【バンコク岩佐淳士】東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が4日に発表する議長声明で、ミャンマー議会補欠選を「自由で公正」に行われたと評価し、米欧に対ミャンマー経済制裁の解除・緩和を求める方針であることが、毎日新聞が入手した声明案で分かった。テインセイン政権の民主・開放政策を後押しすることで、地域で孤立し中国と結びつきを強めてきたミャンマーをASEANに取り込む狙いがあるとみられる。
ASEAN首脳会議は3日、カンボジアのプノンペンで開幕。4日に議長声明を発表し、閉幕する。声明案によると、1日に行われたミャンマー議会補欠選挙について「国民の意思を反映した選挙結果を歓迎する」とし、「自由で公正な選挙が行われたことは民主化の大きな一歩だ」と評価。「国際社会に対しミャンマーの進展を前向きに評価するよう求める」と米欧に経済制裁の解除や緩和を要求していく方針を示している。
旧軍事政権が続けた民主化運動弾圧を批判する米欧の経済制裁でミャンマー経済は極めて厳しく、経済成長を続けるASEAN内で孤立してきた。ASEANは以前から「制裁はミャンマーの孤立化を進めるだけ」と経済制裁には懐疑的で、国際社会に背を向けて中国と緊密化するミャンマーの動きに警戒感も広がっていた。
ミャンマーは天然ガスやレアメタル(希少金属)に恵まれ、人件費も安く「アジア最後の未開発市場」と呼ばれる。タイやシンガポール、マレーシアなど東南アジア各国はミャンマー投資にも積極的で、ASEAN各国はミャンマーの「開国」を後押しすることで地域発展や自国の利益につなげたい思惑もあるとみられる。
声明案ではほかに、一部加盟国が中国と領有権を争う南シナ海問題や北朝鮮問題にも言及。ASEANが問題解決のルール強化のため策定作業中の「南シナ海行動規範」について「策定議論に参加する中国の姿勢を歓迎し、中国と共に作業を進めていく」と記し、中国への配慮をにじませている。長距離弾道ミサイル発射とみられる「衛星」打ち上げ準備を進める北朝鮮に対しては自制を促すとともに、6カ国協議の早期再開を求めている。