家族
小学校の文集で書いた将来の夢が叶った人がいる。有名どころだとサッカーの本田選手がそうだ。しかし小学校で描いていた夢が叶う人なんて確率で言えば1%もいない。夢は何度も更新され、自分の限界を知り、いつの間にか夢を諦める人がほとんどだ。
ある男性は「レスキュー隊員」になる事が夢だった。夢を叶えるために必死で勉強した。1年目試験不合格。2年目また不合格。3年4年と刻々と時間が流れた。とうとう年齢制限で試験を受けられる最後の年になった。彼は最後のチャンスにかけるために今まで以上に勉強をした。結果は不合格。彼の夢は叶わなかった。自分の夢が年齢で叶わない・・・
彼は別の仕事に就いた。彼女も出来た。「レスキュー隊員」に対する思いは彼女の存在によって少しずつ頭の片隅へと動いていった。それでもなにかチャンスがあるんじゃないかと彼はまだ夢を諦め切れなかった。そんなある日、彼女が彼に言った。「レスキュー隊員でアナタがもし死んだら私たちはどうなるの?」彼女のお腹には新しい命。
彼は考えた。彼女とこれから生まれる我が子。自分の夢は家族を不安にさせてしまうものなのか?自分がいなくなったら彼女と子供の人生はどうなってしまうのか?彼は夢と引き換えに幸せを選ぶ事にした。
彼女の存在なしに夢が叶うことはなかったと思います。という記事を目にすると同時に、彼女との幸せのために夢を諦めた男がどれくらいいるのかと。きっとほとんどの人たちが後者なのだろう。
夢は誰かを「守る」ことで儚いものに。彼女の存在なしに夢が叶うことはなかったと思いますなんて言葉は、そもそもみんながなりたい夢を叶えた人が結果を出した時が言うセリフじゃない?
男の夢が叶うまで支えてくれる女性なんて、男が文集に書いた夢が叶う確率より少ない気がするよ。
データ石浜