空を走る | 酒井根走遊会のページ
酒井根走遊会日本からの更新です。

本日は柏の葉公園で、高校生の練習に参加させていただきました。

練習内容は

2000(5’54”)
1000(2’40”)
400(59’5)

を実施。

今回私自身が確認したかったことは、
前回のポイント練習に引き続き足の入れ替え動作とスポットに落とすということです。

実際2000mのペースでは接地時間が長くなってしまい、接地後地面を足首で引っ掻くように走ってしまったことが反省点です。どのペースでも落ちた反力をそのまま進む方向への推進力に変えていかなければ長い距離に対応できないので、少しづつ改善していきたいと思います。

この写真では足首が伸びてしまっています。キック後に地面を引っ掻いていることが伺えます。


1000mでは63-66-30”というタイムでしたが、タイム以上にイメージ通りの走りができました。
ここでは接地後の足の返しと入れ替え、そして引き戻しがスムーズに行うことができ、前回同様72”よりも64”前後のペースで最もスポットにはまりやすいという現状が確認できました。









細かく説明していきたいと思います。
※ここではスポットの説明を省略します。

スポットにはまったあとの体の使い方では(足を素早く『返す・回す・引く・戻す』)という一連の流れのあとに接地によるスポットへのはまる動作へと移行します。
この間空中で大きく移動している分だけ体は回復するとともに、次の動作への準備もすることができます。
今回の練習で確認できたことは、接地後の前方向への移動中に脚を素早く返す動作ができていることが確認できました。
72”のペースではやや一歩の移動距離が短くなってしまったのは、ペースをコントロールする状態では体の重心よりやや後方まで接地を維持していたためキック動作が入ってしまったと考えられます。
今まで感じていたことですが、スポットにはまっているとやや遅いペースで足の浮いている状態にタイムロスを感じるということです。しかしこの時間も無駄なく前方向へと動かし的確にスポットを捉えることにより速く・長く走ることができ、レース中の回復にもつながります。

前回・今回の練習で空中で脚を運ぶ動作ができることが可能になった要因は、芝生上のインターバルにあると思います。この練習は芝生という接地面でキック(地面への力の伝達)とスポット(反発力)の両方を同時に行う中では空中動作は短くなります。その中でも空中でいかに効率よく進むか。それを行うための体の使い方で意識したことは、区間分けによる走リ方の切り替えです。
まず0~50mはしっかり踏み込んで加速をつけます。この区間は踏むことを意識するため自然にストライドは小さくなります。次に50m~200mの区間、この区間はスポットだけを意識して、ストライドを伸ばしハマるポイントだけを抑えていきます。探すといってもいいかもしれません。少しでもずれるとストライドは狭まり、足が流れます。体が流れるように進むポイントをおさえます。200m~300mはスピードの維持でこの間に足の空中での入れ替えを特に意識します。足が後方に流れる状態を少しでも抑えるために力強く踏み込むのではなく、足を置くように走りますが接地する瞬間を敏感に感じられるように意識します。300m~400mは腕も使いもう一度地面をプッシュしながら加速できるように走ります。

また現在足の甲に故障を抱えていることも、脚の入れ替えがスムーズに行えている要因です。
足の甲の故障ですので、地面を押す(叩く)ことはほとんどできません。そのためスポットにはまったリズムだけでペースをコントロールします。ペースが上がってくれば上がった分だけ、その状態でのコントロールが簡単になります。というのは前への推進力が付いた状態では、接地時に大きな力を得ることができるからです。そして足の入れ替えだけに集中していれば、設置後のタイミングを掴むことは簡単です。

接地時に無理にスポットをたたいて力を引き出そうとしていたため、逆にスピード維持ができなかった期間が長く続きました。努力感とスピードが反比例する状態ですね。もがけばもがくほど力を使いスピードは鈍っていきます。疲労はたまります。

接地時に集中する・空中に浮いている時間を感じる・こういった力を加えなくても自然に進むポイントの一つ一つを取り出してそこだけに集中して走っているとスポットを再発見できるのかもしれません。

私の場合は、故障により地面を叩けなくなったことで、『ただ体が落ちて進む』『空中で力を加えない』を思い出すことができたように思います。

走れるときは、常に『体を持った使いたい』と考えてしまいますが少し気持ちを変えて、『力を使わずに』という意識で軽く走り続けていると、意外と見落としていたポイントに気がつくかもしれません。


今回、夏休みの高校生の練習に参加させていただきました。
練習して、勉強をして、家事をして、忙しい毎日だと思います。
オーストラリアに住む日本人と話をすると、日本の子どもは自立していないとよく言われますが、そんなことはないと思いました。というのもいろいろなことを経験させてなんでもできるようになることをオーストラリアに住む人は考えています。日本の高校生はどうでしょうか。確かに勉強・部活と一生懸命でそのほかの経験値に対して比較したら劣っていることもあるかもしれませんが、中学校生活・高校生活・大学生活といった時期を誰よりも一生懸命生きようとしていると思いました。限られた期間の中で目標に向かって全力で挑む姿勢は、いろんな人に助けられていても決して楽なものではないと思います。そうした状況に身を投じることができる、そして継続できる意志の強さは自分を大きく成長させるとともに、人に優しくなれる、また感謝を感じることもできる大切な時間をつくる心の強さだと思います。
今回のブログのタイトル『空を走る』での空中の脚の入れ替え動作だけでなく、こころは空を走るように自由にそして大きく今の時間を走って欲しいと思います。
そして走ることに対して、競技をする・市民ランナーになる・ジョガーとして走る・友達と気が向いた時に走る…そんな形であってもずっと好きでいて欲しいと思いました。

私もオーストラリアに戻る前に、初心にかえってスタートできるいい機会となりました。
そういった気持ちにさせてくれる高校生と練習させてもらえたことに感謝して、また次の目標に向かって生活していきたいと思います。