おじいちゃんがボケている。


久しぶりに実家に帰った時の出来事だ。
テレビでは巨人軍がストラックアウトに挑戦していた。
なんて番組だっけ?

うちのおばあちゃんは巨人が大好きで
もうテレビにくぎ付けだった。

ふとうちに集まった親戚たちが
巨人の年棒の話になったのだ。

「阿部はすごいよなぁ」
「年棒いくらだっけ~」
「4億ぐらいじゃなかったでしたっけ」

そんな会話の中
おじいちゃんだけが断固として
「6万だ!6万!」
とおっしゃるではないか。

僕は心の中で猛烈にツッコミながらも
その場にいた人たちはだれもつっこまない。

そうホントのボケには誰もつっこまないのである。
おばあちゃんがぽんぽんとおじいちゃんの手をたたく。

「こらこら、おじいちゃん違いますよ」
の合図なのだきっと。

あそこで僕が
「6万の訳あるか!安すぎるだろ!」
なんて言ってしまった時には
おそらく尋常じゃない場の空気になってしまうのだろう。

高齢化社会において
安易なツッコミは危険でしかない。


データ石浜