RADIO KILLED THE RADIO STAR観てきました。
もう、本当にぞっとするような作品で、何度“ヒッ!”と、声を上げたかわかりません。
しかし、その恐怖の裏にはどうしようもない悲しみがあり…
とても、考えさせられる作品でした。
内容や流れ、セリフ、すべてうろ覚えなので
違っていたらすみません・・・・
まず、場面はラジオ本番真っ最中から始まる。
パーソナリティの壇ノ浦竹丸が軽快なトークを披露し、
上のツイッター画面でも、リスナーの楽しそうなツイートが流れるなか
ブースの外では“おい、呼べよ救急車!”“いや、それより警察だ警察!”
と、足を竦ませながら声をあげる人々。
ブース内には、蒼白の顔で立ちすくむ放送作家の鶴光と、もうひとり…
ここでOP。VIDEO KILLED THE RADIO STARに乗せて
パンフ写真(このパンフ写真がアンニュイで素晴らしく美しい!)
を映しだします。
時間を遡り、ラジオ番組“ブートレッグ”の放送30分前。
次々スタジオに集まっては、JAがどうのguがどうの、
ハッピーターンでハッピー?とか、つるとんたんがどうの、
ADの小暮ちゃんが彼氏と別れたから、鶴光とかどう?…みたいな
どうでもいい、でも日常にありふれている会話が続く。
そこで、ブートレッグの人気が落ちてきているという話を持ち出す北野。
ラジオはもう古いから数字が取れない。
今は放送があった翌日には動画サイトに上げられる時代だし、
そもそもブートレッグはネットに上げられもしない。
メインパーソナリティの竹丸も最近悩んでいるという。
竹丸が遅れているのをいいことに、
14年もやっていると竹丸の考え方はもう古くなっている。
やり方を変えようと思わないかぎりアイツはもうダメだとのたまう北野。
しばらくして竹丸が到着。
“どんなに辛く苦しいときも、リスナーには見せない、楽しい放送やらなきゃな!”
と、笑顔で楽しげに接する北野。
竹丸がトイレに立つと“なーんて、パーソナリティーの気分を上げてやるのもディレクターの仕事なわけよ!”と、茶化す北野。
と、急にすっとスタジオに入ってくる女の子。
手には差し入れと思われるプリンを持っている。
小声でぼそぼそと、何を言っているのか聞き取れないが、明らかにおかしな雰囲気。
竹丸のファンであると気づいたマネージャーの伊集院が、その子を外に連れて行く。
スタジオまで入ってくるなんて恐いねーと言いながら、
皆危機感なく差し入れのプリンを口にする。
竹丸が戻り、ゲストのケンちゃんが来て、放送スタート。
今日のテーマは怖い話。
まず、ケンちゃんを軽く紹介して、竹丸等身大パネル作っちゃいましたー!なんて、
気軽なトークで笑いをとって(このあたりは客席も一緒になって笑ってた)一曲目。
曲の間、大きな等身大パネルに隠れてケンちゃんがいる側のブース内が見えない状態で、
何かごそごそしている竹丸。
“パネル邪魔だから退かせよ~!”って、笑いながらパネルを退かすと、
なぜか頭部をぐるぐる巻きにされたケンちゃんの姿。
“竹ちゃん何ふざけてんだよー!”“そんなんラジオじゃ伝わんねーぞー!”
って、皆笑いながら茶化しながら、
鶴光がブース内に入ると、ケンちゃんは思ったより苦しそうにうめいていて
“ほらほら取ってあげなよー、苦しそうじゃん”なんて、話している隣で、
あははって、おもむろにバッドを取り出した竹丸が、
1回、2回素振りをした後、ケンちゃんを、明らかな意思を持って、顔面から…
さっきまで、笑ってふざけていた場が凍りつく。
それは、誰が聞いても絶対に“ヤバイ”音。
完全に“潰れた”であろうケンちゃんは崩れ落ち、
テーブルに乗った足が痙攣しているのが見える。
ここのシーンの恐さは、言葉じゃ説明できません。
本当に、とんでもない音と、バッドがすごい勢いで振るわれ、顔面にめり込んでいくさまを、何の編集も、カット割りも無く見せつけられたら…
人を殺すって、こうするんだ…と、本能が恐怖を訴えてくるんです。
皆が恐怖に支配されたところ、携帯と入館パスを集める竹丸。
“救急車呼んだりしたらこう(ケンちゃんを指し)なるよ。
あ、通報しようとか考えないほうがいいよ。さっき食べたプリンにストリキニーネ(毒)入ってるから”
と、無駄な抵抗をせずにこの放送をやりきったら血清を与えるという。
が、平然とした態度でそんな事を言い、
“みんなごめんね~、ケンちゃん帰っちゃいました!”
