子供の頃、
自宅から少し離れた所に、

元電気屋さんの
空き家がありました。

長らく空き家だったので、
廃屋になっていて、
外から中が覗けました。


ある日、
近所の遊び仲間で、
その廃屋に探検に
行く事になりました。

総勢7人の
ちびっこ探検隊。


埃臭い店内に
侵入した探検隊たちは、

室内にも関わらず、
あちこちに生えた雑草や、
様々な物が散らかった店内を横目に、

無言のまま一斉に、
各々の『宝物』探しを
始めました。


どれくらいの時間が過ぎたのか。

皆が店内探検を終えてから、
そこで見つけた『宝』の
自慢大会が始まりました。


今となっては
一体どんな『宝』の数々だったのか、
記憶にありません。

しかし、自慢が一番最後になった
姉が差し出した『宝』は、
今だに忘れられません…。

その手に握っていたのは、

ピンクの色が生々しい
入れ歯。

おぉ~!!

それを見た瞬間、
皆が
羨望の眼差しで
入れ歯を見つめ、

同時に
(あぁ、負けた…)
とがっくりきました。

入れ歯があんなにも眩しく、
また、入れ歯をあんなにも欲しい!
と思ったのは、
あの時以来ありません…。