BLEACH二次創作小説 No.26 『DOLL』 CP:ギンイヅ 注・BLです
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「隊長・・・」
甘い吐息が頬を擽る。
こうして強く抱きしめているのに、この腕の中には何も存在しないような気がするのは何故だろう。
「イヅルは・・・綺麗やなァ」
腕の中の存在を認識すべく、ギンはその細い目を凝らした。
濃金の瞳を細め、はにかんだ様に笑うイヅルはいつもより幼く見える。
日頃、根暗だの陰気だなどと抜かす者たちは、きっと彼のこんな顔を見たことがないのだろう。
甘く蠱惑的な表情。
己を一切疑うことなく、しがみついてくるその細い肢体。
反吐がでる。
ギンの顔が皮肉な嘲笑に歪む。
イヅルのその姿は、少し前のギンそのものだ。
藍染に抱かれ、その身を預けた副隊長時代のギン。
こんな眼つきで、こんな表情で、あの男を見ていたのかと思うとゾッとする。
腹の奥からどろどろした真っ黒なものがこみ上げてきて、イヅルをめちゃめちゃにしてしまいたいという惨忍な思いに支配されそうになる。
しかしギンはそうする代わりに、イヅルに優しく口付けた。
(可哀想な子やなァ)
憐憫を僅かに含んだその表情はイヅルの視界に入る事はない。
その愛を、その信頼を受けて、ギンはイヅルを真綿で包みこむ様にゆっくりと締め上げていく。
蜘蛛の糸で絡め取るように、雁字搦めに縛り付けて。
そして・・・。
どうしてやろう。
ギンは舌嘗めずりする。
連れて行くのもいいだろう。
否、捨てていくのもいいだろう。
殺す必要はない。
そんな勿体無いことは出来ない。
この美しく、甘く、頼り切った表情が、裏切られて絶望に歪むその姿を見ていたい。
後悔と絶望にその躯を傷付けたとしても、その心の弱さでは己を殺す事も出来まい。
それとも復讐の刃をこちらに向けるか。
この愛を囁く顔が、激しい怒りに変わるのだろうか。
ギンは恍惚感に身震いした。
もっと、もっと深淵へ堕ちてこい。
淫らな顔で、蕩ける様な甘い毒を注いでやろう。
「かわいい、イヅル」
ボクの人形。
<Fin>
あとがき
・・・なんだこの話。( ̄Д ̄;;
自分でもなんでこんな話ができたのかよく分かりません。
書き始めたときは、めちゃめちゃ激甘なギンイヅでした。
9行目までそうですよね!?
で、私の右手が。
「反吐がでる」
そう書いたんですよ。
甘々の真っ最中なのに!
頭で考えたのではなく、手が勝手に動きました。
自分で吃驚したわ。
イヅル救済はキッパリ諦めよう。
だってねぇ、私の右手がこんなにも拒否するとは。(爆)
で。
ドSなギンの語りっぽい文章なんですが。
違和感ありますよね。
普段、関西弁の人の語りって困るんですよ。
訛りを入れて語ると、それはそれで変だし。
ま、それもこれも全部含めて、
今回は毛色の変わったモノとして、楽しんでいただければ幸いです。