映画、「戦場のピアニスト」を偶然、視聴

 

2003年2月に、日本では公開

22年前の映画とは、思えない奥の深いリアルさでした。

 

「戦争映画」でありながら、銃撃や英雄的行為よりも

人が人として生き延びようとする姿をひたすら見つめた映画。

 

普通の日常を奪われ

家族を奪われ

思いを寄せていた女性とも離れ

差別を受け続け

食べ物も調達できず

次から次と絶望と恐怖が降りかかってくる。

 

そして、その絶望とはまったくの逆なシナリオも、細部に描かれている。

 

生への本能
偶然とも言える他者の善意
才能という、奪われなかった核
ドイツ陸軍将校、ヴィルム・ホーゼンフェルトとの出会い

 

最後に、そのドイツ将校は、寒さで震えているシュピルマンに、自身の防寒服を手渡す。


これら、どれ一つ欠けても、ピアニストは生き延びられなかった。


同時に、どれ一つとして

 

「努力すれば必ず得られるもの」ではないのが、現実の怖さです。
 

この映画は、希望や正義ではなく

 

残酷なほどの偶然
「たまたま助けられた」
「たまたま才能があった」
「たまたま見つからなかった」


その積み重ねで命が続いたことを誤魔化しません。
 

なので、自分と比較してはいけない次元だと悟りながらも


「今の自分が、どれほど多くの偶然に守られてきたのだろうか」

「今の自分自身がいかに幸せか」

これは、この映画が与えうる
最も誠実で、最も人間的な結論だと思います。

 

映画は、視聴したあとの大きな感動もありですが

それによって、自分が何をアウトプットできるか?

これらが本当に味わえる醍醐味だと思います。