2020年1月にオペルが日本市場へ再上陸することを発表した。

当初2021年中とされていたが、コロナ感染拡大の影響で2022年中に延期された。

2006年に日本市場から撤退してから、実に16年ぶりの再上陸とのことである。

公式サイトが開設されており3種のモデルラインナップが掲載されているが、街中で見かけたことはない。公式サイトには取り扱いディーラーの情報が載っていないので、どこで販売しているのかが良く分からないのである。

かつての取り扱いディーラーだったヤナセのHPを見ると、東京都内では芝浦支店でのみサービス(整備)の受付をしてもらえるようである。

 

20年程前、中古のオペル・アストラを買って1年半ほど乗っていたことがある。

今回はオペルについての思い出話である。

 

私がオペルを入手したのは、2001年だった。

買ったのは、2回目の車検を迎えた5年落ちの1996年型オペル・アストラGLである。

当時、大学に入学した妹が運転免許を取得した。

私もまだ大学生だったので自分の車は所有しておらず、父の車を借用していた。

父は車を所有していれば満足で、運転するのはあまり好きではなかった。

したがって、私はいつでも好きな時に自由に車を借用できたので、特に不便を感じることもなかったのである。ところが、免許を取得したばかりの妹が車を運転したがると、父は自分の車をぶつけられることを恐れたのであろう、母と妹が共用で使う小型の車を増車しようと言い出したのだ。

自分は乗らないためか、車探しは「安全性の高い小型の中古車を探してこい」と私に丸投げであった。輸入車に乗っている友人が多かったのもあり、小型の輸入ハッチバックを探そうと決めて、条件を定めた。

 

・5ナンバーサイズのハッチバック車

・右ハンドル

・運転席と助手席のエアバッグが装備されていること

・価格は50万円くらい

 

ざっくりと以上の条件を定めて車探しを始めた。

私は、ルノー・シュペール5・バカラが欲しかったのだが、これは左ハンドルでエアバッグの無いモデルだったので諦めざるを得なかった。

定番中の定番、VWゴルフ(中古だとゴルフⅢがメイン)も探したが、当時はこのクラスの圧倒的人気車であり中古車も強気の相場であり、予算内では運転席エアバッグのみしか装備されない年式のものしか見つからなかった。

プジョー306も人気があること、また元々の玉数も少ないことから予算内では見つからなかった。

暗礁に乗り上げかけた時に、友人の家のオペル・ベクトラを見て思い出したのである。

オペル・アストラがあるじゃないかと。

早速探してみると、VWに比べて人気がないこと、ヤナセの販売力で玉数は豊富であることから予算内で条件を満たす個体が見つかったのである。

人の好い70前後のお爺さんが一人でやっている小さな中古車屋さんにあった個体で、予備検付で50万だった。

この車は妹の運転の練習用がメインの目的であったが、手放すまでの間に母がバンパーをこすった以外は無傷であった。劣化したタイヤの交換とカーナビ取り付け費用以外は特に維持費はかからなかった。

1年半ほど乗った後、妹の運転技術も向上したことに加えて、父の車をダウンサイズしたものに買い替えたこともあり役目を終え、私の会社の同僚へと引き継がれて我が家を去っていった。

軽快に走る良い車だったが、デザインが平凡で所謂“外車っぽさ”がなかったこと、ヤナセと輸入元(日本GM)で意見の相違があり、販売拠点が減ってしまったことから徐々に衰退し2006年に日本から撤退となった。

今回の再上陸にあたって、どの程度のユーザーを獲得できるのか大いに興味があることろである。

現在の日本でも“外車っぽさ”がないと売れない点はあまり変わっていないと思うのが、オペルがどこまで頑張れるのか…。

 

■オペル・アストラGL5ドアハッチバック(1996年型)

96年型までは全グレード上位車種であるベクトラと共通の2リッターエンジン。

車体が軽いので軽快に走った。

 

■オペル・アストラGL5ドアハッチバック(1996年型)

この頃のオペルは、リアシートパッセンジャーの圧迫感をなくすために中央部穴をあけ、前方が見えるようにしたヘッドレストが特徴。

 

■内装

右ハンドル・両側フロントエアバッグ装備が購入条件だったので、これが決めてになったかな。