はじめに:EVの“台数勝負”だけで投資判断すると、だいたい迷子になります

自動車株って、話題が大きいわりに「どこを見ればいいか」が曖昧になりがち。
EV比率、販売台数、話題の新技術…もちろん大事なんですが、
投資判断としては“利益が残るか”“株主に返るか”が最終的に効いてきます。

今回の動画①では、どのメーカーにも使える「共通の評価軸」を3つに絞って整理しました。
結論(軸に置く会社)は最後に出します。まずは“型”を手に入れましょう。


結論を急がない:まずは“見る場所”を固定する

短期のニュースや相場の気分でブレないために、最初にチェック項目を固定します。
この動画の結論は「買え/売れ」ではなく、“こういう条件なら買いやすい”という判断の型です。

  • ① 利益耐性:逆風でも稼げる(稼ぎが崩れにくい)
  • ② 電動化の現実解:規制・電池・投資の制約下で勝ち筋がある
  • ③ 株主価値:配当・自社株買い・ガバナンスで株主に返る

① 利益耐性:結局ここが一番“株”に効く

強い会社は、好況で伸びるだけじゃなく不況・逆風でも崩れにくい
自動車は景気循環が強い産業なので、ここを外すとメンタルが持ちません。

チェックの観点(例)

  • 商品ミックス:利益の出る車種・パワトレ比率(台数より“儲かる構成”)
  • 地域分散:稼ぐ市場が分散しているか(特定地域に依存しすぎない)
  • バリューチェーン:金融・サービス・中古・部品など、新車以外の利益源

ワンポイント:決算は「増減要因(何で増えた/減った)」を見ると強さが見えます。
売上や台数よりも、利益が残る構造があるかを追うのがコツ。


② 電動化の現実解:EV“だけ”では語れない理由

電動化は避けられない一方で、現実には規制・電池・インフラ・価格という制約が残ります。
だからこそ、投資家としては「どの道が“儲かる設計”になっているか」が重要。

チェックの観点(例)

  • 電池制約:電池が足りない/高いときに、どの手を打てるか
  • 投資余力:電池・ソフト・次世代技術に投資しても利益が残るか
  • オプション:BEV一択か、複数ルートで“勝ち筋”を持てるか

ワンポイント:「EV比率が高い=勝ち」とは限りません。
株として見るなら、“伸びても利益が残る設計”かどうかがポイントです。


③ 株主価値:配当と自社株買いは“総還元”で見る

利益が出ても、株主に戻らなければ株価の伸びは鈍りやすい。
とくに成熟産業では、配当+自社株買いの方針が投資家の安心材料になります。

チェックの観点(例)

  • 配当方針:増配の姿勢があるか(配当性向だけでなく方針も)
  • 自社株買い:上限枠・頻度・実行度(“言うだけ”になっていないか)
  • ガバナンス:資本効率や持ち合い整理など、改善余地に向き合っているか

ワンポイント:配当利回りだけでなく、“総還元”で見ると比較がしやすいです。


(結論)この3条件を満たす“軸”はどこか

ここまでの3条件をまとめると、動画①の結論はこうなります。
「利益耐性 × 電動化オプション × 還元」の3点セットを満たす会社を“軸”に置くのがブレにくい。

ただし、最大リスクも明確です。
関税・為替・中国の3つは、状況次第で利益を削りうるので、ここは継続監視が必要。
(このあたりはシリーズ後半で、より深掘りしていきます)


次回予告:トヨタの“利益の作り方”を解剖します

次の動画では、トヨタの強さを「売上」ではなく“利益が残る仕組み”で分解します。
決算のどこを見れば“強さ”が見えるのか、具体的にやります。


注意(大事)

本記事・動画は投資助言ではなく、公開情報(各社IR/決算資料等)をもとにした学習・整理コンテンツです。
数字は撮影直前に最新の開示に合わせて更新し、期・年度を明示します。
投資判断はご自身の責任でお願いします。