こんにちは。
昨日は、染色体とは何かということから、
染色体数の異常(異数性)ということについてお話をしました。
今日は、女性の年齢と染色体異常の関係について、
お話を進めていきたいと思います。
というのも、女性の年齢が上がるにつれて、
染色体の数の異常のある受精卵が増えていくことがわかっているのです。
それでも20代の女性であっても、およそ30%の胚盤胞には
染色体異常があると言われていますが、
35歳を超えるとその割合はさらに高まります。
アメリカで調査されたデータによると、
染色体数に異常の出る胚盤胞の割合は以下のようになります。
・35歳:43%
・37歳:52%
・39歳:62%
・41歳:75%
・43歳:83%
20代で30%程度であったものが、ご覧の通り35歳を超えると、
さらに急激に染色体数に影響が出てくることがおわかりになるかと思います。
これまでお話をしてきた通り、胚盤胞の染色体が異常となると、
着床率が低がり、流産の確率が上がってしまうようになります。
まだ胎児として母親のお腹の中にいるときに、
卵子の元となる原始卵胞はピークを迎えています。
詳しくは、以前のこちらの投稿よりお読みいただけます。
「卵子と原始卵胞。そして高齢姙娠。」
そして、第一減数分裂の途中で停止していて、
減数分裂が再開されるのは排卵の直前となります。
そのため年齢が上がるにつれて、分裂が止まっていた期間が長くなります。
分裂が再度始まることがうまくいかなくなったり、
タンパク質の働きが悪くなり、染色体の分配が不均等になったりしてしまう
ということが起こります。
さらに、以前ミトコンドリアの働きの説明をしたように、
ミトコンドリア自身も老化していきます。
「卵子の老化とミトコンドリア」
そのために、エネルギーの生産に影響が出てしまうことも
減数分裂を正常にできなくなる原因のひとつと考えられています。
こうした卵母細胞やミトコンドリアの老化が、
染色体の異常に影響をしているということがわかってきています。
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