聖地巡礼 映画「きいろいゾウ」のロケ地を巡る | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 桜坂を上っていくと秋の野草が小さな花を咲かせている。名前も知りたいけど、知らないままの美しさでそれでいい。それが素敵。

 

 峠にはトンネルがある。越えてきた上り坂を見てほっと息をつく。そして、眼下に新しい世界を展望する。あれでよかったのだと疲れた足をいたわり水を飲む。今を坦々と確かに進めばいいのだと。そして、また自分を励まして、次の道程へと。昨日の私は今日につながり、今日の私は明日につながることを信じて。

 

 映画「きいろいゾウ」のロケ地に来た。油田公園は朝柄地区の庄屋跡。ここで向井理と宮崎あおいが熱い演技を繰り広げた。名医油田穎一博士の生家でもある。

 

 穎一先生は、酒豪だった。黙って一升瓶を静かに空けた。医学を極めただけでなく書も卓越していた。徹夜麻雀では負けることがなかった。医学部の重鎮でいることもできたのに終生赤ひげ(街医者)を通された。

 

 当時のかまどが残っている。これでご飯を炊いたら美味しいだろう。いつもならキャンプ場として使われているけど、このご時世なので今は使用を中止している。

 

 窓のビードロガラス。一枚一枚手作りだから反射した風景がゆがむ。こんなガラス板を作る職人はもういない。貴重な品なのに、こんな所に残してある。

 

 アジサイの道に咲く紫陽花の花。初夏に咲いていた花がドライフラワーになって赤い色素まで残ってる。その季節の旬の盛りの花もいいけど、こんな花を見つけるといつまでも見ていたくなる。あたりはいたって静か。音を立てるのがおこがましくなるほど静謐な小径。

 

 柿の葉が赤くなり出した。それとともに用水に真っ赤に葉っぱを落としてる。

 

 立梅水道を越えて隣の村に出てきた。櫛田川の河岸段丘に抱かれた小さな村。はざ掛けの稲が干してある。もう稲刈りも終盤。秋の空って高くて広い。

 

 過去に傷を持つ売れない小説家(ムコ 向井理)と、動物や植物の声を聞くことができる妻(ツマ 宮崎あおい)が、近所の住民らとのふれあいや過去の清算などを経て絆を深めていくムコとツマの物語。月の動きとツマとの関係が趣がある。映画の一コマ一コマが叙情的で美しい。勝手にシネマ解説してみました。