ハードディスクを認識しない、「フォーマットが必要です」などのエラーメッセージは、そうそう頻繁に出るものではありません。しかし、ひとたび出ると、大切なデータが見えなくなり、慌てますよね。中には、同じトラブルに何度も遭遇し、その都度データ復旧に依頼する方もいらっしゃいます。

 

私は某データ復旧会社に勤める復旧エンジニアです。

復旧を依頼されたハードディスクを調べると、同じハードディスクが何度もデータ復旧されているケースが垣間見られます。

 

ある日、私が勤めるデータ復旧会社に朝一で電話がありました。

お客様は、町の鉄工場の社長さん

社長さん:「昨日ハードディスクが急に認識しなくなった。すぐ復旧してほしい。昨日、宅配便で発送した。届いてますか?いつ復旧できますか?」

私:「着荷を確認しました。」

社長さん:「すぐやってほしい。見積もりはいつできますか?」

私:「1TBのハードディスクですから、診断と見積もりは、早ければ本日12時から13時頃、ハードディスクの障害によっては、明日になります。」

社長さん:「復旧はいつできますか?」

私:「診断結果次第で、早ければ復旧を正式にご注文いただいた翌日、障害によっては、10日間程度かかりることもあります。」

社長さん:「じゃぁ、早く診断して! すぐ連絡してほしい!もっと早く復旧できないの?」

 
兎に角とてもお急ぎのご様子。その後も、1時間ごとに「未だか」「未だか」と催促されました。
早速、診断したところ、驚いたことに社長さんのハードディスクは、競合他社さんに過去1年以内に2回データ復旧されている形跡がありました。(私が勤めるデータ復旧会社で3社目?どういうこと?)
 
12時に確定した診断結果は、物理障害は無く、軽度の論理障害。復旧見込み容量は約400GB。
障害の原因は、なんと「ハードウェアの安全な取り外し」をせずにハードディスクが外されたことによる障害と推定されました。

 

そこで、社長さんに、お電話で診断結果と見積もりをお知らせしました。

 

社長さん:「じゃぁ、なるはやで、復旧して。いつできる?」

私:「ところで、ハードディスクが壊れた原因は、「ハードウェアの安全な取り外し」をせずにパソコンからハードディスクを外したことのようです。次から「ハードウェアの安全な取り外し」を行ってください。」
 
すると、
社長さん:「ハードウェアの安全な取り外しってなに? パソコンは30年以上使っているだけど、そんなと聞いたことない!」
ときっぱり。(ひぇ~!(''Д''))

Windowsの登場以前のPC-98でMS-DOSの時代からパソコンを使っている方ほど、「ハードウェアの安全な取り外し」を知らなかったりします。その頃の外付けハードディスクって、簡単に脱着するものではなく、基本的にパソコンに繋げっぱなしでした。パソコン起動した後に外付けハードディスクをパソコンに接続しても認識してくれませんでした。なので、「ハードウェアの安全な取り外し」なんていう手順などありませんでした。
 
そんなことも知らず、この社長さん、常習的に「ハードウェアの安全な取り外し」をせずに、ハードディスクをパソコンから外していたようです。それが原因で、今回も含め3回もデータ復旧が必要になっていました。
(過去にデータ復旧を行った2社の競合他社さんは、障害の原因をお知らせしないのかなぁ?)
 
「ハードウェアの安全な取り外し」を行わないまま、ハードディスクをパソコンから外す場合、ハードディスクへの書き込みが行われていない時は、私の経験上、99.9%障害が発生しません。障害の発生頻度は1000回に1回、0.1%程度でしょう。
 
低い確率だと思いますか?
 

1日1回ハードディスクをパソコンから外すとすると、3年に1回は、障害が発生する計算になります。つまり、3年に1度大事なデータを失い、データ復旧のお世話になるわけです。決して低い確率とは言えません。

実際のところ、「ハードウェアの安全な取り外し」の失敗に起因した障害は、私が勤めるデータ復旧会社に依頼される全受付数の約20%を占めます。
 
なお、「ハードウェアの安全な取り外し」の失敗は、突然の停電、USBケーブルの断線や接触不良でも発生します。パソコンの電源を落とす際、ハードディスクが完全に止まる前にケーブルを引き抜いても発生します。
 
くれぐれも、ハードディスクをパソコンから外すときは、面倒でも、ケーブルを抜く前に「ハードウェアの安全な取り外し」をしましょう。
 
 
ところで、この鉄工場の社長さんのハードディスクですが、翌朝には復旧が完了しました。社長さんに無事復旧の連絡をしたところ、すぐにすっ飛んで受け取りにいらっしゃいました。その際に、USBメモリ2本、SDカード1枚、別の1台のポータブルハードディスクも持ち込みされました。
 
過去、同じように認識できなくなって、放置していたそうです。(可哀そうな子たち(ノД`)・゜・。)
 
社長さんは、頭の回転が速く、矢継ぎ早に質問され、とても早口。言い換えれば、せっかちな印象の方でした。
特に、せっかちな方、気を付けてください。かわいいハードディスクたちを大事にしてあげてくださいね。
 

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