先日、友人に「もうブログの投稿はやめたの?」

ときかれました。

ずっと続けてます。

 

ただ、カメラではなく、スマホで撮っています。

スマホでインスタグラムに投稿した写真と文章を

FACEBOOKに連携して投稿しています。

よろしければ、FACEBOOKのページを開け、

左上にあるわたしの名前、引頭佐知をクリックして

くださいませ。

教室風景などをご覧いただけます。

どうぞ、よろしくおねがいいたします。

 

2019年11月23日 引頭佐知

<だしを取って料理する教室>

今回は、2005年10月、

仙台市泉区でのエピソードです。

 

この日の講習は、午前午後2部制の教室で

出席者は、午前中は20~30代のシングルの方や

おかあさん。

午後は60代の方とのことでした。

というわけで講習内容は、

おだしは、前日、駅前の朝市で求めた

羅臼昆布とかつお節で「1番だし」をとり、

・吸い物は、「焼き麩と三つ葉」

・煮物は、家庭料理の定番のおかず

「おからの煮物」に。

若い方のために揚げ物もつくるかな、と

「豚肉の梅しそ巻きフライ」の3品。

 

さて、そろそろはじめましょう!

と声を掛けたとき、

バタバタ、バタッと恰幅の良い元気な方が、

丸々とした赤ちゃんを抱っこして入ってこられ、

「センセー、ごぶさたしてます!」

赤ちゃんを私の方にグイっと揺らして

「センセー、おかげさまでできましたー!」

失礼ながら、どなたかわからない。

ポカンとしていると、

 

「2年前ゴールデン・ウイークの

中山区の教室でお会いしたコクタですよ、

あのときセンセイに「子供がほしい」と言ったら

それより顔色が悪すぎる、

どんな食事してるの?

まずは体調を整えたら?って心配してくださって

だしを取れば健康になるし、

子供のことはそれからでしょって言って

くださったじゃないですか。

あの翌日、

先生の指定された駅前の「朝市」のお店で

昆布とかつお節を買って、

センセイの本も買って

ほんとに翌日から毎日毎日、

だしでごはんつくったんですよ。

ほんとに毎日。

そしたら、私、どんどん体調がよくなって

念願の子供ができたんです!!!」

 

興奮して機関銃のように話すコクタさん。

わたしは記憶のフイルムを加速度を

つけて巻き戻し、

まじまじと見つめたら、ちょっぴり面影が

ありました。

痩せて朝黒い顔だったコクタさん。

いまは顔に赤みがさし、身体も一回り

大きくなり、どこからみてもドシッと安定

感のある頼もしいおかあさん。。

 わからないはずです。

「いやー、ほんとだ、コクタさんだわ、

2年前とは、別人だわー、

健康的でわからなかったーー。

劇団員だったわよね」

「あのころ、ほんと体調悪くてフラフラでした。

コンビニ弁当とかロクなもの食べてなくて・・・。

で、あの中山のときのだしとかお料理が

おいしくて、だしをとる食生活に目覚めたんです。

劇団もやめて、子育て中心の普通の生活してます。

 

離乳食もだしをベースにすればかんたんって

言われてたんで、この子もだしで育ててます。

みてください、すごいでしょ!元気そのもの、

何の問題もなく病気知らずです。

 

今回、センセーの教室があるって、

佐藤俊樹さん(アド・ジャスト=イベント

企画制作会社代表)から聞いて、

ただ、もう、この元気な子を見せたくて、

今日は来ました」。

 

思いがけない再会。

そして、うれしい報告

午前の部から舞い上がってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

<だしを取って料理をする教室アーカイブNO.3>

 

出張教室では毎回、

だしを取る前に昆布と削りかつおを

見たり触ったり、味見をしていただきます。

・昆布は親指大に切ったもの。

・削りかつおは、山盛り容器に入れて。

その側には、今日「一番だし」をとる、

はさみを入れていない天然の昆布

(当時は羅臼昆布)と

袋入りの削りかつおも

並べておきます。

.

午後の部にご参加いただいたのは、

60代の約10人の女性のみなさん。

ご挨拶のあと、

1人の女性が、調理台のだし素材を指さし、

「あら~~~?本物の昆布とかつお!!!」。

「そうです」

 

「始まる前に申し訳ありません。

今日は「だしを取る教室」、というので参加しましたけど、

本物の、この昆布なんかで取るんですか?

