【過保護なマンマの国】
暑い夏がようやく終わりかけ、ホッと胸を撫で下ろす今日この頃。
電車やレストランの冷房がゆるくなり始めました。やったぁ~!
私はしょっちゅうイタリア人とメトロや電車に乗りますが、実は彼らが冷房の風にとても敏感で毎夏困ってしまいます。
この夏は猛暑で、外を歩いてびっしょり汗をかいたまま電車に乗ることも多々ありました。
そんな時に乗った車両が冷房直撃だったりすると、「身体に悪い!」「風引いてしまうわ!」などなど大騒ぎです。
特に首や肩に風が当たる事を非常に嫌います。
前の日に「明日はメトロに乗るからカーディガンかスカーフを持って来て」と言わないと大変な事に……恐。
レストランでも冷房の風が直に当たるテーブルはアウト、入った瞬間にイヤな予感が…。冷房を弱くしてもらうか席を変えてもらうかですが、それを言うのはもちろん私です。
冷房がとめられなかったり、他の席がない事は日常茶飯事。だからパーカーやスカーフは私自身の予防線なのです。
このように大変デリケートなイタリア人の皆様……。
その理由としては、イタリアはつい最近までクーラーのない生活が普通でした。近ごろは異常気象で夏は猛暑となりクーラーが普及しましたが、日本やアメリカのようにキンキンに冷えてることは少ないですね。
これはヨーロッパの他の国も同様で、なるべく自然な状態が好まれます。ただイタリア人の皆さまは一番うるさいのです。
その理由として私が思いつくのはイタリア特有のマンマの文化です。
家族と過ごす時間が多い国民ですから子供の頃からマンマやお婆ちゃんから「冷房の風に直接当たってはダメよ」「病気になってしまうわよ」などと言われてるわけです。
つまり国民全員が耳年増と言ってもいいでしょう。
耳年増ですからけっこう色んな事を知ってます。風引いた時は◯◯にXXを入れて飲むといい、など情報が多い事は確かです。
そういえば80年代にローマに初めてマクドナルドができて、友人達と行った時の事。イタリア人はコーラに氷無しがいいのですが、初めてのマクドナルドに舞い上がり、注文時に言うのを忘れてしまいました。
みんな「まあ仕方ない」と言って飲んだのですが、一人は「マンマが言っていたよ、氷を入れた飲み物はお腹をこわすって」と言って聞きません。
みんなでどうにかなだめて飲ませたのですが、しばらくしてなんと本当にお腹が痛くなってしまいました。
「やっぱり!マンマが言ってた通りだ」
マンマが正しかったのか、潜在意識的なものなのかは不明です。しかし彼らにとってマンマが正しいのは確かですね。
そういえば私は過去に冷房の風が直撃してギックリ腰になったことが2回あります。整骨院の先生からも「そりゃあいかん! 」と言われました。
ああ、やはりイタリアのマンマは正しかったのです!
1回目はローマでしたので、ドクターの処方箋で注射を4本購入し、友達のマンマのマリアに4日間お尻に注射してもらいました。
イタリアのマンマはお尻に注射も上手に打てます!ああ偉大なるイタリアのマンマ達!
生命力の強いイタリア人の原動力は間違いなくマンマに与えられたものだったのです!
マンマ万歳!