草原の秘密のベイカリー | バイカルアザラシのnicoチャンネル

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 サイコロジストの日常と非日常を季節の移ろいを交えて描いています。バイカルアザラシのnicoちゃんの独り言です。聞き流してください。

 昨日とうって変わって今日はどんよりと曇っています。いつ雨が降ってもおかしくないくらいの雲行きです。一面茶園が広がっています。最高の茶葉ができるようによく手入れされています。

 

 ススキが銀色になってきました。銀色はどんな色にも染められます。夕陽が差せば金色に輝きます。秋風が吹いてなかなかシャッターチャンスが訪れません。

 

 夏、黄色い花は今は種をつけて綿帽子になりました。風が吹くと綿毛とともにみんな散り散りに飛んでいきます。そして、来年も春になれば花をつけるのでしょう。

 

 が実をつけました。誰かが植えたのでしょう。でも、誰も食べる人はいません。今年も立派に実をつけたのに。なぜか心持ち寂しそうです。

 

 こんな季節に黄色い花。植物図鑑で調べても名前が分かりません。なんて言うんだろ?大輪の花もいいけど、野原にひっそりと小さく咲いてるのが好きです。「私、綺麗よ」をなんて自己主張はしません。そんな片隅の小さな花ばかりを見つけてはカメラに撮っていました。

 

 秋の実りはやはりキノコです。こんなに豊作です。でも、多分毒キノコです。天然シメジらしき物も見つけたけど、食べて救急車を呼ぶことになると困るのでそっとしておきました。

 

 なんだ、これはおとぎの国の家なのか。自分が見つけた秘密のパン屋さんです。広い庭、木の上の秘密基地、子どもには心豊かに育って欲しい。理想の場所をここに見つけられたそうです。

 

 イーストなんか使いません。すべて天然酵母です。具材は無農薬。メロンパンはクリームチーズの中にイチゴが入っています。今時、無農薬のイチゴってどんなに栽培するのでしょうか。揚げパンは生地にヨモギが入っていて、大納言小豆の中にはレーズンやクルミが入っています。それも半端なくこれでもかというくらい惜しみなく入っています。エピスは大麦の生地にオーガニックドライフルーツ、イチジクやレーズン、ナッツも三種類も。チャパモッツァレラは、無農薬オーガニック農法で有名な愛農学園高校のベーコンが入っています。ここのベーコン、売っているのと全く違います。お肉のうま味が噛めば噛むほどほとばしり出ます。深い味わいです。具材の選び方もびっくりですが、生地にも驚かされます。生地が甘いので、どれくらい砂糖を使ってるのかと聞くと、天然酵母とドライフルーツの甘さだけですって。具材は季節によって変わります。

 

 週の前半は発酵させるためにお店は休業です。天然酵母なので長い時間が必要なのです。営業開始は正午から。売り切れたら閉店です。ランチは店内でいただけます。ご主人はシェフで絶品のスープが出てきます。とにかく素材が素晴らしいので、一度食べるとレピーターになります。

 

 お店を開く前からの隠れファンです。当時は出来たてパンをヨガ教室に販売に来られていました。草原の中のポツンと一軒家です。こんな所でパン屋が成り立つのかと思えば、休日は大盛況です。ここに店を構えたのは、理想のパン作りができるから、子どもを自然の中で育てたいから。夢が現実にここにあるって、すごく魅力のあることですね。ということで、場所はあまり広く知られたくありません。自分にとっては草原の中の秘密のベイカリーであって欲しいのですけど。