私は、ずっとここの教室に通っていますが、

今までの先生は、。おだしとスープは、

いつもインスタントです」

「天然の昆布と削りかつおで、だし取りします」

「めんつゆはつかいますか?」

「つかいません(笑)」

 

「わっ、すみません!!

主人、携帯で呼んでいいでしょうか?

ずっと、だしを取るのを見たがってまして、

今日、もしかして、だしを本当に取るんだったら

自分も行きたいって、

さっき言ってたもんですから」

「どうぞ、どうぞ(笑)」

 

建物の外から話し声が聴こえます。

「おとうさん、だし取りしますって!

昆布とかつおよ。

どうぞって!

来るでしょ?

来るよね! 」

それを聞いた方々、

それじゃ、うちも、うちも、と携帯をかけ、

結局、3人のご主人が飛び入り。

(お昼の小学生といい、

なんだか飛び入りの多い日です)

.

前述のご主人が自転車で息急き切って

来られました。

60代後半とお見受けしました。

 「だしの取り方、こんな家の近くで見れるなんて。

思いもしませんでした。夢のようです」

「そんなにご覧になりたかったんですか」

「ええ、ま、あのぅ、

・・・・・・・・・・・・・・

みなさんの前でこんなことお話するのは、

女房には酷ですけど、話させてください。

また、このことを話しても女房は怒ったり

する人じゃないので、大丈夫です。

わたしは神戸で生まれまして、

子供のころ、

母は毎日、昆布とかつおのだしを取って

料理してくれてました。

歳でしょうか、歳なんでしょうね。

最近、その母の味を恋しく思うようになりました。

ああ、いまの季節はあれがおいしかった、

これがおいしかったって。

とくに懐かしいのが、

子供のころ飲んだ、

すまし汁や味噌汁や煮物なんです。

これ、だしが必要ですよね。

もう、母はいませんし、

味の記憶をたどって、

自分でだしを取って母の味を再現してみたいと思っても、

まずは、だしの取り方がわかりません。

身近にある料理の本を見ても詳しく書いたのもないし、

第一、字で説明されても、

男の私には加減がわからないですよ。

 

テレビでは1回見ました。

でもテレビは、私のように、料理のことが

全くわからない者の都合なんか考えてません。

手慣れたやり方で、一方的にしゃべって、

さっさと進めるので、なんにもわからなくて・・・・・」。

で、

なぜこんなに、だしに固執するかというと、

わたしは長い間、妻と子供達を仙台に残したまま

単身赴任で全国を廻ってました。

会社の寮の食事や、外食の味気ない食事にずっと

我慢をしてきたんです。

わたしの楽しみは、ただひとつ。

退社したら落ち着いて妻の家庭料理を楽しみたい、

というものでした。

しかし、いざ退職し、妻の食事に箸をつけたとき、

違和感を感じました。

あのおいしかった新婚時代の味ではなかったんです。

私の舌がおかしいのか、疑ったりもしましたが

数日経って、思い切って妻に尋ねました。

 

「汁物も、煮物もなにもかも同じへんな味が

するけど、どうしてなんだ?」

そうしたら

「お父さんがいない間、便利なものができてね、

『めんつゆ』ってものでなんでもつくれるの」

その『めんつゆ』をなめてみて驚きました。

わたしの舌は受け付けませんでした。

「こんなもの使わないで、昔のように

だしでごはんをつくって欲しい、と言いましたら

『有名なお料理の先生が、NHKの番組で

これがおいしいって言ってるから、おいしいの』

と、譲りません。

残り少ない人生です。

年をとってなにが楽しみって、食事でしょう?

