BLEACH二次創作小説 No.30 『永久に』(とわに)  CP:ギン乱

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今日もまた腕の中にすっぽりと包まれている。
「乱菊・・・」
二人きりで聞く彼の声はいつもとは違う。
柔らかさを増し、ごく僅かに甘えたような声を出す。
私にだけに・・・。



「どうしたの?」
今日も不意打ちだった。
乱菊が一人になった途端に現れては、抱き付かれてしまう。
最近こんな事が多い。
本人は決して認めようとはしないが、何をして疲れているんだろう。
癒しが欲しいのならそれでもいい。
でも本当は、その荷物を一緒に背負えたらいいのに。
そう思っても乱菊はそれを決して口にはしない。
しても意味がない。
ギンは、絶対に認めない。



「私達、逢う時はいつも二人きりね」
「何やの、急に」
「別に。ただそう思っただけ」
「せやなァ。いつからこうやったっけ?」
「あの家を出てから・・・違うか。あの家でも二人だったんだから、最初からずっと」
乱菊は遠い目をする。
「乱菊が余所余所しゅうなったんは、統学院の頃からや。死神になってからはもっと酷い」
ギンはおどけて口をへの字に曲げてみせる。
しかし、言っている事は事実だ。
人前で二人になる事を良しとしなかったのは乱菊の方からだった。
「だってアンタは・・・」
統学院においては創設以来稀に見る天才児。
上に買われてたった1年で卒業して護廷入り。
しかも席官入りは確実とは言われていたが、いきなり三席就任など前例のないできごとに、当時の瀞霊廷では知らぬ者はいない程その名を轟かせたのだ。
その横に、普通な自分がいることなど、そんな惨めな事は出来なかった。
「ボクは今も昔も変わらんと思うけど?」
そう、かもしれない。
「変わったのは乱菊や」
ギンの腕に力が篭もる。
胸の奥が引き攣れる様で、乱菊は息苦しさを感じた。
「昔はあないに素直やったのに」
「今は違う?」
「せやなァ、ボクから見たらウソつきの顔しとる」
「ふふ、酷いわね」
「そないに自分の事を人に知られるんが嫌か?ボクとこないな関係やて思われるんは嫌か?」
「・・・・・・」
「他人行儀に『市丸隊長』て呼ばれる度に、なんやボク悲しなるわ」
「ごめん」
でも。
「上官とできてるんは嫌、か。前にそんなん言うてたな。女ァ使うてのし上がったて思われとうないんは分かるけど、もうそないな事思うヤツもおらんやろ?副隊長なんやし」
でも・・・。
「まだアカンのか?」
乱菊は目線を落としたまま、こくりと頷いた。
「そぉか」
ギンは寂しそうに乱菊から手を離した。
「ギン・・・」
離れて行ってしまう?
乱菊はその不安に怯え、躯を強張らせた。
しかしギンは笑って言う。
「ほな、早う隊長に上がってき。せやったら対等やろ?」
「そ・・・だね」
「そしたら総隊長の前やってもいちゃいちゃしたるから、よう覚えとけや!」
悪戯っぽく言われて乱菊は安堵した。
もちろんその内容には問題があるが。
「そんなのアンタだってするの嫌なくせに」
「こんだけ待たされたら、そんくらいするかもしれんで?」
ギンの薄蒼の瞳と、乱菊の青灰の瞳が互いを捉えた。


 「ま、その時はその時で」
 「ま、そん時はそん時や」


声が揃った。
二人は笑いながら、また絡み合った。


「それにしても松本隊長の隊言うんは、想像つかんなァ」
「なんでよ?」
ギンは訝しそうに乱菊を見やる。
「・・・やっぱり想像つかん」
「失礼ねぇ。アンタにだって出来てるんだから大丈夫よ」
「それもそおかァ。イヅルみたいによぉ出来た副隊長見つけや」
「そしたら仕事は全部副隊長に任せて、私は・・・」
「ボクと逢引や」
「それじゃ今と変わんないじゃない」
「一生変わらんもん」
ぎゅうっと抱きしめた腕の中はいつもと変わらぬ温もりだ。



今までも。
 これからも。



<Fin>













あとがき。


今までも、これからも。
ギン乱は不滅ですっ!!!!!(ノ◇≦。)


Sなギンと子ギンばかり書いていたので、たまには甘いギン。
ラブラブなギン乱。
はぁ~幸せ。(笑)


30作目という区切り作品なので、感謝を込めてアメンバー限定記事にて公開です。

自分からは絡みに行けない私のアメンバーになって下さり、皆様には大変感謝しております。

ありがとうございます!

これからも出来得る限り頑張って小説を書いていこうと思っていますので、よろしくお願いいたします。

<(_ _)>




追記:2010.8.6 アメンバー限定解除。