【エルサレム花岡洋二】エジプトを暫定統治中の軍最高評議会のタンタウィ議長は24日、テレビ演説し、ムバラク前政権時代から続く非常事態令を25日に、約30年ぶりに解除すると発表した。昨年2月に前政権が倒れた後も、軍は非常事態令の適用を継続していた。暴徒の取り締まりなどは例外としている。
ムバラク前政権の独裁体制を引きずるものとして早期撤廃要求が強まっていた経緯があり、タンタウィ議長は、ムバラク政権崩壊につながった反体制デモが起きてから丸1年に当たる25日に合わせて解除を決めた。
軍に対する民主化要求デモなどが縮小するなど、国内情勢が安定したと判断したのも要因とみられる。
非常事態令はムバラク前大統領が81年、大統領に就任した直後に発令した。令状なしでの市民の拘束が可能で、言論の自由を制限する道具として使われてきた。暫定統治中の軍最高評議会はイスラエル大使館襲撃事件などを受け、非常事態令の適用強化を打ち出し、「民主化の流れに逆行している」という批判にさらされていた。