まず、この二つの絵を見てください




「盆の月」 「連雀」

タイトルからわかるように

左は、盆踊りの夜に、満月の下、楽しそうに踊る若者達

右は、雀が着物姿で踊っている、まさに「雀おどり」です


楽しそうな雰囲気はもちろん

逆S字の構図が、絵に動きを与えています

これ
(左)月岡「月百姿」と、

(右)月耕「月耕随筆」

というシリーズものの一枚なのです


この二つの連作は、絵の雰囲気が似ています


「月百」が、絵の中に必ず「月」を入れているのに対し

「月耕」は、モチーフこそ古今東西の話を描いていますが

「月」は殆ど出てきません


でも、構図が似ているものが数点あり

影響を受けたのでは?と思われる節もあります

あるいは、元ネタは更に以前の構図なのかもしれません

絵には、皆が好んで描く「キメポーズ」がありますからね



では、二人の作品を、もう少し比べてみましょう



「伍子胥」 「流人俊寛」



「義経」 「九尾の狐」

女物の着物姿で、宙を飛んでいます
義経は、扇子を投げつけていますね



さて、この二人はいつ頃、活躍したのでしょうか?

生年は、次のとおり


月岡芳年(1839~1892・M25)

尾形月耕(1859~1920・T9) 本姓:田井正之助


二人とも、名前に「月」がついているだけでなく

活躍した時期も近かったようです


「月光」とせずに「月耕」としたところが粋ですね



「月百姿」は明治18年から24年

「月耕随筆」は明治24から28年


両方とも、数が多いシリーズですので

発表の期間が長かったようです


では、最後に一枚

縁起のいい絵をどうぞ


「布袋」 「布袋」