あのね、なんかね

ものすごい酔った子から電話があった。電話を出た瞬間の笑い声ですぐに分かった。

「あのね、なんかね…」
「うん」
「ね、うんと~あのね」
「うん」
「ちゃんと聞いてる~?」
「聞いてるよ。どした?」
「嘘だね~!今の気持ち当ててあげよっか?」
「いいよ」
「あ~めんどくせぇ~、電話切りて~って思ってるでしょ?」
「そんな事思ってないよ。どした?」
「う~ん、聞いてくれる?」
「聞くよ」
「あのね、なんかね…フフフフフ」
「めっちゃ笑ってるけど」
「言わないでね絶対…」
「うん」
「待って~全然知らない人に声かけられた!怖いんだけど!ちょっと待ってて!」
「うん」
「(ガサガサガサガサ…)」
「……」
「もしもし、聞こえる」
「うん、それで?」
「なんかね、全然知らない人がめっちゃこっち見てくんの!?だから一回逃げてきた」
「…などほどね、それでどした?」
「あ~この電話飽きてきたでしょ?なんか面倒臭がってる!」
「そんな事ないよ、どしたの?」
「聞きたい!?」
「聞きたい。どした?」
「え~じゃあぁぁ~あ、う~ん…」
「もしもし」
「聞いてるよ」
「ごめんごめん」
「質問に答えてくれる?」
「いいよ」
「…ふふふふふふ~」
「なになに?」
「あのね、なんかね…」
「うん」
「ありがと」
「えっ?」
「それだけ…」
「えっ」
「な~に~馬鹿にしてる!?」
「してないよ」
「うん」
「うん」
「おやすみ」
「おやすみ」


こんなやりとりが30分続き、一体何だったのか謎が深まるばかりで寝れなかった。

データ石浜