BLEACH二次創作小説 No.8 『再会』  登場人物:松本乱菊、 日番谷冬獅郎、檜佐木修兵、浮竹十四郎
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その日は朝から薄曇。
「雨、降るかな?」
乱菊は隊舎の窓を開けると空を見上げた。
ふと窓の外に馴染みの顔を見つけ、呼んでみた。
「修兵~~~」
同じ九番隊で第十席の檜佐木修兵。
真央霊術院を卒業してまだ数年の隊士だが、なんだか懐いてくるのですっかり飲み仲間になった。
「乱菊さん」
笑顔で駆け寄ってくる修兵。

「どこ行くの?」
「十番隊ですけど」
「何しに?」
「乱菊さんは行かれないんですか?」
「?」
きょとんとする乱菊。
十番隊?
「十番隊。ようやく新隊長が決まったんで、今日は副隊長以下の選抜やるんですよ。各隊から希望者とか上官命令受けた人が集まって・・・」
「聞いてない」
乱菊は憮然として言う。
(あのクソ三席!)


松本乱菊、九番隊第六席。
実力はあるがやる気に欠け、鳴り物入りで入隊したものの未だそんな微妙な地位に甘んじている。
九番隊の体質にも合わず、転属希望を出しているもののまだ返事はない。
全ては・・・九番隊第三席の思惑だ。
九番隊隊長の東仙要は盲目のため、書類仕事は副隊長と三席でほとんどをこなしている。
下から上がってくる書類はまず三席が目を通し、必要なものを副隊長に上げる。
その三席が問題なのだ。
乱菊に好意と言えば言葉は良いが、下心丸出しで迫ってくる嫌な奴なのだ。
今回のことも乱菊が別の隊へ行かないよう手を回したのだろう。
十番隊。
乱菊は口の中で繰り返す。
確かすごく若い新隊長に決まったと聞いた。
ガキのお守りなんて冗談じゃない。
だけど、あのセクハラ三席を出し抜くには良いチャンスかもしれない。
「乱菊さん?俺もう行きますけど」
「待って修兵。アタシも行く」
乱菊は扉を開けた。


十番隊舎、今ここに二人の隊長がいる。
十三番隊隊長の浮竹十四郎と新たにここの主となる十番隊新隊長に就任した日番谷冬獅郎だ。
続々と集まってくる他隊の隊士や十番隊隊士を見ながら、冬獅郎は時折浮竹に質問する。
なんといっても冬獅郎は真央霊術院を出てまだ数ヶ月にも満たない。
卒業と同時に一番隊で僅かに業務を学んだが、異例の抜擢であっという間に隊長就任が決定した。
いきなり隊の中核を成す隊士を選べと言われても全く分からないため、浮竹がアドバイザーとしてつくことになったのだ。
他隊から来る者には腕自慢の者も多い。
霊圧を見、浮竹に情報を得、最終的に本人と話して採るか否かを決定する。
(ガキだと侮るような奴に用はない)
それは冬獅郎にとっては重要な判断理由だ。隊長が舐められては示しがつかない。

締め切りの刻限ギリギリに入ってくる者たちがいた。
ふとそちらを見ると見覚えのある顔があった。
(あいつ・・・)
「遅いよ、松本君檜佐木君」
「すみません!」
浮竹に注意され慌てて謝る修兵。
一方、乱菊はそれにも気付かず、まっすぐに冬獅郎を見つめていた。
「あの時の・・・」


(・・・ぼうや、あんた死神になりなさい)
そう冬獅郎に諭した女死神だった。
彼女がいなければ今の自分はない。
しかし。
(坊や呼ばわりしやがったら、即、叩き出してやる)
冬獅郎は固く決意したのだが。
乱菊は冬獅郎の前まで来ると、膝を折り正式な礼を取った
「隊長就任、おめでとうございます」
その所作の美しさ、艶やかさに冬獅郎は目を奪われた。
「・・・名は?」
「九番隊第六席、松本乱菊にございます」
完璧な臣下の態度である。
(決めた)
「浮竹隊長」
「なんだい日番谷君」
「十番隊副隊長にはこの松本乱菊を据える」
「えぇっ!?そんないきなり・・・」
「決定だ」
そして冬獅郎は乱菊に向き直ると小声で言う。
「責任取ってもらうからな」
その挑戦的な目を見て乱菊は共犯者の笑みを浮かべる。
「ご随意のままに」
新たな十番隊の始まりである。


いつの間にやら、空は晴れていた。




<Fin>









あとがき


誤字がこわい。
なぜなら「新隊長」といっぱい入力してるのに半分以上「身体長」って変換されるんだもん。
シロちゃん身長(体長)気にしすぎや!(爆)


乱菊がシロちゃんの副官についたときの話を書きたかったんです。
シロちゃんが一方的に指名するパターンもあったんですが、もっと絆があった方がいいなと思ってこっちになりました。

乱菊が九番隊というのは完全に妄想。
まだ年表作成途中なんですが、シロちゃんの入隊はどう考えても雛森たちと一緒か後になるので、その時点の隊長さんたちを考えて、そこからまた考えて・・・この話で一番悩んだのはそこかも。(笑)
一番隊ってことはないだろうし、二番隊は隠密だし、三番隊はギンが隊長だからないし、四番隊は治癒回復だし、五番隊は藍染サマだから絶対乱菊採らないだろうし、六番隊白哉も乱菊採らなさそうだし、八番隊京楽さんのところだと問題なさそうで出て行きたくなさそうだし、十番隊だと引き抜く形になんないし、十一番隊はないし、十二番隊はマユリ様だし、十三番隊の健やかさも似合わないし。
残るは七番隊の狛村隊長か九番隊の東仙隊長。まぁその時点でこの二人が隊長に就任してたかどうかはわかんないんだけど。
修兵と仲が良くなったというエピソードが欲しかったので、九番隊に決めました。射場さんゴメン。(苦笑)
乱菊が瀞霊廷通信作ってるとか想像できないじゃないですか。よっぽど嫌だろうなぁと。そりゃ喜んで出て行きますよ。(笑)


ってな話です。

で、終わったんですけど、なぜだかギン乱のおまけまで出来ちゃいました。
よろしくれば、どうぞ・・・。


<おまけ 再会の帰り道