Windowsパソコンをずっと使い続けている方の中には、Macも良いかな? と思っている方も多いと思います。最近では、特に使えるソフトもほぼ同じ、Word、Excelも使えるし、メールもOK。データの受け渡しもインターネット経由、Wi-Fi経由で行え、仕事に趣味に特段の支障は少なくなって来ました。しかし、WindowsとMacは、開発思想が違うため、Windowsユーザはいろいろな場面で戸惑うことがあります。

 

私は、データ復旧会社に勤めているデータ復旧エンジニアです。日々多くのお客様のデータを復旧しています。 

これから紹介するのは、あるアマチュアカメラマンさんが、WindowsからMacへ乗り換えたときにやってしまった大失敗の事例です。

 

野鳥の写真を追い求め日本国内に留まらず海外にも撮影旅行に行ってしまうほどのアマチュアカメラマンさん。何度もアマチュア写真の賞を受賞し、実力もプロ並み。撮影する写真も膨大で、毎年何台もハードディスクを購入し、Windowsパソコンで几帳面に分類していました。Windowsパソコン歴は20年を超えており、アマチュアカメラマン仲間の中ではパソコン通でした。

 

最近の新しい一眼デジカメを購入し、動画撮影もするようになりました。もちろん撮影した動画を編集したくなりました。Windowsでもできるけど、動画編集するならMacという記事を読んで、悩んだ末、初めてMacを購入しました。

 

早速Macを使い始めました。最初の内はWindowsとの違いに戸惑いましたが、だんだん操作に慣れてきました。MacにはこれまでWindowsパソコンに接続していた4TBのハードディスクをつないでいます。ハードディスクの中にはWindowsパソコンで分類・整理した写真・動画データが約2TB弱入れてあり、2TBの空き容量がありました。

 

Mac本体のバックアップといえばTimeMachine(タイムマシン)。カメラマンさんは、Mac本体のバックアップをTimeMachneを使って実行しようと思いました。軽い気持ちでTimeMachneを起動し、4TBのハードディスクをバックアップ先として選択し、次の画面で「バックアップディスクとして使用」を選択しました。

 

 

 

いくつかの確認画面がポップアップしてきましたが、Mac標準のバックアップソフトだからと安心して、あまり読まずにハイハイハイ と進めてしまいました。

 

しばらくして、TimeMachineの設定が完了し、初めのバックアップが始まりました。しばらくしてバックアップが成功。喜んだのも束の間

 

ハードディスクを見に行ったら、データがない!

あるのは、 Backups.backupdb というフォルダが1つあるだけ。

Macに接続した4TBハードディスクは、Windowsパソコンで分類・整理した写真・動画データが約2TB入っていたはずなのに。

 
いったい何が起きたのでしょう?

 

Windowsパソコンのフォーマット形式は特に指定しなければ Microsoft社が推奨するNTFSという形式です。一方で、Mac標準のバックアップソフトであるTimeMachineは、Apple社が推奨するHFS+ あるいは APFSというフォーマット形式でしか動作しません。TimeMachineを実行すると、バックアップ先のハードディスクがHFS+ あるいは APFS形式でフォーマットされてしまいます。

 

このカメラマンさん、TimeMachineの設定中にこんな確認画面が表示されたはずなんだけど、うっかり「消去」をクリックしてしまったんですね。ここで「消去しない」をクリックし、バックアップを中止していれば、大事なデータが消えることはありませんでした。

 

 

さて、カメラマンさんは、私が勤めるデータ復旧会社に復旧を依頼いただいきました。お預かりしたハードディスクの診断結果は、重度の論理障害でした。

 
ハードディスクは、MacのAPFS形式でフォーマットされた上、さらにTimeMachneのバックアップが実行され、約200GB上書きされていました。
ハードディスク全域をスキャンしたところ、Windowsパソコンで分類・整理したデータは、フォルダーツリーが壊れ、フォルダ名やファイル名が判別できない状態になっていました。生データをJPG、CR2(キヤノン専用写真形式)、MOV、MPGなどのファイルの特徴から判別して切り出し、JPGファイルであれば「JPG」フォルダを作成し、連番ファイル名に拡張子を付けた状態でファイルを格納しました。

 

もともと約2TBあるはずのデータの内、1.8TB分はこの方法で正常なファイルとして復旧できました。残りの約300GBは、破損写真ファイル、削除痕、そして、短いく寸断され破損した動画データなど、欠損のあるファイルとして復旧されました。

 

MacのTimeMachineに限らず、バックアップツール全般に言えますが、バックアップ先のハードディスクの指定には十分注意する必要があります。必ず、バックアップ専用のハードディスクを指定しましょう。データ保管するハードディスクとは別にすることをお勧めします。
 
で、このカメラマンさんですが、一部損失がありましたが、約9割のデータを復旧できました。フォルダーツリー、ファイル名は元通りになりませんでした。しかし、写真や動画ファイルには、ファイルの中に撮影日時や、撮影機材の情報が埋め込まれています。そこで、ファイルの作成日時を撮影日時に、ファイル名を機材名プラス連番に変換して差し上げました。これで、元のように写真・動画データを分類・整理できると喜んでいただきました。
 

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