真夏のスランプ | 酒井根走遊会のページ
今回、テーマは『理論』となっていますが、メンタリティーなところで前回に引き続き、
やや抽象的な文章・結論になってしまうと思います。
軽い気持ちでご一読を…


オーストラリアに来て約5ヶ月を過ごしました。

こちらへ来てまずシドニーで故障し、10月は故障を治す期間に費やしました。

11月から練習を始め、最初の段階ではいい状態で練習を重ねられていました。

特に12月は上がっていくだけで、練習するたびにタイムが上がり、感覚も良くなるといった状況でした。
この期間の練習は練習量と内容を決め、適度に練習を積めていました。
内容としては
Faltlec(40')
400×6(60-62 R=4')
easy(40')
Faltlec(50')
purespeed(70dash-carb jog-70dash-carb jog ×4laps ×2set )
easy(50')
1000+400(2'40"-60")
という流れが1週間の流れです。

1月に入り、ふくらはぎに違和感を感じたことにより、練習を落し、その後『量』を増やしました。
そこから『負』のスパイラルにはまって行きました。
復帰後、
1/7 Long run(75')
1000+400(2'46"-63")
Faltlec
400×4(62-62-61-61)
Faltlec
Long run(80')
easy
Long run(80')
Faltlec
Faltlec
400×3(60-61-61)
Faltlec
5000m(15'52")
1000+400(2'43"-60")
Long run(90')
1000+400(2'43")
600(1'34")
easy
Victorian chanpionships5000m(15'42")
3000+1000(9'40"-2'42")
3000+1000(9'40"-2'42")
3000+1000(9'10"-2'45")
600(?)
300×4(43-43-43-43 r=2')
faltlec
Rest

2/1 1000+400+400(2'41"-60"-60")
3000+1000(9'00"-2'44")
Long run(120')
1000+400+400+400(2'48"-60"-60"-60" r=2')
600+1000(1'44"-2'56")
Easy
3000+1000(9'02"-2'48")
1000+400+400+400(2'48"-65"-66"-67" r=60")
Long run(80")
1000+400(2'44"-60")
B-up(3'45"-3'00)
1000(2'46")
1000×3+200×5(2'46"-2'57"-2'52", 32-32-31-31-30)
B-up(4'00"-3'00)
Easy
Long run(120')→UPHILL15KM・DOWNHILL15KM
Easy
Easy
600(1'39")
Mile race(4'40")
Easy
Rest

ここから考えられるのは、練習の流れがないことです。

当日や前日の気持ちに左右されている状況が伺えます。

この『気持ち』というのは、結果が悪かったから『もう一度やってみよう』、『もっと速いペースでトライしてみよう』、『練習が足りない』といったものです。

いい感覚を取り戻そうとして、その『確認作業』(例えばここで言うと1000mや3000mや400mですね)を入れすぎると、『タイムを狙いに行く気持ち』や『焦り』が生じ逆にうまくはしれません。
そして『次こそは』という気持ちから再び失敗します。

このようにして『負』のスパイラルにはまっていったと考えられます。

木を見て森を見ず

練習日誌をその日だけ凝視しても、原因は究明できません。
流れや自分の感覚を広い視野から、多角的に見る必要がありますね。

これは選手だけでなく、コーチや監督にも言えることだと思います。

というよりむしろ、指導者の方が陥りやすいのではないかと思います。

今日の結果、直前の状況を凝視していては難しい局面や壁を越えることはできないのではないかと。



そして今回最も触れたい点は、『負』のスパイラルの時のメンタリティーです。

今現在、スランプに陥った時にモチベーションを向上させてくれる仲間やコーチが近くにいますか?
『慰める』といった関係だけなら本当の理解者ではないと感じます。
しかし自分自身で自分を取り戻そうにもなかなか難しいものです。


自分が走れていない状況で、自分の走りを理解して欲しいというのも難しいことです。
うまく走れない中でレースや練習を楽しむことも難しい状況になりつつある。
そのうちに出たかったレースへの出場も恐怖心に変わり出たくなくなる。
スランプ時特有の感覚ですね。


現在、言語が違う国で生活をし、理由付け・言い訳・レース感覚・トレーニング…など
日本語では細かく説明できるところでも、本当の意味が伝わっているかどうかはわかりません。

しかし、言語が違えど感覚や意思・意志を通じ合える人はいるものです。

オーストラリアでは
『Before Sunrize is dark.』の話が調子の悪い時にする一般的な話だそうですが、
それを話すだけでなく、
自分の教え方が悪いともいい、
最終ラップが遅すぎることに理解できないともいい、
4日前のLongRUNはよくなかったねともいい、
レース展開のことも聞き…

何をどうしたというわけではありませんが、外国人の走りの友人にモチベーションを作り直してもらった事実がひとつあります。
実際2日後のレースに行くかどうか悩むほどでしたが、いまは行って走ることが楽しみに感じています。

この負のスパイラルについて、ほとんど多くの選手が一度は経験することだと思います。

指導者に関して、この部分を修正することのできる指導者こそ優れた指導者なのではないかと。
選手に関して、この部分を数多く乗り越えてきた選手こそ優れた選手なのではないかと。
仲間に関して、本当に理解できるときは言葉や態度だけでなく何か別のものが伝わる仲間こそ本当な仲間なのではないかと。

速い選手をただ速くする。
いい状態で走りが楽しい。
当たり前の気持ちよくなる言葉を重ねる。
これを繰り返しでた結果に満足していては本当の意味で成功したかといえばそうではないと思います。
当たり前の時は、当たり前のように結果が出てそれが評価され、それが長く続くこともあれば、短く追わてしまうこともあるとおもいます。

大切なのは周りの評価ではなく、自分自身の挑戦する気持ちを持ち続けること、持たせてあげられることですね。

多くの陸上を通じた仲間たちへ、そして挑戦を続ける仲間たちへ

Take it easy.
You are not alone.
We can connect all the time.

Enjoy your run all the time!!

I want to meet and run with you after be stronger now.