櫛田川流域の正月行事 どんど火 | バイカルアザラシのnicoチャンネル

バイカルアザラシのnicoチャンネル

 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 櫛田川流域では正月に左義長を焚くどんど火が行われます。午前六時一斉に火がつけられました。

 

 左義長は大小二つあり、最初に小さい方に火がつけられます。乾いた笹が勢いよく燃えます。

 

 小さいどんどの火が小さくなると、今度は大きな方に火がつけられます。高さは8mあります。漆黒の闇夜を激しく焦がして、火の勢いは最高潮。先端の幣が一気に燃え尽きたので、今年は豊作です。

 

 左義長の右に亀が現れました。今年はいい兆しなのかも。やがて笹からどんどの本体に火が移り、今度は薪が燃え始めました。

 

 青竹が燃えて中の空気が熱せられ、爆発しています。その音が香肌峡の狭い谷々にこだましてドカーンドカーンと大砲がなっているように聞こえてきます。

 

 火の勢いが収まると人々は焼け石で餅を焼きます。石焼きの餅は甘くなります。こんなに甘くなるかと思うほど甘くなるのは遠赤外線の効果なのか。この餅を食べると無病息災になるとか。

 

 山の端には月齢26の有明月が出ました。これから新月に向かいます。どんど火の行事が終われば、正月気分も終わり。本格的な1年が始まります。

 

 今から50年前は中学生がどんど火を作っていました。中学生達は河原に穴を掘り、トタン板で屋根を作ります。そこで寝ずの番をします。他の地区の中学生がどんど火を襲い壊しに来ます。無事、どんど火を守り抜いた地区はどんどを焚くことができますが、襲われた地区は無残な形のどんどを焚くことになります。最後まで守り抜いた中学生は立派な大人として認められます。河原に掘った穴で仮眠した中学生の顔は真っ黒。中で火を焚いていたのでススまみれです。精悍な顔はだれよりもイケメンに見えます。そんなやんちゃな中学生達は今は優しいお爺さんになっています。今では大人がどんどを作るので巨大な物になりました。それでも伝統は次の世代に受け継がれていくのでしょう。

 

 

 どんど火の点火の様子を6分の動画にまとめました。ご覧ください。