こんにちは、DATASTATIONの森山です。

http://www.datastation.jp/

 

1月に発売した某狩りゲームが楽しすぎて毎晩が待ち遠しいです。

もしプレイしているDATASTATIONユーザーさま。

いらしたらひと狩り行きませんか?

 

さて、前回からの続きですが

DSユーザー様から寄せられた質問で

ダウンロードしたコンテンツをリアルに仕上げるにはどうすれば良い?

に対し、森山がうちのDATASTATIONのデータでレッツトライしてみよう!という企画です。

対象物は人気の3D乗用車を使います。

今回は早速、3DCGソフトを使ってチャレンジしてみたいと思います。

ソフトは例によってこのブログではおなじみの「Shade.ver16」を使っています。

Shadeもふくめ

どの3DCGソフトでも、中でモデリングしたデータや、DSからダウンロードして

外から取り込んだようなデータも、「マテリアル(Shadeでは表面材質)」という項目で質感や色に手を加えることができます。

   

Shadeは基本日本語なので、慣れてない方でも直感的に分かりやすいです。

 

前回は前フリで

一つ一つのパーツにキチンと設定していくと、面倒で時間もかかるので

目立つ部分にのみ絞り込んで調整すればOK!という締めでした。

ではさっそくはじめていきましょう。

使用したのは、DSの乗用車「ハイブリッドカー gsa112tp」です!

 

 

車の目立つ部分といえば当たり前ですが、当然ボディ。

まあ、ツルツルな表面やし「反射」を上げとけばええやろ・・・ということで

安直に「反射」の数値を65にしてみます。

ちなみに取り込んだだけのデータは反射が0になってます。

左上の球体が質感の目安になってるので、ここを見ながら行うと良いでしょう。

設定が終われば、さっそくレンダリング!

なんじゃこりゃ!?(左が変更したもの、右が何もしていないもの)

「反射」が強すぎたのか、周囲の景色がハッキリと映り込みすぎて

まるでメッキのような質感になってしまいました。

あと、車のボディが真っ白になってるのは、Shade上で「背景」にあたる部分を白一色にしてるからでしょう。

ということで、「反射」を20に下げてみました・・・。

もっかいレンダリング。

映り込みが抑えられて、本来のボディカラーに近づきました。

悪くはないですが・・・・まだボディがなんかのっぺりしていますね。

 

屋外のシーンで車を置くと良くおこりがちですが、周辺(特に上空)

何も映りこむ物がないからです。現実では空や雲やビルがあったりして

何かしら映り込むんですが、CGでは何もしないとドラゴンボールの

「精神と時の部屋」なみの真っ白or真っ黒な空間な場合が殆どです。

 

「じゃあどうするの?」って事で、この問題を回避方法はいくらでもあるんですが、

まずはお手軽にそれっぽく再現する方法として

単純に背景にそれっぽい空の画像をアテこんで、車のボディに映りこませてみましょう。

 

ちなみに空の画像については

「雲一つない快晴」や「上から下まで全部真っ青」なものより、

地平線から上空にむかってグラデーションしてるようなものがおススメです。

 

DATASTATIONにも、ちょうど良さげなのがありましたよ!

2D「空・街並」カテゴリの昼系(横型)

fea020xp

 

さっそく「背景」にハメこみましょう。

投影は「球」にしてください。

↑を見ればわかるのですが、画像の端と端の切れ目がでちゃってますね。

本来ならばこういう背景画像も、テクスチャーのような切れ目の出ない

「シームレス画像」が一番ベストなんですが、この空はそういった目的の画像では

ないのであしからず。

そんな感じで、空の画像を「背景」にセットして

もう一回レンダリングしてみました。

おお!随分良い感じになってきましたよ!!

