雛森ちゃんもそないなことなかった?」

「ええっ、そ、そんなコトは……!」

誰もが雛森の前では藍染のことには触れない。

ほんの欠片も耳に入れないように気を配られているのは、本人も判っていた。

(なのに、平子隊長は……)


凄い、隊長なのだろう。

仕事ができる人であることは、隊長に就任してからの短い時間の中でも判ってきていた。

人を見る目があることも、隊員たちへの接し方を見ていれば判る。

そしてこの懐の大きさ。

凄い隊長なのだ。

(だって、藍染隊長の、上役だった方なんだから)

当然なのかも知れない。


「…雛森ちゃん、この書類なんやけど…」

「ハイ。…あぁそれは平子隊長の独断で決めていただいて問題ありません。最後に平子隊長の署名さえきちんとあれば問題ありませんから」

「そぉか」

柔らかい日差しに、柔らかい笑み。

この新しい主従になんら問題は見当たらない。

しかし、平子は微かな引っ掛かりを感じていた。

「…なぁ雛森ちゃん」

「何ですか、平子隊長?」

「それや」

「はい?」

「いちいち『平子隊長』って全部言わんでえぇよ。他の隊員たちみたいに『隊長』でえぇて」

「え……」

雛森は、一瞬固まって、そして視線を流した。

彼女の中で、嵐のように何かが駆け巡っていた。

「雛森ちゃん?」

問われて、雛森はようやく視線を戻し、にっこりと笑ってみせた。

「いいえ、私は平子隊長とお呼びします」

「せやけど……」

「そう、呼ばせていただきます」

「……」

二の句を告げさせない笑みに、平子は無言を強いられた。

そのまま自席へと下がる雛森を、じっと見つめ、胸の内で、深い溜め息を吐いた。


そんな平子の胸の内も知らず、雛森はそっと心の中で呼びかける。

(隊長……藍染隊長……)

恋しい人の名を、そっと。

(いつか、私の前に戻ってきてくださるまで、この想いは胸のずっとずっと深いところへ……)



彼女にとっての隊長は、唯一人―――。




<Fin>










あとがき。


病んでる雛森サンを書いてみたくて書き出したんですが、むっずかしいなぁ。

なんだかうまく書けませんでした。うぅ。

悩まず書き上げるのがSSなのに、書き上げるまでに数日かかっちゃいましたよぉ。


SS1作目の「声が聴こえなくなる日 」と対になる話でもあります。

1作目が三番隊の新主従、まだまだ引き摺っているけど前に進み始めたイヅルの話で。

今作は、五番隊の新主従、表面上では順調に、しかし内面では全く変化のない雛森の話でした。

いやもう、雛森サンには盲執的な恋心を遂行して欲しいなと思ってます。はいw


そして、三番隊・五番隊とくると、残りは・・・九番隊?

拳西と修兵?

無理無理無理無理!!!

書けませんw

初恋の人と対面したかのような修兵なんて恥ずかしくて書けませんよ!!!

顔に好きな人の名前彫ってるようなもんじゃないですか!!

どんな顔して69って刺青彫ったのかを説明したりなんて・・・・・・・・うわぁ恥ずかしすぎる~~~~!!!!!


そういえば、久々に藍染サマの話が出てきて思ったのですが。

先日、ジャンプにこんど出るBLEACHの小説本の一部が掲載されてて、収監された藍染サマの様子が書いてありましたね。

なんか、かなり想像どおりで、にんまりしてしまいました。

あれなら、いつか必ず出てきてくれそうですねw

記念に公開終了してたその小説を再公開しときますね。

囚人



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