知識社会

1992年の論文において、ドラッカー先生は、「知識社会の到来」を告げている。

ドラッカー先生は、この論文の中で、知識社会の特性として、「社会の急速な変化」や「組織や商品寿命の短期化」を挙げている。



コンビニエンスストアでお気に入りだった商品があっという間に店頭から消えてしまっていたり、GMの破綻などを目の当たりにすると、ドラッカー先生の言は、正しいのかもしれない。



改善

知識社会の中で、生き残る術として、「改善活動」が推奨されている。

日本の多くの工場で採用されているアクティビティだ。


問題点の発見

問題点へのアプローチの立案

アプローチの実行

解決度合の検証


これらのステップを繰り返し行うことで、知識社会で要求される自己変化がもたらされるとのことだ。

このような工場的アプローチを組織的に行っている特許事務所を僕は知らない。

きっと、高い成果を出す人は、自らの仕事の中で、「改善活動」をしているんだと思う。


幸いなことに、工場出身の僕は、「改善活動」を直に体験している。

そして、社会人生活の初期に、「改善活動」を叩き込まれた。

仕事の手法は、今も役立っている。


阻害因子

自己変化に対する阻害因子として、「改善活動の不実行」の他に、「時間及び情報の欠如」が挙げられる。



雑務に追われて、本業に十分な時間を割くことができない環境では、自己変化は難しいと思う。

変化することには、リスクが伴うからだ。

変化が悪い影響をもたらすこともある。悪い影響を許容できる程度の時間的余裕がなければ、自己変化は難しいだろう。



情報は、自己変化をもたらすトリガだと思う。

例えば、法改正の情報の欠如は、改正後の法律に不適合な仕事のアウトプットをもたらすかもしれない。



転職

僕の転職理由の主な部分は、「時間及び情報の欠如」だった。

このままでは、「化石化」してしまうと思っていた。


自己投資をする時間もなく、仕事から得られるインプットも数少なくなってきたと感じた時、

転職しようと思ったのだ。



自分のやり方の固執するのも悪くはない。

自分の得意な分野に留まるのも悪くはない。



だけど、そのような同僚たちを見ていると、


「不変化」は、「化石化」への一本道


と感じた。




これからの人材とは、自分のキャリアを自ら決定する人

ドラッカー先生の意見に少しだけ励まされたような気がした。