ならば、わたしがだしをとろう、

料理もつくってみようか、

となった次第です。

 

みなさんは、そのご主人の話に耳を傾け、

同感とばかりに、うんうん、と、うなずいていました。

 

こんな風に話し合える、フリーな形の教室こそ、

わたしが好きなパターン。

「わかりました。

今日は、だしとお吸物、おからの煮物に集中しましょう」

 

いつものように、昆布と削りかつおを味見していただきます。

 

「この昆布は羅臼昆布です。

昆布はどんな味でしたか?」

「ちょっと、しょっぱいけど甘くておいしいです」

「羅臼は、コクがあって旨味が強いんです。

削りかつおは、いかがですか?」

(昆布は羅臼漁業組合から取り寄せた羅臼昆布。

削りかつおは築地の鰹節店の、花かつお)

「かつおは、お歳暮でいただく、

小さなパック入りとは味が全然ちがいます」

「風味というか、香りがちがうはずです」

 

「では、その昆布と削りかつおでだしを取ります。

10分間で取ります。

10分間で沸騰するように火を調節して取ります。

他のことなんにもしないでお鍋の中を見ててください。

10分もお鍋の中見てるっていうの、

退屈かもしれませんけど、

こんな経験は、きっと一度しかないと思いますので、

見ててください。

こんなに堅い乾物の昆布が、

たった10分の間に色も形も変化して、

「だし」になっていくの、

見るの面白いですから」

 

分刻みで鍋の中で生き物のように、

つややかに大きく戻っていく昆布。

みなさん、小学生の顔で観察しています。

 

ボウルから、もわもわ湯気の立った、

取り立ての一番だし。

昆布と削りかつおの旨みの香りがただよいます。

「これは旨味の香りですよ。

旨みの成分ですが、

昆布はグルタミン酸、

削りかつおはイノシン酸といいます。

旨み成分は、もっといろいろ含まれてますが、

グルタミン酸、イノシン酸

これは覚えておきましょう。

この2つの旨みは、1足す1ではなく、

この2つの旨みがあわさると「相乗効果」で

おいしさが7~8倍にもなるのです。

また、

水につける(水だし)のとき、

火にかけたとき、

温度によっても、旨みの出方がちがいます。

あとで、飲んでみましょうね」。

 

ボウルに顔を寄せ、

手で香りをかき寄せながら

みなさん、目をつむり、鼻くんくん。

「いい香り~~!」

たとえ、だしとの出会いが初めてであっても、

喜んでくださいます。

 

さて、その取り立てのだしを試飲します。

①何も加えず、お椀に1/3位飲んでいただきます。

昆布と削りかつおの持つ、滋味な味と香り、

かすかな自然の塩分を確認します。

.

②次は、塩と薄口しょうゆを入れて試飲。

だしの味の輪郭がくっきりしてきます。

「なにも入れなくても、これだけでも、充分」

そんな感動が味わえます。

 

③最後に、とろろ昆布と三つ葉、

吸い口に柚子のお吸物に仕立てます。

家庭的な、なんでもないお吸物。

わたしの育った西の方ではポピュラーなお椀です。

だしと、塩と薄口しょうゆ、たねとつま、吸い口

このハーモニーがお椀の味なのです。

(三つ葉は、香り野菜なので、吸い口を兼ねた便利な野菜です。

むつかしくかんがえず、三つ葉、焼き麩だけでもどうぞ

.

前述のご主人は、

よそったばかりのお椀を両手でつつみ、

口元に寄せ、目をつむり、湯気が運ぶ香りを味わい、

少しずつ少しずつ飲み進まれました。

飲み干されたとき、

 

「あーー、なんておいしいんだろう。

のどを、すぅーーっと通って、

すぅーーっと胃に降りていくね・・・・・」

そして、あらためて

慈しむように、お椀を大きな両手でつつみ、

お椀をみつめて

 

「このお吸物、

わたしの命、洗ってくれました・・・・・・・」。

 

おからの煮物をよろこんでいただけたことは、

言うまでもありません。

 

天然のだしを待っていた方がいた、

また、ひとつ、こつんと手応えを感じたのでした。

 

(2005年のだしをとって料理する教室より)

 

だしをとって料理する教室

アーカイブNO,2

「だしが必要とされている!」


バブルの頃から長く続いた、手抜きで

つくれるカンタン料理ブーム。

「このままだと日本の家庭料理が伝わらなくなる」、

「基本の家庭料理を丁寧に伝える」というコンセプトで

「料理上手になる!」(NHK出版)という本を

2003年刊行。

 

