BLEACH二次創作小説 No.23 『魂の出自』  CP:ギンイヅ    注・BLです

<詳しくは  →  小説TOP






「イヅルー」
「はい」
自室で持ち帰ってきた仕事の書類を淡々とこなしている三番隊副隊長・吉良イヅルの横で、ゴロゴロと転がってるのは本来ならばその仕事をしなければいけないはずの三番隊隊長・市丸ギンである。
「イ-ヅ-ルー」
「何ですか?隊長」
仕方なく今度は手を止めてギンへ顔を向けるイヅル。
「手ェ見せて」
「・・・はい」
イヅルは両掌を揃えてギンへ見せた。
ギンはその手をとると、繁々と眺めている。
「何か?」
その問いには答えず、ギンは躯を起こすと今度はイヅルの腕を確かめるようにどんどん上へと触れていく。
「隊長?」
両肩に達した手はするりと首筋を辿り、イヅルの両頬を挟んで止まった。
「隊長!?」
ギンは顔を近付け、イヅルの瞳を覗き込んだ。
イヅルの顔は耳まで赤く染まった。
「・・・変わらんよなァ」
「な・・・何がですか?」
うろたえるイヅルに構わず、ギンはいつもの笑みを見せた。
「イヅルは貴族の出やろ?」
「はぁ、下級ですから生活は町人と変わりないくらいでしたけど」
「つまり、こっちの生まれちゅうことや」
「はい」
「ボクら流魂街出身のもんは現世で一度死んどる。いくら魂や言うたかて、全く同じもんが生まれるっちゅうんはどういうことなんやろね」
「はぁ・・・」
イヅルはギンの話についていけず、混乱し始めた。
「何かちゃうとこでもあるんやないかと思たんやけど」
「ありましたか?」
「ない」
そう言いつつもギンはイヅルの顔から手も目も離さない。
「イヅルの目ェ、茶色やと思てたけど、濃い金色なんやなァ」
「そう・・・ですか?」
「せや。せっかく綺麗なん、何で隠しとんの?」
「それは・・・」
まっすぐに前を見れない自分の弱さを隠すため。
そんな情けない言葉をこの人に聞かせたくなかった。
なんと答えたものか、イヅルのそんな逡巡を見抜き、ギンは更に顔を近付けると口唇を合わせた。
不意をつかれ、イヅルはびくりと躯を震わせた。
思わず見開いた目は、蒼く光る鋭い瞳に射抜かれて、もはや一瞬たりとも逸らす事はできない。
ぬめりとした舌が唇を割って口腔に侵入する。
イヅルはそれをすんなり受け入れると、目を細めた。
(別に理由なんて要らない)
舌と舌を絡め、こぼれる吐息さえも吸い尽くすように貪りあった。
「隊・・・長・・・」
最後に唇から溢れた滴をぺろりと舐め取り、ギンはニヤリと嗤う。
「味も一緒やし」
「あ・・・」
「貴族ゆうても、やっぱり変わらんのかァ」
ギンは興味を失ったようにまたごろりと転がった。
「ま、綺麗なもんは綺麗やけどな」
イヅルに見て、そう言って笑う。
イヅルは目を伏せると、また仕事に取り掛かった。
高鳴る胸の音を隠し、またひたすらに主人の気まぐれを待つのだ。

(別にいい)
(それが今の幸せなんだから)
イヅルはこんな一時が好きだった。
誰にも邪魔されない二人の時間。


しかしそれを壊す者がいる。
こんな時には必ず現れるのだ。
「吉良くん、夜分に済まないが、そこに市丸はいるかい?」
果たして、今日もやってきた。五番隊の藍染隊長だ。
イヅルは唇を噛みしめた。
ギンは躯を起こすと、イヅルより先に答える。
「いてますよ。・・・全く煩い人やなァ」
しぶしぶ立ち上がると、イヅルの肩をぽんと叩く。
「ほな、後はよろしゅうな」
躊躇うことなくガラリと戸を開けて、出て行ってしまう。


いつか、あの人を引き止める事ができるだろうか。
イヅルは大きなため息をついた。
書類仕事はまだまだ終わりそうにない。



<Fin>








あとがき


ずぅっと前に言っていたイヅル救済作品。
救済?
あれ?報われてない・・・。

一応いちゃついてるシーンはしっかり入れたんだけど、やっぱり最後に落とさないとイヅルは終われんのかー。


ウチのイヅルはこのポジションから抜けられないようです。あぁ不憫。(苦笑)