と、何事も無かったように放送を続ける竹丸はまさに狂気。
皆、動揺するなか必死に助かる術を考えます。
竹丸を殺そうと、バッドを手にする鶴光を制止し
“殺してしまっては血清が手に入らなくなる。”
“言うとおりにしましょう。俺、まだ死にたくないんで”と言う石橋。
“なら、痛めつけて動けなくしてから血清のありかを聞きだそう”
と、バッドを受け取る矢部。
が、そんな抵抗もむなしくいきなり矢部の脚を拳銃で撃ちぬく竹丸。
ここの矢部の痛がり方がもう本当にリアルで、
おもわず顔をしかめました…
そして、竹丸のなんのためらいもない行動に
“次は誰がやられるのか”
“次は自分じゃないか”
というような恐怖心が生まれていくのです。
しかし、こんなことがあっても生きるために抗うことをやめられない皆。
携帯も取り上げられている中、どうにかしてここの情報を外に伝えられないかと試行錯誤します。
マネージャーの伊集院は、実はストリキニーネ入りプリンを食べておらず、
毒が回る前に血清を取りに向かえるはずだ、と飛び出してゆき、
石橋が思いついたのがツイッターでリスナーに助けを呼びかけること。
しかし、ブース内では竹丸もTLをチェックしているので
放送中にブース内に入れる鶴光に、石橋のツイートが流れるまでの間竹丸の気をTLから逸らしてもらうことに。
石橋のツイートはストレートに“今、ブース内で大変なことが起きています。通報してください”という内容。
なんとか、竹丸に気づかれずにツイートすることができ、あとはリスナーを信じるのみ。
相変わらず何事もなかったように放送が続く中、リスナーとの生電話のコーナーに。
今日のテーマ“恐い話”についてのトークをしてもらうと、リスナーと電話を繋いだものの
声がちいさいのか、電話先からは何も聞こえません。
突然、大音量で、あの“ファンの子”の声。
ここのシーンも、非常に心臓に悪い感じです…
この電話はそのままラジオに流れていて
“ちょwwwwやべえちびったwwww”
“今日のブートレッグには神が降りてる”
等、ツイッターは湧きます。
そんな中、その電話でエレベーター音が聞こえていたことに気づく一同。
どんどん、近づいてきている…?
と、皆が戦慄した瞬間
“コイツ逃げようとしてた!!!!”
と伊集院の髪を力いっぱい掴み、室内に引きずりいれるみゆき(ファンの子)
ブースから出てきた竹丸が、伊集院にダメだろ~と、うすら寒い穏やかさで声をかけ、
そういえば、この間あげた音楽プレーヤー繋いでる?
と、唐突な話題を。
繋いでいると答えると、満足そうにブース内に入っていく竹丸。
先程の一件で湧いているであろうリスナーに向けて、恐い話をはじめる竹丸。
内容は、意外とセキュリティなんて甘いよね。入ろうとおもえばファンの子も入れちゃうんだから。
持ち物検査も無いから武器でもなんでも持ち込める。
盗聴器なんかもどこに仕込まれてるかわからないよ
と、今までの経緯を説明するかのような話。
そして
人から簡単に物貰ったりしちゃだめだよね。
それが爆弾だったりすることもあるからね!
