BLEACH二次創作小説 No.29 『僕の罪』 登場人物:吉良イヅル、檜佐木修兵
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三人の隊長が瀞霊廷に反乱を起こし姿を晦ませた翌日、三番隊副隊長・吉良イヅルと九番隊副隊長・檜佐木修兵は一番隊舎に出頭を命ぜられた。
四十六室が全滅した今、瀞霊廷の全ては一番隊隊長・山本元柳斎重國に委ねられている。
反逆者の副官三名の内、五番隊副隊長・雛森桃は未だ意識不明の重体で、残った二人はこれから多くの査問とそれにより下される罰を受けねばならない。
控えの間で暗い顔を合わせた二人は、大きなため息を響かせ合った。
「俺、本当に何も気付かなかった。あんなに真面目で正義感に溢れて優しかった人がまさか・・・今も信じられねぇ。あれは本当にあったことなのか」
修兵は頭を掻き毟る。
「副官なのに、俺・・・隊長の何を見てたんだ」
「檜佐木さん・・・」
イヅルには慰める言葉がなかった。
裏切られたということにおいて、自分も修兵とは同じ立場だ。
頭を抱えて慟哭する修兵の横に、ただいることしかできない。
それでも。
吉良は思う。
それでも、檜佐木さんはいい。
あなたは気付けなかった己を責めればいい。
信じていた隊長に裏切られていたことを悔しく思えばいい。
自分は、違うのだ。
僕の罪は、
全てを知りながら、あの人を受け入れたこと。
あの人は僕の前では何も隠さなかった。
もちろん説明はなかったけれども、それがどういうことか考えれば判ることだ。
全てを知りながら、僕は心の目を閉じ、耳を塞いで理解しないふりをした。
まるで人形のように。
ただあの人の傍らに存在していただけ。
そうしなければ、あの人の側にいることは許されなかっただろう。
何をしようとしているのか、それを問えば、あの人は何も言わずに僕の前から去って行っただろう。
だから口を噤んだ。
人形でいい。
それでいいから側にいたかった。
でもあの人は、僕を連れて行ってはくれなかった。
言葉ひとつなく、僕は捨てられた。
いっそ雛森さんのように殺そうとしてくれれば、あなたを憎むこともできただろうに。
それすらも残してはくれなかった。
残されたものは空虚。
まるで夢か幻のように消えてしまったあの人を、
僕はまだ、慕っているのだ。
いっそ死にたい。
あなたの手で僕を殺して。
市丸隊長。
<Fin>
あとがき。
くらぁ・・・い話になりました。
さすがイヅルメイン。(苦笑)
ずっと以前から、イヅルと修兵の置き去られコンビの話を書こうとは思ってたんです。
前にボツにしたやつは、落ち込むイヅルを修兵が励ます話。
それがボツになって、上がった方はこれ↑ですか・・・。
なんだか自分を励ましたくなりますよ。(爆)
ラストがうまく書けなかったのが悔しいです。
あとがきで説明って一番ダメなんですけど。
死ぬのが怖いイヅルが、市丸の側にいられないなら死にたい。
でも死にたくない。
それでも市丸の手によってならば、殺してほしい。
殺すという行為で自分を認識して欲しい、という告白なんです。
だらだら書くと印象が薄くなるし、締まらないので端的にしてしまったけど、どうしても伝えたくてこんな所で説明しちゃいました。
力量なくて本当にすみません。
次は記念すべき30作品目になりますので、幸せな話を上げる予定です。(笑)