少し時間が経ってしまいましたが、2024年4月7日(日)に品川駅港南口駅前広場で開催されたイベントへ参加してきましたので、会場の様子を少しご紹介しようと思います。

 

■ブルーバード(310~510系)

全くの個人的な意見ですが、ダットサンセダンの系譜を継いでいる成り立ちから”ブルーバード”こそが日産自動車の本家本流であると思っています。

日産自動車は日産の伝統モデルとして、唯一の4ドアセダン”スカイラン”をラインアップに残していますが、日産旧車好きとしては少し寂しいですね。

 

・ブルーバード310系

戦前のダットサンからの系譜を継ぐダットサンセダン(110/210系)の後継モデルです。

希少なP310型(1200DX)。

310の大きな特徴は3速ミッションのローギアがノンシンクロとなります。

また、エンジンも異なりマイナーチェンジ後の311・312系よりも最高出力は低くなります。

全日本ダットサン会でも310系の残存数はかなり少ないと感じます。

 

通称:柿の種と呼ばれる初代ブルーバードの所以はこのテールランプ形状になります。

マイナーチェンジ後の311系もテールランプ形状は同じですが、テールランプレンズの下部にリフレクター(反射鏡)を組み込んでいます。310はリフレクターが無いのが特徴となります。

 

ビッグマイナーチェンジ後の312系

フロントグリル形状の変更やインパネのデザイン変更などビッグマイナーチェンジ版となります。

 

312系のリアスタイル

真ん中のモデルが312前期(1962年)、両サイドが312後期(1963年)となります。

311系まではストップランプとウィンカーが共用でしたが、312系では赤とアンバーの2色に分割されました。またリヤフェンダー形状が少し変更されテールフィン風のデザインとなっています。

 

・ブルーバード410系

1600SSSとエステートワゴンの2台です。日本ではトヨペット・コロナとの販売合戦でコロナに逆転を許してしまったモデルとして残念な扱いをされがちなモデルです。

アメリカでは、VWに次ぐ輸入車登録台数2位を獲得し北米日産の礎を築いたモデルです。

右側の車はスリーエス(SSS)となります。ブルーバードSSSはこのモデルから設定されました。

 

410系のリアスタイル。

ピニンファリナのオリジナルデザインでは車幅が少し広かったと言われています。

当時は営業車(タクシー)の小型車料金が適用されるのは全幅1500mm未満となっており、

この規定に収めるために幅を狭めたと言われています。

ライバルのトヨペット・コロナ(RT40)は全幅が1550mmと枠を超えていますが、

トヨタは政治的にこの小型料金適用基準を撤廃させたため、コロナもブルーバードも同じ

小型料金となり、同じ料金で車内が広いコロナの方がタクシー業者へ販売しやすかったと

言われています。

 

尻下がりを修正した411系のリアスタイル

 

・ブルーバード510系

ブルーバード410系、510系は日本国内でも2ドアセダンの設定がありました。

この個体は希少な2ドアセダンです。

小さい子供を乗せるときに安全(後席にドアがないので勝手に開けることがない等)や4ドアセダンに比べて価格が安いことがアピールポイントですが、日本では消滅したボディ形状ですね。

510系ブルーバードは年度改良によって細かく特徴が分かれますが、この個体はグリル形状からして最終形だと思います。

 

少しカスタマイズされていますが、オーソドックスな4ドアセダンモデルとなります。

この年代になると加速やブレーキ性能など現在の交通の流れに合わせて走るのに

苦労しないでしょう。

 

510系ではそれまでなかったクーペも登場します。魅力的なデザインだと思います。

この車のように、一般的なモデルだけど少し背伸びをすれば所帯じみていない

カッコいい車が買えた時代が羨ましいですね。

 

■セドリック

ブランド名が消滅して久しいですが、日産自動車のハイエンドモデルのバン(4ナンバー)です。

昭和30年代はトヨタ・いすゞでも乗用車と同じ顔をした商用モデルが存在していました。

乗用車のみでは生産数が少ないため商用モデルも設定して生産数を稼ぎ、量産コストを下げるためだったと言われています。昭和30年代はまだまだ自動車が高価なものでした。

トヨタ・パブリカや軽自動車でも庶民にとっては高嶺の花だった頃、最初に自動車を購入し始めたのは町の商店主達だったそうです。仕入れや配達に使用する商用車の購入は経費計上できる等税制面でのメリットもあったのでしょう。ちょっと景気の良い洋品屋・テーラーなどが買ったそうです。

「平日はお仕事に、休日はレジャーに!」

 

当時のバンのリアゲートは現在の物とは開き方が異なります。

上下2分割で開くタイプと、リヤガラスを下げてからゲートを上方開きに開けるタイプの2タイプが主流でした。このセドリックはガラスを収納してから上方開きするタイプです。

雨が降っているときに荷物を下ろすのは大変そうですね。

 

■フェアレディ(SR311)

日本車で初めてカタログスペック上の最高速度が200Km/hを超えた車です。

最初は強化したブルーバードのシャシーにセドリックのエンジンを積んだスポーツカー風な車でしたが年々性能が強化された最終形です。後のフェアレディZとは違って、かなりスパルタンな車ですね。

 

■ドイツ車

・メルセデスベンツ280SL(W113)

クラシックメルセデスの中で人気ナンバー1のモデルではないでしょうか。

燃料供給がインジェクションでありキャブレターのような気難しさがないこと、日本で流通しているモデルの大半がAT、エアコンを装備していることから普通に乗れるモデルです。

手元にある2005年頃のカーマガジン誌に掲載されている専門店の広告では、400万円~1200万円で各種個体が販売されていました。専門店だけあって400万円でも文句ないコンディション、1200万円のモデルはカリフォルニアでフルレストア済みの個体でした。

現在は相場が高騰してしまい、普通には手が出せない値段になってしまいました。

 

・ポルシェ912パトカーとツェンダップ・ヤヌス

神奈川県警で活躍した有名な個体ですね。左側は日本に現存1台と言われるツェンダップ・ヤヌスです。2台の登場した時代は異なりますがドイツ人って車に対する発想が豊かだなと思います。

自由な発想を持っていそうなアメリカですが、車に関しては似たようなものが多く、目的に応じてここまで割り切った独創的な設計の車をあまり見ません。