今回の旅の目的に、漁師さんに
インタビューさせていただきたい
という思いがありました。
今回、砂原商工会々長・岩井光男
さんをご紹介いただき、その岩井さ
んのお仲間がまたお仲間へと、
つないでくださり、川汲浜の
Yさんをご紹介いただきました。
南茅部を訪れて、 この日が最初の、
漁師さんとの出会いでした。
九時前に、お宅に到着。
名刺交換のあと、名刺代わりに
持参した拙著。
昆布のページをお見せしたら

左から2本目の昆布を指差し、
「これ、うちの昆布。
間違いない」

一瞬、頭のヒューズが飛びました。
自分の使っている昆布を採取し
製造した漁師さんと出会えた!!!
うれしいやら驚くやら。
しかも、震災の年、
2011年の撮影時
本の料理は、Yさんの昆布で
だしを取り、調理したものです。
頂戴したお名刺の肩書は
前南茅部漁業組合理事。
重労働の昆布漁で鍛えた精悍な
厚みのある体格、鋭い目。
東京ではみられない「活き」の
よさが漂う方でした。
そんなYさんへのインタビューは、
Yさんの弾丸トーク。、
インタビューではなくYさんご自身の
経験からくる「揺るぎない」お話でした。
お店や本などでは得られない
貴重なお話を聞かせて頂きました。
お父様は、満1年の養成期間で
成葉できる「「促成養殖」を考案
された方とのこと。
たまたま持っている本で、その
「促成養殖法」を読んだような記
憶があり、帰京してからその本を
探したら、記載されていました。
現在、昆布養殖の主流になって
いるそうです。
さて、ご自宅から浜側にある干場に
移動しました。
早朝(深夜)に採取した養殖昆布。
現地に着いて初めて見る昆布。
これは天然ではありませんが、
「こうして干されて、製品になって
いき、家のお鍋でだしをとり・・・・」
と、感慨深いものがありました。

採取してすぐに洗って、
根元をハサミ(洗濯バサミのような)
でつまみ天井から下げて水分を切
り、温風で乾燥中です。
(小石の上に干す天日干し乾燥は、
天候に左右され手間がかかるので、
いまやその風景は、今や殆ど見ら
れなくなっているそうです。
わたしが訪れた期間5泊6日も、
晴天の日は1日もなく、晴れた
かと思うと雨が降ったり止んだり。
昆布には雨は大敵。
雨は降る前に取り込まねば
ならず、もしも夫婦だけの場合、
大変な手間になります。
表、裏、両面返して干さねばな
りませんし。
そうそう、干場の戸を開けると、
温風の生温かい風と共に昆布
の香りがモワッと飛び出してきます。
この香りは初めてではありません。
いつもかいでいる香り。
昆布のだしがらを炊くとき
の香りとよく似ています。
Yさんは、温風の温度にもこだわって
おられました。
この日の午後から、鹿部~川汲
~尾札部を、1人で歩き始め
ましたが、たしかに温風の温度には
各戸違いがありました。
Yさんの温風の温度、時間をスタンダード
として歩きましたが
乾燥時間も8時間~10時間と
幅があり、8時間の場合は高めの温度
で仕上げているようでした。
生意気なようですが
この最初の工程の「温風温度」は、
最終的な製品になったとき、もともと昆布の
持っている持ち味ー香りや旨味成分には、
どう影響してくるのだろう、と考えたり
しました。

温風乾燥し終えた養殖昆布
このあと、蒸らし、柔らかくなったら
シワを伸ばし、頭、耳(端)を切り、
畳んでいく

裁断中の奥様です。
やさしい笑顔の上品な方でした。

いま使っている天然真昆布は、
川汲浜産と尾札部浜産。
川汲浜産天然真昆布は
大阪の「こんぶ土居さん」で
尾札部産は築地で購入。
日本料理教室、だしとり教室を
主宰していているのだから、
基本のだし素材ー昆布、かつお節、
いりこのだし素材の産地は訪れる
べき、と思っていました。
いりこの産地香川県の息吹島には
2009年に訪れました。
次は昆布漁をと意気込んでおりま
したが大の飛行機嫌い、
しかし、わたしにはもう時間がない、
四の五の言ってる場合じゃない。
やっとこさ実現したのです。
この日の出会いも
忘れられない
かけがえのないものになりました。