BLEACH二次創作小説 No.66 『奉呈の儀』(ほうていのぎ)       注・BLです

           CP:ギン白(市丸ギン×朽木白哉) 登場人物:朽木白哉、市丸ギン、朽木ルキア

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声を掛けようとして、掛けられずに立ち去ったのには気付いていた。
義妹となって幾日経とうとも、ルキアは未だ慣れるということは無さそうだった。
朽木白哉は静かに息を吐いた。


「冷たい兄様やなァ」
からかう様な聴き慣れた軽口に、視線を巡らす。
いつの間にやら開いている戸の隙間に、市丸ギンの顔が覗いていた。
「…何の用だ」
いつ来たか、どうやって屋敷内へ入ったのか、そういった質問はこの男相手にするだけ無駄だ。
だから用件だけを訊くのが、このところ常となった。
「何の用やと思う?」
「兄とつまらない禅問答をする気はない」
「そういういけずなとこが、義妹サンが懐かん原因やて判っとるん?」
「む……」
思わず口篭った白哉に、ギンがぷーっと噴き出した。
「冗談や」
「……」
「まァまァ、怒るなて」
背を向ける白哉に、ギンは後ろから絡みついた。
「何をしている…」
「ボクの用事は、ルキアちゃんのと一緒や」
項に、擽る様な吐息がかかる。
「誕生日、おめでと」
「……兄に」
「ん?」
「兄に祝ってもらう謂れは」
「そないなこと言うなて」
「……」
「祝いたいんはこっちの勝手や、祝われる方は素直に喜んどいたらえぇんや」
「…そういうものであろうか?」
「そういうもんや」
ギンは白哉の細い顎を指先で掬い上げると、優しく口付けた。
素直に、と諭していたせいか白哉からの抗いはなく、次第に熱を帯びて互いの唇から甘い水音が響いた。
そのとき、ふっとギンが唇を離した。
濡れた唇を手の甲で拭うと、ニヤリと笑う。
「義妹サンが、リベンジや」
そう言うと絡めていた腕を外し、おとなしく白哉の横にくつろいだ。
「…あ、あの…兄様…す、少し、よろしいでしょうか」
上擦った少女の声が戸の向こうから聞こえてきた。
白哉がギンを窺い見ると、ギンはにっこり笑ってその場を動こうとしない。
ひとつ息を吐くと、ルキアに入室を促した。
おずおずと入ってきたルキアは、そこにいるはずのない者を見つけて息を呑んだ。
「市丸…隊…ちょ」
「あァ、ボクんことは気にせんといて」
ひらひらと手を振ってニヤニヤと笑っているギンに気後れしながらも、ルキアは白哉に視線を向けた。
「!」
白哉がまっすぐにルキアを見ていた。
「あ……」
思わず気圧された。
まだ慣れない。未だ成れないのだ。
この気高く美しい人の義妹にだなどと……。
「どうした、ルキア」
でも、今日はなんだか少しだけ空気が柔らかいような気がした。
ルキアはぎゅっと拳を握りしめ、覚悟を決めた。
「あのっ、きょ…今日は、に・兄様の誕生日だと聞きまして…その…あの……おめでとうございます!」
顔を真っ赤にしながらもルキアは言い切った。
そして後ろ手に持っていた小さなものを白哉に差し出す。
「私は、まだ…兄様に、何を差し上げたら喜んでいただけるか判らなくて……だから、その…御守り、なんです」
その躯を大事にして欲しいから。
「…感謝する」
言葉どおりには受け取りがたい無表情な白哉の礼。
(やはり喜んでは貰えぬよな)
ルキアは肩を落とした。
退出しようと顔を上げると、ギンが白哉の背をつついているのが目に入った。
「硬い」
「……そのようなつもりは」
「伝わらんかったら同じや」
「……」
白哉は少々困ったような戸惑いを見せ、ルキアに向き直ると、
「…ありがとう、ルキア」
そう言い直した。
「いえっ」
嬉しくて、跳び上がりそうな気持ちを抑え、ルキアは立ち上がるとぴょこんと頭を下げた。
「し、失礼しますっ」
そう言って部屋を辞そうとすると、いつの間に移動したのかギンが戸を開けてくれていた。
頭を下げて出て行こうとするルキアの頭上から小さな声が掛かった。
「泣く子も黙る六番隊長さんに、御守りやて? 隊長の実力、舐めとんのとちゃうやろな」
ハッと引き攣った顔を上げるルキアを、舌舐めずりせんばかりのギンの笑顔が迎えた。
「嘘」
「……?」
「冗談やて。……あんまり必死で可愛らしいから、意地悪言うただけや」
口の端を大きく吊り上げるこの男の意図がわからずに、ルキアは動揺した。
「早う、行き」
立ち止まってしまったルキアの背をぽんと押して廊下に追い出すと、そのすぐ後ろで戸がぴしゃりと閉まった。
部屋の中からギンの笑い声が聞こえたようで、ルキアは慌てて耳を塞いだ。
そして足早に立ち去った。
(怖い…)
三番隊の隊長であるギンとはあまり話す機会もないが、近寄りたくない。
純粋な恐怖をルキアは感じたのだった。


「ルキアに何を言った?」
部屋の中では白哉がギンに冷たい視線を向けていた。
「六番隊長さんまで、何をムキになっとんの。ちょお、からかっただけやないの」
ギンは笑顔で往なすと、つかつかと白哉に歩み寄った。
「兄は帰らんのか」
「ボク? …プレゼントがまだやろ?」
「別に何も欲しく…」
「アンタの好きなもん、やるわ」
「私の……?」
ギンはゆっくりと白哉に顔を寄せた。
そうして、唇が触れ合う直前で止めて、嗤った。
「好きやろ?」



<Fin>











あとがき


に、兄様、お誕生日おめでとうございます・・・・。orz


わーい、どスランプでいっ!(←自棄になっています)
てなわけで、10作以上をボツにしまして、これをなんとか書き上げました。
いやもう、ホント、リクを下さった島さん、ごめんなさい。
朽木兄妹でリクをいただいたんですけど、どうしてもこの二人だと重々しくなっちゃって・・・。
どうにも書けないので、潤滑油としてギンを使いました。
実は開き直って、もう書けるものを書こう!と思ってギン白書いちゃえって思ったんですが、ギン出したらルキアも出てこれました。
不思議なものです。(汗)
あーギン白ダメだったら、ごめんなさい。<(_ _)>


んんんんん。
なんかメインなはずの兄様の扱いが一番小さいような気がする。(苦笑)
いやいや、当初はもっとごりごりに迫ってくるギン白の予定だったんですが、なぜか書き始めるとギンが優しくなって白哉がデレになっちゃうんですよー。
なんでかなぁ。
そして、ギンがたいしたことしてないのにエロいなw
終わり方はホントにエロい。(爆)


えーと話的には、ルキアが養女になって一年くらい経った頃かなぁ。
白哉もギンも隊長に上がってすぐの頃。
尸魂界篇の後、朽木兄妹が仲良くなった後って逆に会話が全然浮かばないんですよねー。
そりゃ暗い話しか考えられないはずか・・・。(苦笑)


というわけで、一応白哉への愛は果たしました。(;^_^A
いかがでしたでしょうか?