パソコンや外付けハードディスクに保存しているデータってプライバシーの塊です。他人に見られたくないと思う方、多いと思います。SNSやブログへのログイン情報、全財産にアクセスできるインターネットバンキングのパスワード、会社へのリモートアクセス手順、顧客の個人情報などなどなど・・・ノリで撮った羽目を外した写真、誰にも見られたくないですよね。
ハードディスクが故障して、中に入っているデータを取り戻したい。だけど、外部に漏れたら身の破滅となるマル秘情報が入っている・・・
そんな結婚を間近に控えた看護士さんの事例です。
ある日パソコンに繋げていた外付けハードディスクのデータが見えなくなりました。ハードディスクの中には、お父さんが撮影してくれた生まれた時からの写真や動画が全て入っています。結婚式を3か月後に控えており、披露宴で上映する動画を作っていたところでした。
データはどうしても復旧しなければならないし、時間がない。しかし、ハードディスクの中には、他人には知られたくない自分だけの思い出が入っています。かと言って、自分ではどうにもならない。意を決して、看護士さんは、私が勤めるデータ復旧会社にやってきました。
看護士さん、開口一番「中のデータを見ないでください。」
私「えっ? 中のデータを全く見ないで復旧はできませんがぁ~。」
看護士さん「どうしても見られたくないんです。」
私「わっ、わかりました。全く見ないで復旧はできません。見ても支障のないフォルダやファイルを2つ3つ教えてください。具体的に教えていただければ、その他のファイルを見ないで復旧することは可能です。」
データ復旧の過程で、中のデータを全く見ないで復旧することはできません。診断時には、ファイル名やフォルダ名が表示されるか、そして、フォルダ構成やフォルダツリーが正常に復旧可能か確認します。また、ファイルの破損の有無を判断するために、ランダムに10ファイルぐらい開いてみます。通常は、一般的なWord、ExcelのファイルやPDF、写真・動画データを無作為に選び、正常に開くか確認します。
ファイルを開くもう1つの目的は、復旧後、復旧できたファイルが、確かに依頼者のものかどうか確認することです。
データ復旧会社には、日々多くの復旧依頼があり、多くのお客様のハードディスクが管理されています。データ復旧会社として一番怖いのが、「依頼者のハードディスクの取り違い」です。データ復旧の過程では、受付から復旧完了、発送まで手順の中で多くのチェックポイントを設け、取り違いが起きないように万全を期します。その中で復旧エンジニアとしての最重なチェックポイントは、復旧したデータが確かに依頼者の物という確証を得ることです。
お預かりする案件の中には、
町の本屋さんのような会社名からの依頼なのに、建築会社のデータが入っている。(この会社は、町の事務機商社だった)
個人(男性名)の方の依頼なのに、中のデータは女性名の個人情報ばかり。苗字も名前も違っている。(結婚前に奥さんが使っていた)
など、復旧したデータが、依頼者の物と確証が取れず、復旧エンジニアが冷や汗をかくケースが多々あります。
そのような場合、私は、ハードディスクを取り違えていないか確認するために、1件1件依頼者に問い合わせて、復旧したデータが確かに依頼者へ返却して良いものという確証を取ります。
看護士さんからは、
「大学生の頃に書いた看護系のレポートが、XXXX大学フォルダの中にあり、自分の名前が入ったファイル名があるはず。」
という情報をいただきました。
この情報のおかげで、お預かりしたハードディスクの診断と復旧が迅速にでき、順調にデータ復旧が完了しました。
忙しかったので、ささっと復旧してしまいましたが、「どうしても見られたくないもの」って何だったんだろう??
見てないよ、見てないよ、本当に! 本当だってばぁ。信じて!
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