「風と光」  伊達風人

 

  

   風が吹き

    花は揺れる

   たゆたふ花影に

    人は夢を重ねる

 

 

   風はどこから吹くのか

   ーーきっと愛から

 

   春の陽炎は

    いつも不安げで

   沢の蛍はむしろ

    人の魂に見える

 

   光はどこから来るのか

   ーーきっと愛から

 

   ゆらぐ姿は

    光る姿は

     きれいだった

 

   そこには必ず

   確かなものがあるから

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

☆本日は伊達が遺した詩集「慣性の法則」から『言霊』を掲載します。

 

       「 言 霊 」

 

理性 「我は正しい。感情は過ちを導くが、

    我は決して過ちを導かない。」

 

感情 「我は真実。理性は魂を裏切るが、

    我は決して魂を裏切らない。」

 

白  「誰も本当の私を知らない。」

黒  「私は何者をも差別しない。」

 

歓喜 「私はあなたの笑顔が見たい。」

悲哀 「私はあなたの涙を飾る。」

 

座標軸「私はあらゆるものを支配する。」

    だが、永遠ではない

    私を支える原点さえをも揺さぶるは、

    哲人か、あるいは詩人か・・・。」

座標 「私はこの世の絶対的法則を表現する。

    だが、絶えず不安を感じるのだ。

    誰かの歌声があまりに切なくて・・・。」 

 

生  「私を奪わないで。」

死  「私に酔わないで。」

 

戦争 「我は、人の心より出づる悪魔。

    正義の名の下で軽々と命を奪い、

    世界に悲しみをもたらす。」

平和 「我は、人の努力にて出づる平安。

    たとえ名を与えられずとも、

    我が意思を継ごうとする者には

    必ずや心からの安息をもたらそう。」

 

悪  「私は弱き心に寄り添う。」

善  「私は本当のあなたの中に、

    その手 の中 にいるのだから。」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

            

                    以上。

 

本日は伊達風人が遺した詩の中から「言葉」を再掲します。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

           「言葉」

 

「老年の衰えを慰むるものを

 青春の日に手に入れよ

 そのために君の

 若き日が費やされなければならぬ」

 

 どこかで見つけた何気ない言葉が 

 その人の生き方を支えることがある

 その言葉は「宝物」と呼ぶこともできるけれど

 時には「がらくた」にしてしまっても良いのではないか

 今の僕は老年の衰えの為にだけに生きたくはない

 

 ラジオから訴えてくる言葉は儚く蒸発する

 美しい旋律に乗った言葉だって儚く蒸発する

 この世に蒸発しない言葉などない

 

 けれど

 どこかで人知れず咲いて散った花

 誰にも語られることもなく終わった恋

 声にもならずに消えていった歌・・・

 これらが孕んでいる魂は決して蒸発することはないだろう

 そしてこの魂を描く手段を僕は言葉しか知らない

 

 美しい魂に低俗な言葉を与える所作に

 どれほどの価値があるかわからないが

 もともと自分以外には無関心な僕がもし詩を書き辞めたら

 魂を見つめる眼さえも失ってしまいそうだから

 今も言葉をつなぎ合わせて白紙を埋めている

 

 誰に認められずとも決して蒸発しない魂の数々を

 見つめ続けたいと思いながら

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

                     以上