.
家から築地へは、所要時間約45分。
小田急線~千代田線~日比谷線に乗り替えて、
日比谷からは
①銀座・②東銀座・③築地、3駅目が築地です。
いつも乗るのは一番後ろの車両、
ドア前に立ちます。
降りたら目の前が築地の改札ですから。
で、9月末、
その日比谷線に乗り、何気なく目を落としたら、
やはり同じドア前に立つ人の靴が
目に飛び込んできました。
とびきり可愛いモカシンです。
可愛い!痛くなさそう!似合いそう!
足が外反母趾なので、靴には異常に反応します。
外反母趾の靴に、”素敵”とか”可愛い”は存在しません。
「お店はどこだろう、いまも売ってるのかしら・・・?」
.
電車は銀座を出ました。
すぐに東銀座、次が築地です。
2駅までになんとかしなければ・・・・。
モカシンの女性は、
長身の、クールで上品な方。
コットンの白いシャツブラウス、
裾をワンロールしたジーンズがお似合い。
.
電車が東銀座をスタート。
時間は1分余りしかありません。
おおおっ・・・今、聞かなくちゃ!
「あのぅ、突然すみません。
ちょっとお伺いしますが、その可愛い靴、
どこでお求めになりました?」
.
なんと、その方は、手づくりの靴屋さん。
工房が築地にあり、靴の教室も主宰されてる方。
穿いてらした靴は、お友達(元生徒さん)の作品で、
穿き心地を確かめるため、頼まれて試穿中とのこと。
.
「わたし、これから築地に行くんですけど、
じゃ、帰りに寄らせてください」
「あ、どうぞ。これをつくった人も午後来ます」
じゃ、と、
買い物を済ませ、即、工房をたずねました。
.
工房は、
猫がワクワクしそうな、入り組んだ古い長屋の一角。
昭和30年代の風情が漂います。
元仕出屋さんだったという建物。
網戸をカラカラカラと開けると、
セメント敷きのうなぎの寝床のスペースに
業務用ミシンが4~5台並び、皮と糸、見本の靴が数足。
甘さのかけらもない職人の職場です。
ここで女性がミシンを踏み、物作りをしているなんて
かっこいいなぁ。
.
モカシンの作者・手塚怜子さんにもお会いしました。
靴につかう皮は、野球のグローブにつかう皮。
手になじむ皮ですから、
足にもなじむはず。
安心して、オーダーしました。
.
手塚さんは、
「電車の中でのこと、
さっき電話で聞いてびっくりしました。
こんなことってあるんですね。
うれしいです。
わたし、今度この仕事で独立するんですけど
引頭さんは、はじめてのお客さんです。
一生忘れません」。
.
手塚さんのHP
to-ri
手塚怜子tezuka reiko