と…
みるみる顔色の変わる伊集院。
そこに、伊集院の家のあたりで爆発事故が起こったという知らせが入り
無我夢中で飛び出していく伊集院。
それをバールを持って追いかけるみゆき。
“オイ、何だこれ”
2人のいなくなったスタジオで、竹丸が石橋のツイートに気づいてしまった。
石橋がツイートした段階でやってしまったな…とはおもいましたが
案の定非公式RTされてしまった石橋のツイート。
命をリスナーに託した決死のツイートでも
リスナーには公式が何かおもしろいもん投下してきたぞ、くらいにしかおもわれない。
そして、大抵のひとは自分がこんなことをしないと言い切れないであろうこの恐ろしさ。
CM中、ブース内に石橋を呼ぶ竹丸。
TLを見ていたPCで石橋の頭を殴りつけた後、
ドアストッパーで石橋の顔を何度も殴りつけます…
その後、“放送作家ならなんとかしろ”
と言われた鶴光は気力を振り絞り、リスナーに悟られないよう
“竹丸さん、テンション上がっちゃって今ブース内で全裸です。警察読んでください 笑”
と、フォローのツイートをして。
ブースの外で痛みに苦しむ矢部に
小暮ちゃんが痛み止めを飲ませます。
しかし、同じブース内に2人分の死体が転がっているこの状況で、
鶴光の精神が持つはずもなく…
ほどなくして鶴光は、リスナーに聞こえている状態にもかかわらず竹丸さんを鈍器で殴りつけ
“皆、今、ブース内で大変なことが・・・!”
と、リスナーに泣きそうな、震える声で呼びかけます。
が、そこに拳銃をつきつける竹丸。
リスナーにそんなものを聴かせるわけにいかないと、咄嗟に音楽に切り替える北野。
大音量で音楽がかかる中、銃を下した竹丸に、鶴光がほっとした一瞬をつき、
鶴光の手を鈍器で潰す竹丸。
痛みに悶え倒れた鶴光の首に縄をかけ、馬乗りで締め上げる北野。
ブース内には、そんな一部始終の音を掻き消すように流れる音楽…
しかもこの音楽がmomoのHUMANという、とても良い曲なんです。
“ああ、いい曲だな~”って、リスナーが耳を傾けている間
その裏でひとつの命が終わろうとしているなんて誰がおもうでしょう。
そして、そんな風に、誰にも気づかれずに終わってゆく命をおもうと
涙が溢れて止まりませんでした…
その後、他に何かここの異常を外に知らせる方法は無いかと思考を巡らせた北野は
放送を途中で中断することに。
暗転。
30分後、
誰もいなくなったブース内から響く竹丸の声。
ぐったりして机に突っ伏す矢部、北野、ソファに転がる小暮。
ソファには切り傷だらけのみゆきと、バールのつっこまれた血濡れの紙袋。
外からゴミ袋を持って入ってくる竹丸。
14年もやってるんだもん、録音で放送つなげちゃうことくらいわかってるよね?
と、スタジオを片付けながら北野に話しかける竹丸。
血濡れの紙袋のバールに手をかけ持ち上げると、
中から伊集院の変わり果てた姿が。
乱雑にごみ袋に入れ、片付けを続ける竹丸。
と、突然苦しみだし、泡を吹いて倒れる矢部。
“やっぱり回りが早かったか~”
と、なおも冷静に話す竹丸。
“竹ちゃん、こんなことして、どうなるかわかってるよね?
竹ちゃん捕まるよ?もうだいすきなラジオやれなくなっちゃうよ?いいの?
竹ちゃんがラジオできなくなったら、誰がラジオ続けるの…せめて、俺たちだけでも助けてよ…”
と、泣きそうになりながら頼む北野。
“小暮だって…こいつ、そのうちディレクターになるよ!ほら、企画書…!”
