BLEACH二次創作小説 No.24 『食事の供に』  CP:ウル織

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「何度も同じことを言わせるな」
そこは虚夜宮の一角。
感情の篭もらない声ながらも僅かに苛立ちを感じさせる言葉、第4十刃ウルキオラ・シファーだ。
そして言葉をかけられた方は、井上織姫。ここ虚夜宮に存在する唯一人の人間だ。
「食事を摂れ。それもお前の務めだ」
ウルキオラはまっすぐに織姫を見て、言い聞かせるように告げる。
「あの・・・別に食事を拒否してるわけじゃないの。ただ、ここにいるだけじゃそんなにお腹も空かないし・・・一人で食べるのは味気なくて・・・」
ウルキオラは理解できずに織姫を見つめた。
「無理矢理ねじ込むか、栄養注入の方がいいということか?」
「違うよっ」
「ではなんだ」
「せめて・・・あの・・・一緒に食事を・・・」
「俺がか?」
織姫は頷く。そもそもこの虚夜宮に既知の者はいない。
「俺たち破面には食事は必要ない。藍染様達は死神だから食事を摂られるようだが」
そういえば誰が食事を作っているんだろう。織姫は不思議に思った。
死神以外食事をしないのであれば、食事を作れるのも彼らだけなのではないだろうか。
藍染以外の二人とは顔を合わせたことはないが、護廷十三隊の元隊長達が料理をしている姿というのは想像できそうもない。
「藍染様はお忙しいから無理だろうが、他の二人に・・・」
「ううん、いいの・・・いいです」
余計に食べ物が咽喉を通らなそうだ。
「あなたは、本当に何も食べないの?」
「・・・紅茶くらいは飲むが」
「それでいいから、付き合って下さい」
ウルキオラは少々悩むと、無理矢理食べさせるよりは手間が掛からない事に気付き、その要望を受け入れる事にした。
「わかった」
食事を運んできた者に紅茶を運ぶように言いつけると、自らテーブルへ食事を運び、適当に並べてやった。
すぐに紅茶が運ばれてきて、二人は席に着いた。
「いただきます」
織姫は手を合わせた。
ウルキオラは不思議そうにそれを見ている。
食事を始めた織姫に合わせ、ウルキオラも紅茶に口をつけた。
「味は、あるの?」
「ある」
「美味しいとか、美味しくないとかは?」
「絶対的なものは分からんが、好む好まないはある」
「食事をしたら、どうなるの?」
立て続けの質問に少々眉を顰めたが、たわいもない会話であるし気にしない事にした。
「別に普通に消化する。ただ必要がないだけだ」
「ふうん」
会話の合間にきちんと食事を進めたらしく、織姫は食事を終えた。
(なるほど、この方が手間がかからん。しかし・・・人間とは面倒なものだ)
ウルキオラは、学習する。
「ご馳走様でした」
また手を合わせている。
何の意味があるのか、不思議に思いつつウルキオラはふと気付いた。
「口の横に何かついている」
「えっ」
織姫が慌ててナプキンでゴシゴシ擦るが、見当違いの場所ばかり拭ってちっとも取れない。
もどかしくなってウルキオラは手を伸ばした。
指で拭ってやると、きれいになった。
「ありがと・・・!?」
織姫の礼を聞きながら、指に付着したものをペロリと舐めた。
先程、味覚の話をしたのが頭に残っていたらしい。
織姫が急に赤くなった。
「どうした、具合でも悪くなったか?」
「・・・ううん、そうじゃないけど」
「ではなんだ」
「なんでもないよ」
しかし、相変わらず顔が赤い。ウルキオラは手を伸ばして赤くなった織姫の頬に触れた。
「!?」
それは、熱く柔らかい。
「あ、あの・・・」
もう片方の手で、頬を挟みこんだ。
彼女の熱が掌から伝わってくる。
織姫が口をぱくぱくさせているが、何を言っているのか聞こえなかった。
「なんだ?」
その小さい声を聞き取ろうと顔を近づけた。
「だ、だめー!」
織姫は火を噴きそうなほど赤い顔をして、ウルキオラを突っぱねる。
しかし彼女の力では、全く動きそうにない。
「何がだ?」
「それ以上近付いたら・・・唇が・・・くっついちゃうよ」
ウルキオラは織姫に唇をちょんと合わせた。
「これが何だ?」
「キャー!!」
織姫の絶叫が響いた。
ウルキオラはその騒音に耳を塞いだ。
「だからこれが何だと訊いている」
「そ・そゆことはしちゃダメなのっ!」
「?」
「絶対、ダメなのっ!!」
「・・・わかった」
織姫の凄まじい剣幕に押されて、ウルキオラは渋々頷いた。
「ウルキオラ様、何が?」
先程の声を聞きつけて様子を見に来た者に、食器を下げるよう命じた。
織姫はこちらに背を向けてしまっている。
「では、おとなしくしていろ」
そう言ってウルキオラは部屋から出て行った。

残された織姫は、まだ頬を赤くしたまま、心の中で絶叫していた。
(キスされちゃったよぉー!!黒崎くんともまだしたことないのに・・・って私何てことを!まだって何?まだって!?)
パニック寸前の頭を抱えて、織姫は蹲った。
(別にあの人は私が好きでキスしたわけじゃないけど・・・)
なんだか、段々優しくなってきている気がする。
今日だって、食事に付き合ってくれたし。
破面って、十刃って何なのだろう。
織姫はまとまらなくなった頭を一つ大きく振った。
考えても仕方ない。
彼女にできる事は、今は好機が訪れるのを待つだけだ。



<Fin>












あとがき


リクエストいただきましたウル織です。


先日上げた一織小説「涙が止まるまで」のあとがきで(ウル織の方が書けそうな気がする)と書いた私ですが、結構難しかったです。
ウルキオラが織姫に手を出す状況ってどんなだ?と悩んでしまいました。
というわけでウルキオラには攻める意志無しのちゅー。
らしいっちゃらしいのでしょうか?
ウル織見たことないので、わかりません。(苦笑)


こんなんですが、喜んでいただけるかな?



たまたまこれの前に上げた小説がギンイヅで、やはり両頬挟みしてるんですが、偶然です!
私の萌えシチュではありません!あせる

書いた時期は全然違かったんですよ~。上げた時期が一緒になっちゃっただけで。
合間に書いていたのがアメブロに上げられそうもない濃厚な藍ギンだったので、微笑ましいのが書きたかったんだと思います。(苦笑)