この画像は北海道で観測されたオーロラです。太陽は、11年周期で活動が盛んになったり低調になったりします。これをソーラーサイクルと呼んでいます。2025には活動が最盛期を迎えます。
5月8日から7回も太陽フレアーという最大級の爆発が起こりました。このようなことは観測されたことがありません。よほど活発になっているのでしょう。
これを見るといかに盛んに地球に影響しているかが分かります。太陽表面で爆発が起こると陽子が地球にまで届きます。すると地磁気が擾乱して電離層にまで影響を与えます。そうなるとスポラディックE層という電離層が生まれて、超短波帯の電波まで反射することがあります。FM局は通常は見通し距離しか届いてなかったのが、名古屋だと九州や北海道のFM局が聞こえることがあります。
このほか、GPSの位置情報に狂いが出たり、あまりに強力なフレアーが起こると野外で活動するのを控えなければならないこともあります。今のところ、そのような状況は生まれていません。
アマチュア無線ではスポラディックE層が出ると、50MHZ帯や144MHZ帯で沖縄や北海道、海外と交信できることもあります。
太陽は朝は東から出て、夕方には西に沈むという変わらない存在なのですが、細かく観測していけば、結構気まぐれな存在です。なんと言っても太陽は私たちの生命活動を左右する存在なのですから。松尾芭蕉が生きた元禄時代は文化が大いに栄えた時代ですが、マウンダーミニマムという小氷河期が到来し、「野ざらし紀行」では東海道に骸骨が野ざらしになっていると記しています。来年のソーラースポットに向けて太陽を注視していく必要がありそうです。