そんなにキャンキャン言わないで
あんまりキャンキャンいうもんだからそんなに俺に散歩に連れて行って欲しいのか。中学2年の夏。俺は愛犬トロトロと散歩に出た。あんまりキャンキャンいうもんだから。人間でいえば20歳くらいのトロトロは、中学の体力あるバリバリの野球青年に喧嘩を売るかの如く、50m6秒並のスピードでかけだした。
飼い主が負けてたまるかと俺も負けじと50m7.3秒のスピードで走った。200m位走っただろうか。なかなかいい勝負だ。しかし愛犬トロトロは止まらない。ハァハァもいっていない。俺はゼェゼェいっている。
400m位走った。愛犬トロトロは茂みに駆け込んだ。いい感じの表情をしてウンコをし始めた。ハァハァしてる。俺は、はあぁあああっだ。愛犬トロトロよ、お前は俺に散歩したいがためにあんなにキャンキャンいっていたんじゃないのか。もしかして俺に「漏れちゃう漏れちゃう漏れちゃう」と鳴いていたのか。そっちか!なんだよ俺はてっきり「散歩に連れてって♡」の合図だと勘違いしてしまったじゃないか。
俺は負けたんだ。犬に負けたんだ。勝負が始まる前から俺を試していたんだ。「コイツなら俺をウンコしに付き合ってくれるって」ばかやろう!そんなにキャンキャンなかないでくれよ。
データ石浜