早苗の植わった棚田に出たら | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 今朝は曇りだ。どんよりしてる。空が青いなら田んぼも青くなるのに。緑の早苗と五月晴れの空はいいなあ。

 

 あっ! 田金魚がいる。この季節しか姿を見せない。豊年エビとも言われミジンコの仲間。名前のようにいっぱい姿を見せると稲が豊作になるという。タマゴを産んで夏秋冬と超して、今年も現れた。こんな姿をしているのは40日ほど。後はタマゴを産んで1年を過ごす。

 

 体が緑なのは血液がクロロフィルというマグネシウムでできているから。緑の血が体中を巡っているって面白い。人の血液はヘモグロビンという鉄でできているから赤い。

 

 地球って惑星は意外に金属が豊富にある。一番多いのは鉄、その次にマグネシウム。あまりなじみはないけど、生命はそこにある金属をイオン化して栄養や酸素を体内に巡らしている。ちなみにクロロフィルは、光をエネルギーにして二酸化炭素を栄養にして酸素を出す。植物では光合成と言っている。それなら田金魚の体を巡っている血は光合成するのだろうか。植物の緑はあのマグネシウムという金属の色。

 

 地球に生まれた生命は、赤い血を巡らすヘモグロビンは動物に進化し、緑の血を巡らすクロロフィルは植物となった。生命は一番身近な材料を呼吸に利用したのだろう。ヘモグロビンとクロロフィルの化学式はマグネシウムと鉄の違いだけで、他はすべて同じ構造をしている。ならば、田金魚はいったい動物なのか、植物なのか。植物に起源を発する限りなく動物に近い生命なのだろう。あるいは植物の名残を持つ動物なのだろう。それは、タマゴが植物の種子のように夏秋冬を越すことからも分かる。

 

 アメンボがすいすい水面を渡っていく。その下ではオタマジャクシや田金魚が泳いでいる。早苗の植わった棚田は命で満ちている。