※この時に、空画像の切れ目が映り込みに見えちゃった場合は、

「方向」のスライダーを動かして、レンダリングした時に目立たない位置まで

調整してみましょう!要は最後の画像で目立たなければOKなんです。

 

でも今回は一発OKでした。

 

大分いい感じになってますが、

もう少し質感を追求したいな・・・という方はぜひ「フレネル」を使ってみましょう。

 

フレネルは「物体の周辺環境の映り込み具合を、見ている角度によって変化させる」という

ものです。物凄く数学的なもので、自分が説明するにも知識が乏しすぎるので

調べるのが得意な方は「フレネル 反射 計算」とかでググってみてください(他力本願)

 

自分は「テカテカの反射から、深みのある映りこみが出る様な感じ」と覚えてます。

「フレネル」はmaxの100にしてしまうと逆に全然反射がなくなってしまうので

20~90辺りで使い分けます。

 

今回の車のボディでは「0.60」に設定してみました。

↑上の設定を見ればわかりますが、フレネル値を調整した後、

反射が弱く感じられたので、反射の設定も「0.20」→「0.50」と強めに戻しました。

再度レンダリング。

設定前と比べて、ボディのところが更に自然な映り込みになったのがお分かりでしょうか?

「フレネル」の使い方としては

クロームメッキのような質感→フレネルなしでOK

 

塗装されて磨かれた金属・プラスチック、窓ガラス、フローリングなどは、

フレネルを値をいじると良いと思います。

 

ではおさらいです。

今回のような車の質感をアップする調整ですが、

下記の画像の3、4点の部分を抑えておけば、いわゆる

建築パースのようなシーンでは大丈夫だと思います。

 

・ボディ

・窓ガラス(フロント部分)

・窓ガラス(スモーク部分)

・フロントグリルなどのメッキパーツ

↑今回のShadeでの各パーツの表面材質設定です。あくまで参考に・・・

※目立つヘッドライトはテクスチャーで再現してるので、DSからダウンロードしたままで

 調整は不要です!!

 

では、実際に使うとどうなるか見てみましょう!

住宅のパース制作を想定して

エクステリアに3D乗用車を添景物として使用してみます。

 

 

※DSからダウンロードした3D乗用車のデータをインポートして

 そのままレンダリングしてみました。

 車はボディの部分がちょっとオモチャっぽいですね。

 

 

※今回の記事に沿って、車の部品3点に質感を加えた画像です。

どこがどうかは難しいですが、自然な馴染み具合になっていませんか?特に左側の車の変化が顕著です。

フレネルは青、赤、黒といった、濃いボディカラーや窓ガラスの部分で特に効果がでてきます。

両画像を拡大するとこんな感じです。

 

で、ここからが大事!もし「うまくいかない!」場合の調整のコツです。

色が沈みすぎている!と思う方はシーン全体をワントーン明るめにレンダリングする。

またはパーツに設定されている色を明るめに変更をすれば大抵大丈夫でしょう。

窓ガラスは前の方が好き!思う方は何も手を加えなければ良いのです。

何でも同じになってないといけない!!のではなく、取捨選択も大事です。

 

 

※さらに変更後。車のモデルパーツ全部に質感を加えました。

でもほとんどというか、違いが全くわかりませんでした。。

こういったパースの添え物として使用する場合は、目立つ部分だけ

手を加えれば良いというのが分かりますね。

 

 

如何だったでしょうか?慣れてる方からしたらごく当たり前のことだったり、

浅い部分のおさらいに感じられるかもしれませんが、

 

今まで意識してなかった、全く知らなかった方にとっては

なんとなく、どこに手を加えれば手軽に良く見えるという事が見えてこないでしょうか。

 

内容的にも

肩の力を抜いてチャレンジできるレベルではないでしょうか・・・?

 

また、Shadeをはじめとした3DCGソフトでは、大抵の場合マテリアル(Shadeでは表面材質)を

設定をデータとして保存して、同じような質感の部品があった場合に使いまわすことができます。

各パーツだけじゃなくて、気に入ったボディカラーも登録しておくと、お手軽にバリエーションを増やせますね。

 

↑こういったマテリアル設定は使いまわしてナンボです。

 

今回の記事は、比較的自由にパーツの質感アレンジや設定ができる3DCGソフトを使ってみましたが、

次回はCAD(アーキトレンド)を使って検証したいと思います!

お楽しみに!