ご当地グルメ 寒くなると安乗河豚が美味しくなる! | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 三重県志摩市に安乗という漁港がある。ここは何と言ってもこの時期になると安乗河豚がねらい目。尾鷲のカツオやマグロもあるし、志摩半島には海女が採ったサザエやアワビは絶品。的矢牡蠣ははフランス料理にも出るし、伊勢エビは伊勢志摩サミットでも首脳達の食卓に上がった。海産物だけでも美し国みえだと言われるのはうなずける。

 

 漁港にはまるせいという河豚専門店があり、仲買人でもあるので産地直送どころか、港からそのまま水揚げされた河豚を食することができる。と言っても10月~3月までの期間限定。漁船からお店まではなんと100mも離れていない。

 

 メニューは3000円のコースがあるが、定番は5000円のコースで、これがお値打ちかも。これで二人前。

 

 最初に出されるのが鉄皮。河豚の皮。ぷりぷりとした食感がいい。これからどんなお料理が出てくるのかを予感させる一品。これは美味しいに違いないと思わせてくれる。

 

 次に出る鉄刺。ふぐ刺しとも言う。透明の薄い刺身はこの薬味が一番。柑橘系の酸っぱさとネギの辛さがどうしても必要。この薄さがベストの食感とお味をもたらす。

 

 鉄皮も鉄刺も生なので、ここで初めて唐揚げが出てくる。魚は火を通すと濃い出汁が一気に出て来る。これを食べると俄然食欲が一気に出てしまう。

 

 ついに出た! てっちりのお皿。これを見ていると河豚は捨てるところがないのが分かる。コラーゲンたっぷりの部位がてんこ盛りしてある。野菜や具も河豚を引き立てさせるためにあり、余計な物は入ってない。選りすぐりの食材だけが盛ってある。

 

 お鍋もいい感じになってきた。寒い季節にはちり鍋が一番。ひたすら食べる。

 

 お鍋の最後は雑炊。これが一番美味しいと感じた。もちろん全部美味しいけど、これが五臓六腑に染み込んでいく美味しさ。年に一度はここに来て食べたくなるのは、これが目当てだからかも知れない。河豚のお出汁が絶品。

 

 これで腹八分目。お腹いっぱいになったら美味しさを忘れてしまうような気がした。これで終わりかと帰り掛けたら抹茶アイスのデザートが出た。東京から来たグループの客達みんなが財布から1万円を出した。店の人が5000円のおつりを渡すと怪訝な顔をしたという。東京ならこのコースなら1万円はするらしい。

 

 でも、これは去年の画像。今年も行ってみたい。安乗には灯台があり、上ることができる。岬の公園はマストツービジットな所。対岸は愛知県の渥美半島が見えるし、遠く鈴鹿の山々や四日市コンビナートの煙突も見える。映画「喜びも悲しみも幾年月」の灯台守が主人公のロケ地でもある。