その折、仙台本社の河北新報さんが

教室を取材してくださり、広告代理店

ライト・エージェンシー仙台支社さんから

仙台で「料理教室をしませんか」と

お声がけいただきました。

東北は仙台~松島へ、1人旅をしただけの

未知の地方。ぜひぜひ、とお受けしましたが

ひとつ条件があり、教室のタイトルは

「だしをとって料理する」と、

させていただきました。

 

昆布と削りかつおでとる「一番だし」。

天然の昆布の旨みは、グルタミン酸、

削りかつおは、イノシン酸

この2つの旨みが合わさったとき、

旨味の相乗効果で旨味が7~8倍になり

満足感の高い「だし」がとれるのです。

いつものお料理が7~8倍おいしくなれば、

家族の反応もちがいます。

こんなにおいしくなるのなら、と

料理に興味がわき、

暮らしのなかに食の比重が高くなり

暮らし方や身体にヘルシーな

変化がおとずれます。

 

<薄味になり減塩効果が得られる>

だしとり教室で、だしを飲まれた方は、

「おだしだけで、満足。

なにもいらないですね」と

感想を述べられますが、

実際、調理するとき、

余分の調味料を使いたくなくなります。

新鮮な青菜のおひたしなど、

ちょっぴり、お醤油を加える程度で

充分満足できます。

結果、

青菜の味、香り、色もたのしめます。

 

和食ならではの、食べることだけではない

諸々の広がり。

だしで、感じるようになります。

 

.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わたしは、どんな教室にうかがっても、

強制されない限り、

いわゆる高い壇には登らず、

生徒さんと同じフロアに立ち、調理をします。

高いところに上がったのでは、わたしからの

一方通行ですし、生徒さんの貴重な声が

耳に入りませんから。

 

心に残る、教室エピソードNO.1

2005年、仙台から10数分の、

東北本線岩沼での教室でのこと。

生徒さんは、12~3人くらいの中高年女性と、

50歳前後のサラリーマン風の男性お1人。

女性のみなさんは、

毎月、そこの教室が主催している料理教室に

参加している方達で、リーダー格の方によると

「だしを取って料理する」

というのが初めてなので

申し込まれたとのことでした。

.

献立は、

きゅうりの生姜酢、

若竹煮

筍の炊き込みごはん、

筍の絹皮の吸物。

*絹皮ーー筍の上部のやわらかい部分。

.

だし取りをしているときは、みなさん静かでしたが、

調理がはじまると、

女性のみなさん、

わたしの調味料の量にご不満で、

調味料を加えるたびに、

「あらら、そんなもん?」

「あらららら、そんなちょっとの醤油?」

「あーー、だめだーー、とうさんも息子も箸つけね」

「あーー、これじゃ食わね、な」

「センセイ、醤油足りねんでねが。

薄ぐてだめだ。醤油さドバっと入れろ」

もう、文句タラタラ。

筍ごはんに蓋をして炊き始めたとき、

「こら、うまぐね」と、

1人の女性は、呆れ顔で退室されました。

.

さて、配膳後ちょっぴり座が白け、

「いただきます」の声は頼りなげ。

さて、いざ、食べはじめたら、

「・・・・・・うめィ、な」

「うん、なんでこんなに色が薄いのにうめィんだ」

「だしでうめィんだな」と。

全員の方からおいしい、と言っていただけました。

食べ終るころは、

「センセイ、今度いつ来る?

次は、漬物もって来っから」と、和気あいあい。

「また食べたい」と喜んでいただけました。

.

終了後、前述の男性が残ってらして、

「今日は本当にありがとうございました」と

改めて挨拶をされ、

「いえいえ、お疲れさまでした」と

顔を合わせたら、

その方の眼に涙が浮かんでいます。

 

「ちょっとお礼を言いたくて、残りました。

わたしは、今50を過ぎたばかりの00と申します。

若くして妻を亡くし、寂しさを紛らわすために、

乱暴な食生活をしまして、わたしの身体は、

40過ぎから高血圧をはじめ、いろんな成人病の

デパートなんです。

外食は、塩分が多いので、

いい加減な料理ですが、なるべく自炊してます。

医者からは、「塩を減らせ、醤油を減らせ」と

いつも言われています。

でも、塩と醤油を減らしたら、ちっともうまくなくて、

食事の楽しみがまったくありません。

仕事もありますし、

料理のことだけを考えているわけにもいかず、

何かかいい方法はないか、

何かあるんじゃないか、

とさがし続けていました。

 

