「人生の幸福度とは排泄行為にどれほど神経を割いていないかにより決まる」とドイツの神経学者、モウデル・アーデタ氏は言った…


というのは冗談であるが、これはまんざら間違ってはいないのではないかと僕は思う。


何せ僕は日常的にかなりトイレに気を遣っており「トイレに神経を割くことがなければもっと人生楽なんだろうなぁ」としょっちゅう思っている。


僕の場合、一日中トイレが近いというわけではなく、朝にトイレに行く回数が異常に多い。その原因は、なぜか僕は朝に大便を2回催し、さらに2回目の大便をした30分〜1時間後くらいになぜか小便をしたくなるという特性を持っているからだ。


つまり、僕の朝のトイレルーティーンは以下のような形になることがほとんどだ。


小(起床後すぐ)

大(朝飯後)

大(1回目の大から1時間〜1時間30分後くらい)

小(30〜1時間後くらい)


計4回。これでひと段落。ここからは尿意も便意もぐんと落ち着いてくる。


小便はまだしも、大便が2回あるというのが僕の長年の悩みなのだ。


大便が朝2回…僕の腸は一体何を考えているのだろうか…この2回が1回になるだけで僕の朝はとても清々しいものになるっていうのに…


この大便朝2回は高校一年生の頃から起こり始めた。高校生の頃にこの大便2回は超ストレス。なぜなら高校のトイレにはいつもたむろする集団がいたため、そのたむろしてる中個室トイレに入っていくのは高校生の頃の僕にはハードルが高かったからだ。(今ならズカズカ入りますよ。もう僕の排泄したものの臭いでそいつらをトイレから追い出すくらいの勢いで)


だから高校の頃は教室の近くのトイレは使わず、教室からは少し離れたところにあってあまり人気のないトイレをいくつか把握しておいて、そこを使ったりしていたけど、やはり皆考えることは同じで、その人気のないトイレの個室にも中々の確率で先客がいたりする。もうトイレ争奪戦です。



最悪なのはこのパターン。

僕は高校では校舎内に2箇所、人気のないトイレスポットを準備していた。朝ホームルームが終わると、一限目の前には大体もよおしていたため、例の人気のないトイレスポットに向かう。しかし先客がいるため、2箇所目に向かう。しかしここも先客あり。仕方なく教室の横のトイレを使おうとして、いつもたむろしているゴミどもがいないことを願ってトイレに向かうと、中からゴミどもの騒ぎ声が聞こえる…あぁ…1限目が始まってしまう…ただ校舎内をウォーキングしただけじゃないか…


こんな感じで高校時代は大便2回にかなりストレスを感じでいまして。でも気付けばぬるりと高校を卒業して、大学に進学。


高校に比べると大学は夢のような場所で、ほとんどの授業はトイレ行き放題。「行きたくなりゃ授業中に行けばいいや」という高校時代にはなかった強気な考えでトイレのことなんてあんまり考えないようになっていた。


それにそもそも大学生ともなると、誰もトイレにたむろしたりとかしなくなるから、休み時間にも気兼ねなく個室トイレに入ることができる。


そして気付けば大学もぬるりと卒業し、2週間前には押し出されるかのように社会人となった。ここで再びあの問題に直面する…

「2回目の大便をどこでしよう…」


「会社ですればいいじゃん」と思う人もいるかもしれないが、正直なところ、毎日出社と同時に会社で大便をかますという奴というイメージを周囲に与えたくないというプライドか何かよく分からないものがあるため、できるだけ出社前に大便は済ませておきたいのである。


さらに言うと、僕の入った会社は研修制度が手厚く、4月いっぱいは部署とか関係なく新入社員全員参加の座学の研修が続く。そのため、会社に行って、個室のトイレ(一個しかない)に入ろうとすると、朝に限らず、先客ありということが結構あるのだ。


さらに、新入社員が研修制度を受ける部屋はお偉いさん方がいる階と同じため、たまにトイレでお偉いさんとエンカウントしてしまう。もし仮にお偉いさん方の誰かが大便を催してトイレに行ったら、新入社員の僕が先客としてトイレに入っている…これはあまり良くは思われないだろう…この状況だけはどうしても避けたいのである。だから、大便は出来るだけ出社前に済ませておきたいのだ。


1回目は家を出る前に済ませられるが、2回目は家を出た後でないと催さない。そして出社前には済ませておきたい…つまりは家から会社までの通勤の中の間にトイレを済ませなければいけないということだ。


しかし、大都会東京の通勤の時間帯。駅のトイレはいつも満員で、列ができている。初めのうちは電車を降りたらその駅のトイレに並んでいたが、待つのに時間を要してしまうし、何よりトイレが汚い。


この間、やっと自分の番が来たかと思い個室トイレの中に入ると、異様に臭い。トイレの臭さとはまた違う臭さで、何かと思い、床を見てみると吐瀉物が落ちていた。この臭いの中大便をするのも嫌だし、もしズボンに付きでもしたら洒落にならないと思ってすぐに個室トイレを出た。


これがきっかけで駅のトイレには懲りたため、どこか他に使えるトイレはないかと探した。そして出会った、トイレを求め迷いさまよう子羊に手を差し伸べるアイテムがこれだ。





このアプリは日本中のありとあらゆる場所のトイレの場所が登録されており、さらにはそれぞれのトイレのレビューまでついているという、まさにトイレ難民によるトイレ難民のためのアプリなのである。


僕はこのアプリを使い、自分の降りる駅の近くに穴場のトイレがないかどうか探した。そしてキレイ・混んでないという条件を満たす、まさにベストプレイスとしか呼ばざるを得ない場所を見つけた……それはデパートの立体駐車場のトイレである。


この立体駐車場は朝の7時から開放されており、さらには警備員と思われてる人の姿も無く、立体駐車場やデパートとは何も関係がない僕でもすんなりとトイレを利用することができる。


混雑具合は、僕と同じようなトイレ難民と思われるサラリーマンがぼちぼちいるくらい。個室にはいつも並ばずに入れる。しかもめちゃくちゃキレイ。まさに知る人ぞ知るという奇跡のトイレである。


こうしてベスト大便プレイスを見つけたことにより、僕は会社に行ってからの個室のトイレ争奪戦から降りることができたのだが、このトイレ、公衆トイレではないということは最初から百も承知である。このままずっと使い続けることは出来るのだろうかといつもヒヤヒヤする。


「このトイレは立体駐車場の利用者のみの利用とさせていただいております」


と貼り紙が貼られた日には、僕はその場に立ち尽くしてクソを漏らすほかない…


でもそしたらまた探せばいいんだから、あのトイレマップで。