BLEACH二次創作小説 No.18 『月に住まうは』 登場人物:浦原、ギン
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暗い暗い森の中にぽかりと木々の開けた場所がある。
丸く満ちた月が優しく光り、夜の闇から切り取ったかのようにその場を照らし出す。
そこには座り込んでいる少年がいた。
そしてその森を偶然にも通りかかる隊長が一人。
羽織の背には『十二』の文字。十二番隊隊長・浦原喜助だ。
彼はふと森の中に一人の少年を見つけ、驚いてきょろきょろとまわりを見回し、誰かいないものかと探してみる。
誰もいないようなので、仕方なしにその少年のもとへ向かった。
「もしもーし、アナタ何してるんですかぁ?」
少年は反応しない。
伏せた顔にさらさらの銀髪がかかっている。
「あのー」
喜助がその少年の肩に触れようとしたとき、少年がはっと顔を上げた。
「・・・誰?」
銀の髪に白い顔。月の光が当たって仄かに燐光を発しているかのようだった。
瞳の見えない細く尖った目が喜助をぼんやりと眺めている。
そのときようやく喜助は少年が死覇装を身に纏っていることに気付いた。
「アナタ、死神ですか?護廷の」
「五番隊の三席や」
喜助はぽんと手を打った。
「噂の天才少年サン?」
「噂は知らん。ボクは市丸ギンや」
「ギンサンですか。ボクは浦原喜助です」
ギンもようやく男の纏う隊首羽織に気付いたようだった。
「隊長さんなん?どこの?」
「十二番隊ッス」
ギンは得心がいったようだった。
「あぁウチの隊長が仲良うしてもろてるて」
「いえ、こちらの方がお世話になってるんですよ」
やたらと腰の低い他隊の隊長をギンは面白そうに見つめた。
「ギンサンは何でこんな所にいたんスか?」
「・・・うるさい副隊長から逃げてきたんや」
「藍染副隊長?そんなにうるさいんですか?」
「そらもう!ボクを三席に推した手前、教育係になるとかゆうて・・・ほんま迷惑やわ」
ギンが渋面をつくる。
「で、逃げてきたんスか」
「うん、そんで眠ってもうた」
カラッと笑うギン。つられて喜助も笑顔になる。
「でももう真夜中ッスよ。帰らないとまずいんじゃないですか?」
「そやなぁ」
ギンは満月を見上げた。
「ほな、さいなら」
え?と喜助が声を上げる間もなく、ギンの姿は掻き消えていた。
瞬歩を使ったのに間違いはないが、あまりにも鮮やかなその消え方に喜助は感心した。
「月へお帰りですか、兎サン?」
(それとも狐に化かされたかな。)
喜助は口の端で笑うと、空に浮かぶ丸い月を眺めた。
月に住まうは兎か狐か。
何も言わずに月はただ淡い光りを放っている。
<Fin>
あとがき
これもショートショート。
そんでもってこれもボツ作品の書き直しです。
過去篇でまだ少年のギンと隊長さんたちを絡めた話が書きたくて。
最初は、平子・浦原・藍染・ギンの4人話になる予定だったんですが・・・ダメだった。
五番隊が3人揃ったら、喜助が喋る間がなくなりました。(苦笑)
今度、五番隊3人で話を書くかなぁ。
しまった。
イヅル救済・・・またもやすっかり忘れてた。(爆)
でも次は日乱を上げる予定なので、日乱書くならギン乱も書きたい私です。
ま、次の日乱は半分ギン乱みたいなもんですが。(すまん冬獅郎!)
さ、書こ書こ♪