検診のたびに、医者は

「もっと塩と醤油を減らせ」

としか言ってくれません。

先日は、

「まだ減らしてないじゃないか、

このままいくと死ぬぞ、死んでも知らないぞ」

と言われました・・・・・・。

なにか、糸口はないものか、

どんなことでもやるからと、

必至になって医者に相談しても、

同じことしか言ってくれません。

「塩と醤油を減らせ」

こればっかりです。

病院の栄養士もそうでした。

 

ほんとうに、もう、精神的にも行き詰まってしまって、

情けないことを言うようですが、

最近は家に帰っても1人ぼっちという実感が強くなり、

さびしくて、不安で、

もう、毎日に希望がもてなくなってました。

.

そんなとき、センセイの広告をみつけたんです。

タイトルの<だしを取って料理をする>。

だしは、インスタントのを使ってますが、

昆布とかつおで取る<だし>なんて

考えたこともなかったんです。

タイトルをじーーっと見ながら、

そういえば、

料理には「だし」を使うものだったな、

おふくろが煮干しで取ってたな、と思い出し、

教室に出席すれば、

なにか、ヒントがもらえるかもしれないと、

今日は参加しました。

.

あんなに少しの醤油で炊いた筍ごはん、

初めて食べました。

筍の煮物も、吸物もぜんぜん物足りなくなかったです。

ほんとにおいしかったです。

インスタントのだしとは全然ちがってました。

食べながら、ほんとに嬉しくなりました。

答えがみつかりました。

ありがとうございました」

顔をくしゃくしゃにして、涙が落ちそうな眼で、

にっこり笑って退室されました。

.

見送るわたしも、

後姿のその方の青いストライプのシャツが

よろけて太く見えました。

そしてそのとき、

だしは、ほんとうに必要とされている、と

確信したのでした。

.

続きます。

 ー2008年6月22日のブログより=。

先日、今回のだしとり教室に参加の、

小2の男の子のお母さんから

メールをいただきました。

男の子のお母さんは、約20年前の生徒さん。

お菓子作りのアルバイトでお小遣いをためては

パリ コルドンブルーへの短期留学を

重ねるというエネルギッシュな女性でした。

飛行機のなかでフランス人の方と出会い結婚。

お子さんのYくんは小学校2年生です。

 

さていただいたメールです。

(略)

あの日、(Yちゃんは)食事中きちんと着席

していました。

食べることに集中していました。

恥ずかしながら、家や実家では食卓の周囲を

ふらふらと歩くのです。

おだしをつかった本当においしいもの、

一生懸命自分たちで作った料理、

みんなでいただく楽しさもあったでしょう。

貴重な体験、本当にありがとうございました。

 

いま、いただいた煮干しをつまみながら

Yと2人でパリへの引っ越しの荷造りを

しています。

パリには和食の食材店があるので

おだしの生活がんばります。

 

食事中、歩き回るお子さんのこと、

メールをいただいてから思い出しました。

出張だし取り教室で京王線S駅のシェアハウスに

お邪魔したときのこと。

そこは大型シェアハウスで、入居の方は

単身~フアミリー、年齢もさまざま。

 

当日、参加されたのは大人は、3~40人

子どもたちは7~8人ぐらいだったかと思います

建物は横長で、だし取り教室スタート時

子どもたちは奥の遊具で遊んでいました。

「こどもたちに見せたいな」と思いつつ

だしをとり始めると、出汁の香りに、

全員遊びをやめ、走ってやってきて

最前列の3~4台のカセットコンロの前に

一列に並びました。

試飲のたびに

おいしい!とワイワイ。

 

取り立てのだしで料理をつくり、配膳し、

ごはんよ!と呼びかけると

子どもたちは、子どもたちだけで

テーブルを囲み、早く食べたくて速やかに着席。

 

