BLEACH二次創作小説 No.46 『男心と夏花火』

   CP:日乱・ギン乱・藍ギン  登場人物:弓親、一角、乱菊、冬獅郎、ギン、藍染   注・BLあります

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【 この話は「女心と夏花火 」のおまけです 】







【壱】
その頃、訓練場の中では。
「女心ねぇ・・・」
弓親は庭の二人と花火を眺めながら呟いた。
「何か言ったか?弓親」
「いいや、僕らには縁のない言葉だよ、一角」
「ちくしょう・・・酒でも飲みに行くか!」
「いいね、付き合うよ」
三発、四発目の花火は鋭く光って、消えた。




【弐】
十番隊舎、門前。
「ほらぁ隊長!始まっちゃったじゃないですかぁ」
「お前が今日の仕事全部サボったからだろうが!」
「ほらほら、怒ってないで行きましょ!」
強引に冬獅郎の腕を取って歩き出す乱菊。
浴衣姿の女性にリードさせるわけにもいかず、冬獅郎は乱菊の腕を外すと、なるべく自然に横を歩き始めた。
その姿を見て、乱菊の目が優しく微笑んだ。
「そういえば隊長、何で死覇装のままなんですか?せっかくのお祭りなのに」
「別にこれでもそんなに変わんねぇだろ。ほら、その辺にいる奴らだってほとんど死覇装じゃねぇか」
確かに男性死神は死覇装姿の者が多い。
仕事上がりということもあるだろうが、単純に楽だからという面もある。
「せっかくのお祭りなのに」
乱菊は再度言い、ぷうっとふくれた。
(そんなものなのか。浴衣くらい着てやればよかったか)
冬獅郎が考え込んだとき、
「乱菊」
と耳障りな声が聞こえてきた。
そこには浴衣姿の三番隊隊長・ギンの姿があった。
「ギン!その浴衣着てくれたんだぁ。・・・うん、似合うじゃない」
「せっかく乱菊が贈ってくれたもんやしな」
「いっつも買ってもらってばっかりじゃ悪いからね」
「乱菊はいつも以上に綺麗やなァ・・・そんな恰好しとると余計に虫が付くんやないの?」
「ふふっ。心配だったらエスコートしてくれてもいいけど?」
「せやなァ」
「あ!」
五発目の花火が辺りを照らした。
長身の浴衣姿カップルは、傍から見ていてもお似合いで、冬獅郎は少々傷ついた。
自分が乱菊と並んでいても・・・。
「おやァ、番犬がおるみたいやから、遠慮しとくわ。ほなな、乱菊、十番隊長さん」
冬獅郎に視線を向け、手を振って去っていくギン。
一瞬、名残惜しそうな目をした乱菊を、冬獅郎はただ見つめていた。
「まだ花火始まったばかりなのに、どこ行くんだか・・・ねぇ隊長」
「あぁ・・・そうだな」
「隊長?・・・あ、ほら六発目の花火」
夜空に輝く大輪の花。




【参】
五番隊舎、隊主室。
「で、君は何しに来たんだい?ギン」
藍染に問われたギンは、縁側に横たわって庭から花火を眺めていた。
「てっきり雛森ちゃんとでも花火見に行ったと思ってたんやけど」
「誘われたが断ったよ。人混みが苦手なのは知ってるだろう」
「かわいそ・・・女心の判らん人やね」
藍染の目が険しくなった。
「君のその恰好も女心の成せる技かい?僕の贈った着物は着てくれないくせに」
「嫉妬なん、やめて下さい」
ギンはニヤリと哂う。
「あんなたっかいモン、その辺に着てけんでしょ。まァ着てくようなトコにも行かんけど」
「だから普段着にしていいと・・・」
「普段着なん死覇装でえぇし。せやからボクに着物贈るんは猫に小判やて言うたやろ?」
藍染はぶすっとした顔のまま、すっとギンの背後に寄ると、そっとギンの帯を解き始めた。
「わっ何してんねん!?」
「こうなったら全部脱がす!」
「ちょっ、ここ庭やって・・・あっ!」
続けて二発の花火が、上空で絡まるように弾けた。



夏の花火。
人の想いはそれぞれに。



<Fin>








あとがき


『女心と夏花火』のおまけ小説です。
こんなふうな、いかにもおまけっぽい小説、書いてみたかったんですよ。(笑)


【壱】一角と弓親。
私の中では特にカップリングはしてないんですけど、ちょっぴり含ませた感じで仕上げました。
ちょっぴりすぎて伝わんないかしら。(苦笑)
いいコンビの二人ですよね。


【弐】冬獅郎・乱菊・ギン。
ウチの定番、三角関係。
わー乱菊ってば無邪気な悪魔ー。(笑)
ちょっと冬獅郎が可哀想だったかな。
でもあの後は結局乱菊とずっと一緒だったわけだし、いいじゃんねぇ。
翌年の花火の時は浴衣着るのかな。(笑)


ちなみに、本当は冬獅郎の前だとギンとの仲は隠す乱菊なんだけど、今回はそれやると話が長くなるのでオープンにしちゃいました。<(_ _)>


【参】藍ギン。
冬獅郎に乱菊の横を譲ったギンの行き先。
ハッキリ言って、藍染サマへのギンの嫌がらせです。(笑)
なんか藍染サマがかわいいことになってるのが気になる。(苦笑)