以下「<気づき>の呼吸法」より引用


健康な赤ん坊はみんなリラックスした自然な腹式呼吸をしているのに、「社会化」されるにつれて緊張からくる不


自然な胸式呼吸に変わってしまうのはなぜでしょうか。トランスパーソナル心理学のケン・ウィルバーは精神の発


達を論じた『アートマン・プロジェクト』(春秋社)のなかで、子供がことばを覚えはじめることの理由を、つぎのよう


に巧みに説明しています。


「子供が言語の目をとおして世界を見ると、必然的に時間的な、ないし時制(テンス)のある世界が見える。これこそ、時間と不安が同居する”テンション”(緊張)の世界にほかならない」。


「時制」を意味する英語の「テンス」には、「緊張した」という形容詞や「緊張する」「緊張させる」という動詞の意味もあります。


時間の意識がなく、つねに「いま」に生きていれば不安はなく、不安がなければ緊張もなく(不安とはつねに幻想の未来にたいする不安です)、緊張がなければ胸式呼吸をする必要もなということですね。