ごちそうさまのころ、

30代のおかあさんが顔半分にハンデイタオルをあてて

近寄ってこられ、涙声で

「いや、もう、びっくりしてます。

おだしってすばらしいですね。

うちの子が、あんなに長い間座って、

食事してるの初めて見ました。

いつも食卓の周りをぶらぶらしたり、

走ったり、遊んだりしながら食べてるんです。

どうしたら着席して落ち着いて食べてくれるのか、

悩んでたんです。

だけど、

走り回る原因は、

つくり手のわたしの方にあったんですね。

うれしいわ!!おだしとります!!!」

と喜んでおられました。

 

昆布、鰹節、いりこ、干し椎茸・・・

昆布を中心に天然のだし素材を組み合わせて

だしとりをすれば、

昆布のグルタミン酸、鰹節やいりこのイノシン酸、

干し椎茸のグアルニン酸など

それぞれ出し素材のもつ旨味成分や栄養が合わさることで

いつもの料理のおいしさが7~8倍に増します!

つまり

ひとくちひとくちの満足感がとても高いのです。

また、鰹節は消化酵素を含んでおり、

食欲を刺激してくれることも覚えておきましょう。

このことも、落ち着きの要因かと

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 だしとり教室です。

鰹節のサイズ、子どもたちには

小さい方が良いと思われるかもですが、

大きい方をある程度削って(面をつくって)

劑りやすくしておけば、大丈夫ですし

手を切ることもなく安全です。

 こどもたち4人で劑りました。

 つまみぐい

 ワカメは、正しくもどすと7~8倍に。

もどしたワカメは、3cm角位に切ります。

同じサイズに切ると、たべやすいんですよ。

 お料理好きの仲良し姉妹。

炊き込みごはんに、だしと調味料を

加えています。

今日のおだしは、いりこだし

黒いのは、だしがらの昆布。

今日のいりこは、6月中旬からはじまった

伊吹島新漁のとれたて。

だしがらいりこ、だしをとったあとでも

まだまだおいしくて、

料理しながら、つまみぐい。

 デザートは、

白玉粉をまるめてお団子つくり。

大人もそうですが、

子どもたちもお団子づくり大好きです。

 「いくつ作るの?」

「人数8人だから、8の倍数でつくるのよ」と

中1のはなさん。

 蜜は、今朝つくっておきました。

洗双糖に黒糖のかけらをちょっぴり

混ぜて煮溶かした蜜です。

 できた~~~♫

 「いただきます!の前に、記念写真とりまーす。

みんなでつくったお料理と一緒にね」と

今回お申し込みの美和子さん。

「おいしかった、また来たい」

「ここ、また来たい」とこどもたち。

またどうぞ!!!

小2の2人の男の子たちは、フイリピンでの

小学校の同級生。

なんと誕生日も同じという仲良し。

まるで双子のように息の合う2人でした。

 

そうそう、特筆すべきことがありました。。

子どもたちは、味にも香りにも、とっても

知覚能力の高い子達でした。

昆布、かつおぶし、いりこを口に含んでは、

感想を言ってくれましたが、それが的確で

本当に驚きました。

とくに4種の昆布のうまみのちがいを

はっきりと・・・・。

舌には味を感じる「味蕾」という味の受容器が

ありますが、今回の子どもたちの「味蕾」が

ちゃんと機能していることを知り得たこと、

そんな意味でも、楽しい教室でした。

 

 <こどもの頃の食事をたいせつに>

年齢を重ねてきたから言えるのですが、

日本人は、こども時代に、だしをきかせた

和食で育つこと、その母の味のベースが

舌の記憶にあると、一生の健康が大きく

ちがってきます。

10代~30代、油脂分の多い食事で過ご

したとしても、

消化力の落ちる40歳位になると、

日本人は自然に和食が恋しくなり、

さっぱりした酢の物、野菜の煮物、

ひじきや切り干しの煮物、味噌汁等、

食べたい和食の料理が頭に浮かんできます。

しかし、

幼児から子供の頃、その舌の記憶がないと、

体はあっさりしたものを欲しているのに

料理がイメージできず、何をたべていいのか

わからず、かわらず外食などで高脂肪、塩分

過多の食事で済ませてしまう・・・。

その先は生活習慣病が待っています。

 

子供のころの食は、とっても大切です。