と、小暮から渡された企画書を取りだし、目を通し、北野の顔色がみるみる変わる。
その企画書に書かれていた内容。それは、今回の事件そのものだった。
起き上がった小暮はひと言“北野さんすぐに企画書見ないから~”
悪びれずにそう言う小暮も恐ろしいですが、
都合の良い時だけ期待しているような言葉を投げかけ
その実企画書もすぐに目を通さない、裏でもうあいつはダメだという、
北野の相手を信じて任せる気持ちを持たないことが
悲劇につながっていったことを暗喩していてえもいわれぬ気持ちに…
“私、北野さんにできないことをしました。皆が“あの時聴いておけば良かった~!”っていう放送を。”
と、茫然とする北野に言う小暮。
何事も無いように進行する放送の裏で、とんでもない殺人事件が起こっているという、
まさに他人にとってはスキャンダラスで、聴いていたひとはその場にいたひとの事など考えずに
“オレ、この放送聴いてたんだぜ!”と、得意げに話すであろう状況を想像すると、
鳥肌がたちました。
小暮は竹丸と付き合っていて、浮気調査をしていたら浮気よりもすごい情報が出てきて、それを元に竹丸に企画書内容の実行をもちかけたという。
“確かに人には知られたくないことって色々あるけどさ、
リスナーはちゃんと受け入れてくれるよ!信じようよ!!俺も協力するからさ!!”
と、北野が説得するが、当然後の祭り。
“ならなんでラジオ聴いてくれないの?芝居観に来てくれないの??“あの時聴いておけば良かった”って番組を作りたい?あの時ああ言っておけばよかった~って、今後悔してるでしょ?その時じゃないとだめなんだよ!今更手を差し伸べられても遅いんだよ!”
と、竹丸がようやく感情的に気持ちをぶつける。
でも、もう何もかもが遅い…
その時、窓の外を何か白いものが落ちてゆくのが見え、
その後、嫌な音が響く。
みゆきが自殺したのだ。
“あの子、辛い時に竹丸さんに助けてもらったから、
竹丸さんのためなら何でもやるんです。けど、本当に何でもやるんだ~…
わたしにはできなかったな”
“これで事件が外に出ましたね”
これも、企画書通り。
どうにか竹丸を説得しようとブース内に飛び込む北野だが、
ナイフを持っていた竹丸にメッタ刺しにされる。さらに猟銃を持ち出した竹丸。
ブース内で2人がもみ合う声、音の後ほどなく
ブースのガラスに血飛沫が飛び散り、何も聞こえなくなる。
竹丸は、銃を暴発させたのか、殺されたのか、自殺したのか
真相はわからない。
一人残った小暮は、スタジオにガソリンをまき“お疲れ様で~す”
と、何事もなかったようにスタジオを後にする。
電気の消えたスタジオは、惨劇がそのままのかたちで残されている。
そこに響きはじめる、次の番組を務める花澤香菜さんのかわいらしい癒しボイス。
収録スタジオは下の階のようで
“なんだか外が騒がしいですね~何かあったのかな?”
“ん~、なんだかガソリン?みたいな匂いが…スタッフさんがざわざわしてますね~どうしたのかな?”
と、事件が外に出たことによるざわめきと、
近くに居ながらまだ何が起こっているかを知ることの無いのんびり感が異様なコントラストで。
そのうち、ブースのドアが空いて、虫の息の北野が這い出してくるのですが、
外に出ようとしたところで無念にも力尽きたところで物語は終わります。
もう、本当に逃げ場のない恐ろしさと、物語が終盤に向かうにつれ
どうしようもない悲しさがこみ上げるお芝居でした。
竹丸さんは、ずっと誰かに助けてほしくて、気づいて、
手を差し伸べてほしかったのだとおもいますが、
リスナーに離れられ、
一緒に14年もやってきた仲間にも信頼されず、
手を取ってくれるひとがもういなくなってしまった悲しいひとでした。
リスナーの、ラジオの向こうでひとが生きているとおもわない、
身勝手な行いがひとの死を招くという警告をしたかったようでもあり、
命をかけた番組を作ってみたかったようでもあり、
辛いとき、苦しいときこそリスナーに気づかれないよう振る舞うなかで、
誰かに気づいてほしかった、助けてほしかった、
という想いがいちばん強かったのだろうなとおもいます。
竹丸のようなひとを生むことの無いようにと、
自分のことを振り返ったりと、
とても考えさせられるお芝居でした。
ほぼうろ覚えなあらすじしか書けていなくてすみません…
それこそ考えるところの多いお芝居だったので、
自分の感想、感情ももっと入れた感想も、いつか書ければいいなとおもいます。
見ていただいてありがとうございました。



































