いつもと違う朝。 | だてあずみ。の「もっぺんこんてにゅー!」

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パズルガールズだてこ&役者だてあずみ。のブログ。
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だてあずみ。の『もっぺん!こんてにゅー。』-090616_0923~0001.jpg


いつもの天井に、いつもの布団に、いつものわたし。
それが毎朝ずっと永遠に続くと思っていた日々も
そっと過去になっていくのかな。伊達です。


それは例えるなら、
宝石のような日々だった。


わたしにはもったいなくて、もったいなくて
ずっと宝石箱から取り出さずに眺めていた。
大切にすればするほど、

思えば思うほど
なくしてしまうことや、

汚してしまうことが怖くて

大切に宝石箱にしまっておくことにしたのだ。

いつもわたしは、その宝石箱をテーブルに置いては

頬杖を付いてニコニコと眺めていた。


そんなわたしを見て、

みんなは不思議そうに背中から声をかける。


 「みているだけでいいの?」


 「触れれてみればいいのに、

 どうして触れないの?」


 「そもそも、そんなものは存在しているの?」


わたしは振り返って、笑顔で答える。


 「いいの。

 これで十分幸せだから。」


そう。

不思議と宝石箱を眺めているだけで、

わたしは幸せだったのだ。

決して、手には取れないけど

触れて確かめることは出来ないけど、

眺めているだけで自然と笑みが漏れてしまうような。

そんな、幸せが。

わたしを足先から指先まで余すことなく満たしきって

行き場のない幸せたちが全身から漏れ出すような。

そんな、幸せ。


傍から見ればぬるま湯のような日々が、

わたしにとってはとても心地よかった。

誰にも認められなくても、

祝福されなくても、

それでもわたしは平気だった。

時々目を瞑って、空を仰いで思う。


あぁ。


間違いなく、わたしは

世界で一番の幸せものだ。


と。

こんな日々が永遠に続けばいいのに。


と。

幸せな日々は続いていったけど、

裏側で待っていたのは戦いだった。


触れてしまいたいという欲望、

そもそもそんな宝石は

本当に存在しているのかという疑問、

この宝石を眺めているわけのわたしは

いったい何者なんだろうと言う自問。


痛む胸を押え込んで、

嗚咽の漏れる口を塞いで、そして

それでもわたしは笑う。

まだ、大丈夫。

まだ頑張れる。


いつか、その宝石を

この手にとる日を夢見てさえいれば

わたしは無敵だ。





きっかけはなんてことないことだった。






今にも降りだしそうな重い空が

わたしを弱くしたのだろう、と今では思う。


「わたしは、幸せそうにみえていますか?」


いつもなら、決して吐き出したりはしない

その言葉にも自分で驚く。


その人は少し困ったように、薄く笑って

口をゆっくり開いた。


「ううん。

そうはみえないかな。」


空は泣き出すのを待たずに、

わたしが先に涙を流した。


あの日、なくなるはずだったものを

ずっと繋ぎとめて繋ぎとめて

誤魔化してなんとかしてきた結果が

これだったのか。


結局の所、

わたしは宝石が大切だからと言って

逃げていたのだ。向き合うことから。

宝石に触れることから。

その所在を確認することから。

幸せだからと言って、

逃げていたのだ。向き合うことから。

自分自身から。

自分の本当の気持ちから。


心の崩れる音を聞いた。


このどうしようもない、愛を

どうすることが正解だったのか。


わからない。

でもきっと。


こんな想いを抱く日は、

もう二度とくることはない。


あぁ。


声にならない声で叫んでも

あなたを呼ぶことは二度とない。

人はこれはきっと別れと呼ぶのだろうか?


そんな、簡単なものじゃないんだよ。


この行為は、

自分を捨ててしまうことに等しい。


でも、こうすることしか

わたしには思いつかなかった。


解放してあげることしか

今のわたしにはできない。


よわいよわいわたしにできる、

さいごのおくりもの。




遠い空に僕を投げて

もう誰の手も届かないところまで

突き放して。


遠く、遠くへ。


足の裏に滲んだ血を、

腕に刻まれた傷たちも、

ぐしゃぐしゃになったわたしの顔も

誰にも触れられずに、捨ててしまおう。


遠く、遠くへ。


煩わしいわたしの想いで

誰も、何も縛りはしない。






宝石箱に、鍵をかけて

わたしの深い深いとこまで落とそう。

忘れないよ、忘れないよ。

見えなくなるまで、そう声をかけながら。



BGM:

May J./Remember feat. クレンチ & ブリスタ