地蔵坂を越えていくと一気に視界が広がって一面はお花畑です。ホトケノザがてんこ盛りに咲いています。
イヌフグリも群落を作り始めました。誰が名付けたのか、イヌフグリ。犬の糞繰り(陰嚢)のことのようで、二対の雌しべがそれに当たるそうです。薄青色の花びらにつつまれて様々な濃淡の青さは本当に美しいです。もう少しいい名前をつけてほしいものです。学名はVeronica persica
ですが、東アジアに広く分布する花です。花言葉は、「信頼」「誠実」で花を見ると本当にふさわしい言葉です。
ホトケノザを詠った俳句は多くあります。作者は忘れましたが、
かたまつて 野火まぬがれし 仏の座
ホトケノザは1枚目の画像のように群落を作ります。春には野焼きをします。野原の草木を焼けばいい肥料になります。その野焼きの火をホトケノザは免れて咲いている。野焼きのツンと鼻につく香りも漂ってくる一句です。ちなみに雑草という草はありません。一つひとつに名前があります。NHKの朝ドラで牧野富太郎の台詞です。
最近は耕作放置が目立つようになりました。まして野焼きなどしません。それでも田畑だけは残したいのか作物は作らなくても草刈りだけはする畑もあります。そんな所では春の野草がいっぱい群落を作ります。もうてんこ盛りに咲き始めています。少し前の夏日とは打って変わって冷たい冬の風が吹いていますが、春はもうすぐですね。こんなに寒いのに薄紅色の花びらは春の日差しに光り輝くように咲いているのが不思議です。